200話 お風呂は正義
気付いたら200話目になっていました。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。
見切り発車して半年以上書き続けたのだなと少し感慨深いです。
まだまだ不出来な作品ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです。
ブクマや評価をしてくださるとさらに喜びます。
うぅ……眠い。最近は〇時過ぎて寝る事なんてほとんどなかったから、睡眠時間が足りてない気がする。六時間は寝てるはずなのに。地球にいた時なんて一時や二時に寝ることもざらだったのにな。娘たちは俺と同じくらいに寝て早く起きてるんだからタフだよな。
食事に呼びに来た娘に起こされて眠い目をこすりながら食堂へ向かう。いつもの朝食を食べて日常に戻っていく。というものの俺には今のところすることはなかったはず。昨日は動きすぎたので今日はのんびりしよう。
よく考えたら追いかけっこ終わってからストレッチとかしてねえな。という事でストレッチでもしようかな。そういえばホットヨガみたいに温かいところでストレッチっていいのかな? 物は試しだ!
という事で俺専用のお風呂場の隣の部屋を一つ潰して室温の高い部屋に改造じゃ! ダンマスのスキルってこういう時便利だよな!
とりあえずホットヨガの事を調べよう! えっと、室温三十九℃前後で湿度は五十五から六十五パーセントくらいなのかな? 召喚した本によってもばらつきがあるようだ。人間の筋肉を柔らかくしなやかにするのが大体この辺らしい。水分はしっかりとらないといけないとの事で、常温のスポーツドリンクを準備する。
一人でやるのも寂しいので誰かを巻き込もう。体質的にシュリを入れてみようか、他には違う種族の娘も呼んでおこうか。リリーに何かあった時のためにキリエかな?
シャルロット、ライラ、ジュリエット、マリアを呼んでちょっと一緒に体験してもらおうか。という事で、招集する。集まってもらった娘たちにそれっぽい服を召喚して着替えてもらう。眼福じゃのう。
「急に集まってもらってごめんね、俺の故郷にホットヨガっていう温かい部屋で、ストレッチのようなことをする体操があるんだ。すぐに効果があるかはわからないけど、体調を整えたり美容に良かったりするらしいから一緒にやってもらおうとおもってね」
美容にいいと言うところにガタッ! っと表現できるように反応する娘たち。やっぱり女の子なんだな。でもまだ十代前半から半ばなのにな、日本ならまだ中学生か高校生なんだよな。
「冷たい飲み物だと体に悪いから、こっちで常温のスポーツドリンク準備してるから。部屋が暑いだけあって、汗をよく掻くから無理しないように水分補給しながらから体を動かしていこう」
三十分ほどストレッチなどをしていると、昨日走り回った時と同じくらいの汗が出てる気がする。無理せずに水分補給をして周りを見ると……汗をかいて色っぽくなって、ぴちっとした服だったせいで目のやり場に困る娘たちの姿……
あ~これ一緒にやるのいろんな意味で不味いな、特に俺の精神衛生的な意味合いで。無心、無心、無駄な心の鍛錬が課せられた。
それから一時間ほどしてストレッチを終わりにした。汗をかくという行為はそれだけで体力を消費するのだ。でも苦しい感じではなく、気分のいい疲れといえばいいのだろうか? 体はスッキリしたけど、精神的にはかなりすり減ったな。今日の夜は……ゲフンゲフン。
「みんなお疲れ様。どうだった?」
そうするとライラが代表して話し出した。
「暑くてちょっと大変ですけど、体を動かしていると何か気持ちよかったですね。この部屋はずっと開放してますか?」
「そうだね、みんなに開放する予定だよ、俺も使うけどね。一応この部屋使うときの正装として今回渡した服を着てもらうからね。他にも気になったものがあったら色々準備するから教えてね」
「それでしたら気になってたものがあるのですがいいですか? 岩盤浴と砂風呂、泥風呂っていうのに興味があります。美容にもいいと聞いてますので機会があれば入ってみたいと思っています」
「あ~岩盤浴と砂風呂は気持ちいって聞いたな。よっし、他の人たちも使えるようにこの家の隣に空いてる土地にスーパー銭湯みたいなの作るか! 温泉、お風呂とサウナは男女別で、他の施設は専用の湯着を準備して共有にしよっか」
「共有ですか?」
「ダメか? 今のところ男なんて一握りだろ? そのために使われるかわからない施設を作るのはな、無駄かなっておもってな、だから湯着や水着を着れば共用にできないかなって、いやか?」
「そういう事ですか。でもそれなら、後の事も見据えて大きいのを作ったらどうですか?」
「あ~どこまでの施設かは考えてないけど、温泉はいろんなところに作る予定なんだよね。それにこの施設に関しては、今いる人たち位にしか使わせるつもりが無かったりね。まぁ俺の管理下にある人たち用の娯楽施設ってところかな?」
多分納得してくれただろ、基本的に男の割合の少ない現状で大掛かりな男性用の部分があるのは大いなる無駄なのだ!DPを無駄使いしてるやつがよく言うという感じではあるだろうがそんなものは無視だ!
