1993話 子どもたちの仕事が増える
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休憩しておやつを食べようとしていたが、老ドワーフの忠告を聞いてウッドデッキに柵をつけることにした。高さは……大人の腰くらいかな? これを乗り越えられる歳なら、この高さくらい問題ないだろう。
元々柵をつける予定はなかったので、無計画に柵をつけることになってしまった。そうすると、強度の問題が出てくるとドワーフの爺様方に言われたので、クリエイトゴーレムで強引にくっ付けることにした。
ウッドデッキ自体にもクリエイトゴーレムをかけて、自動修復機能をつけているので今更だと思い、子どもたちに危険が無いように作っていく。そんなことしなくても、スライムたちやケットシーが安全を確保してくれるのだが、それとこれとは別なのだ。
ウッドデッキの床と柵は同じ色で統一……ちょっと色合いが微妙かな? そんなことを思い首を傾げていると、
「シュウ、ここにプランターを置いたりできないかな? 子どもたちも畑仕事をしているけど、一から全部しているわけじゃないでしょ? 植物を育てるのは、思っている以上に大変だということを教えたいから、プランターで教えるのはどうかな? 部屋からも近いしさ」
なるほど。カエデに言われて、色々思い浮かべてみる。畑とプランターでは、どちらが育てるのが大変とか差はないのだが、育てられるものの種類や手入れの関係で、プランターの方が簡単な物も多い。畑みたいに広くないし、手入れはしやすいと思う。
子どもたちの教育にとってはいいかもしれないな。
ウッドデッキにそのまま置いても問題はないのだが、個人的には面白くないので少し工夫をしたいところだな。ただ引っ掻けるのも面白くないし……子どもたちが手入れをすることを考えると、あまり高い位置も良くないか?
プランターの位置なら最悪クリエイトゴーレムでなんとかなるんだから、高さは今の子どもたちに合わせよう。じょうろで水をあげるとなると、高い位置は大変だが、魔法やホースで水をあげるなら、作業しやすい高さがいいよな。
ひっかけるタイプじゃないとすれば、置くしかないのだが……何かいい方法は無いかね?
Uの字の様な水路を作りそれを柵に取り付けて、そこにプランターを置くか? 水をやっても、そのまま水路を流れてウッドデッキを汚すことも無いしな。
うん、悪くないんじゃないか?
早速、俺のプランを妻たちに説明すると、受け入れてもらえたので、ウッドデッキの板材と同じものでUの字の箱を作り、柵へ取り付けていく。内側は、手元にクリアメタルが大量にあったので、それでコーティングしている。
初めは一方方向に水が流れるように考えていたのだが、ウッドデッキの柵が予想以上に長かったので、少しだけ傾斜をつけても、端から端となると、結構なずれができてしまった。プランターで5個を1セットにして、傾斜を変えていく方式にした。
水の流れ落ちる場所が増えるので、しっかりとその部分の調整を行い、ウッドデッキが汚れないように細工をしていく。
「うっし、完成! ウル、ミーシャ、スミレ、ブルム、ちょっと来てくれ」
お父さん、何? と言いながら4人が近付いて来た。母親たちがプランターで植物を育てる話をすると、露骨にミーシャたち3人は嫌な顔をするが、ウルは笑顔で返事をしている。ウルは、色々な体験から学べることがあると教わっているため、これもいい経験だと考えているようだ。
小学生の低学年の子どもが、いい経験だからって自分で考えて体験するとか……日本じゃ信じられないな。外国では、子どもでも働いている国はあるし、日本だって100年前は子どもが普通に働いてたわけだし、おかしなことではないのかもしれないが……
ミーシャたちは文句を言うと分かっていた母親たちは、ご褒美をあげることでミーシャたちのヤル気を引き出そうとしている。ご褒美というのも、自分のマイワールドをいじるためのDPだ。
猫の餌やりも、下の子たちの面倒を看るのも、習慣化させているが、子どもたちの仕事というと語弊があるが、責任を持ってしてもらうこととしてお願いしており、それに対してご褒美という形でDPをあげている。
それの1つとして、今回の植物の世話もしてもらおうと考えているようだ。ミーシャは、考えなく欲しいと思った物をどんどん追加していくため、DP不足になりやすく、一番初めに食いついた。
スミレは計画的に使っているが、最近は大きな物を作りたくてDPを貯めているようで、渋々了承したような感じだな。
ブルムは自分の居場所……俺で言う、趣味部屋みたいなのを作り、自分の好きな物を置いているが、広くないので、DPをそこまで消費していないため、後ろ向きな感じだな。一番やりくりが上手いかもしれないな。面倒なことは極力避ける……みたいな?
ブルム以外はヤル気になっているが、それだと溝ができそうだよな……何とかしないといけないか?
ブルムさんやい。どうしたら植物の世話をしてくれますかな? こんな感じではないが、ブルムに話を聞いてみた。
ブルム曰く、プランターじゃなくて、お花畑がいいんだとか。取り寄せた写真集で、花を並べたキレイな畑を見て、あんなのを作ってみたいと思っていたらしい。
あそこまでキレイに作るのは大変だけど、小さい畑で育て方を覚えながら、キレイな花畑を作ろうという話になる。
ミーシャとスミレは、プランターで育てる植物の世話を中心に、ブルムはウッドデッキの隣に作った小さなお花畑の世話を中心にすることになる。ウルは、状況を見てどちらもお手伝いすることとなった。
正直、畑の場合は、雑草の処理とかが大変になるので、ある程度自分でやったらスライムたちの手を借りても良いことにした。そうでもしないと、スミレだけが大変な思いをすることになるからな。
役割も決まり、育てる植物や花も決まった。土づくりをして、タネを植えようと思ったが、時間的に無理があるので、今日はこの辺で終わりにしよう。
おやつの休憩も取らずに作業をしていたので、喉がカラカラだ。途中で水分補給をしていたが、足りていなかったようだな。集中している時って、喉が渇いているとかあんまり感じないもんだな。
夕焼けに染まっていく空を見ながら、フレッシュジュースの炭酸割りを喉に流し込む。
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