こうして突発的に俺の家の横にスーパー銭湯【湯の城】が完成した。
畑仕事や塩づくりしている人たちは汗でべたべたになるし、ダンジョン組も汚れるからスーパー銭湯は大人気だった。ちなみにそこで働いているのは、氷の精霊のフラウを召喚してみた。アクアの話では、結構働き者よ? っていう事だったので採用して働かせている。
女性型八割に対して男性型が二割で召喚した。召喚して説明を行った次の瞬間に条件を提示された時にはビビったが、提示された条件があまりにもあまりだったので笑ってしまったのはしょうがないと思う。
だってさ「そのスーパー銭湯を私たちも自由に使えるようにしてください」だからな。元から仕事中じゃなければ自由に使っていい場所だからな、条件にすらなりえなかったさ。そのおかげか女性型のフラウたちは毎日キャッキャウフフと仲間と一緒に利用している。
魚人の人たちの住む島にも同じような施設を小型化して作っている。サウナは人気がないが、岩盤浴や砂風呂、泥風呂はとても人気が高い。施設の管理は基本的には自分たちでしてもらっているが、フラウたちが一日一回は掃除などをしに行っている。やっぱりお風呂っていうのはどこ行ってもいいよね!
いいことした後は気分がいいな!
「ご主人様、ここにおられましたか」
木陰で椅子に座って本を読んでいるとピーチが俺の事を探していた。俺何か悪いことしたっけ? 内心ビビりながらピーチに声をかける。
「くつろいでいるところ、すいません。以前話していた和紙の件ですがどうなりましたか?」
しまった。全く手を付けていない……
「ご、ごめん。今言われるまで忘れてた。ちょっと本召喚して調べるわ」
「い、いえ。急かしてしまってすいません。あれば助かるなって思いで相談させてもらったことでしたので……」
「いやいや、本当に忘れてしまっていたんだ、ごめんよ。今日はちょうど時間が空いてたのにスーパー銭湯だ何だと作って遊んでただけだし、本当にごめん。しばらく手が空くしちょっと紙の研究してみるか。あって損はしないしな」
「ありがとうございます。お手伝いはこちらから出しましょうか?」
「とりあえず、うまくいけば此処の産業の一つにしたいから指導役に回る人間としてほしいところかな? 昨日捕まった組から何人か器用な娘たちを選んでおいてくれないかな?」
「わかりました。相談して選んでおきます。決まりましたらご主人様の所へ行くように言っておきます」
しばらくはすることが決まった。これにもスキルがあったりするのかな? 一応紙の精製場所は地下に作っておくか。地上だとダンジョンの成長要素を利用できないからな。地上でも恩恵を得られるようにできねえかな?
読んでくださり、ありがとうございます。
ブクマや評価をしていただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします。




