1989話 いつも通り
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昨日は何か疲れたな。久しぶりに仕事をした気がするし、そのあとも色々したからな。食堂でいつものように元気よく、ムシャムシャ食べているシンラを眺めながら、俺も食事を食べていた。
元気がいいことは何よりだな。
今日の予定を頭の中で確認していく。庁舎へ行っていつもの仕事、以上。
相変わらず、することが少ないよな。必死になって働きたいわけじゃないけど、こんなにい事が少なくてもいいのだろうか?
妻たちに聞けばおそらくだが、問題ない! とか、畑仕事でもしてたら? とか言われると思う。
気になったので聞いてみた。
半数に仕事に行かないでいいから、赤ちゃんを作ろうと言われベッドに連行されかけた。もう半数には、やりたいことをすればいいんじゃない? という感じだった。めっちゃ予想が外れた感じだな。後者は、問題ないと同じ意味にも取れるけど、何となく違うからな。
このまま家にいると、妻たちに食べられてしまいそうなのでさっさと庁舎へ向かおう。
妻たちといたすこと自体は、嬉しい事なんだよ? でもさ、相手にする数が多いだろ。嫁たちの4分の1と寝たとして、1人2回はいたすので物理的に消耗するわけですわ。スキルで妻たちに対して性欲が強くなるのは良いんだけど、出す物は俺の体から消費されるわけで……大変なんすわ!
なんて、下世話な話はいいとして、ギルドを抜けて学校エリアに入る……今日も待機している先生がいるな。
ここは、ディストピアの子どもたちが登校してくる場所なので、必ず先生が待機しているのだ。挨拶を交わしてから庁舎エリアに入る。
始業前30分だというのに、8割方の職員が出勤してきているな。早く来て働いているわけではなく、みんなで集まったりして楽しそうに話をしているな。
2~3グループに顔を出して、少し話に加わってから自分の執務室へ。
うむ、1フロアをほとんど使っているから、広いな。こんなに広くても使い道がないんだが……グリエルたちが満足しているので、仕方がないのだ。妥協点として、部屋の隅に俺が仕事をしやすいように、いつも使っている小部屋がある。
この部屋に付くと、お供で付いてきている四聖獣たちと、ニャンコズは、日当たりのいい定位置へ。暑いのに直射日光が熱い所に行くのか? と思っていたら、集まって眠る場所に温度を下げる魔道具がセットされていた。
いつの間に置かれた物か分からないけど、温度を下げるくらいなら、日当たりのいい窓付近に行かなければいいのに……って思うのは俺だけかな?
ん~今日は、こっちの広い部屋のあの大きな机を使うか。
小部屋に置いてある机の4倍はありそうな執務机が鎮座しているので、そこで仕事をしてみよう。小会議などで使う机はそれなりに使用しているのだが、あの机だけは一度も使ってないんだよな。せめて使ってあげないとかわいそうだな。
今日お手伝いしてくれる、ジュリエットとシャルロットにお願いして、俺が読むべき書類をあっちの机に運んでもらう。
遠目に見て、昨日より数が増えているのは明らかだな。昨日は特別少なくしてくれていたみたいだし、今日はいつも通りの数なのかな。っと、妻たちが仕分けする分も入っているのね。だから、多くなっているのか。
俺がいなくなった期間は交代で庁舎に来ていたけど、俺が帰ってきてからは、庁舎にも来ていないから、妻たちの仕分けの仕事が溜まっているのだろう。
今日、職員たちが早く出勤してきたのは、妻たちの仕分けを1週間ほどしていたせいで、ついつい出勤してきてしまったようなのだ。普段なら10分前くらいには全員揃うらしいが、慣れでそのまま来てしまっていたんだとさ。
朝話した時には教えてもらえなかったが、帰る時に話を聞いたらみんなが笑って答えてくれたよ。笑い話になるのかね? 後にこの早めの出勤は、庁舎の伝統となって根付くこととなる。
仕事の話をするわけでもないのだが、リラックスした状態で仕事ができるみたいで、作業効率が上がったんだとか。庁舎で働いている人の休憩時間も見直され、小休止のお菓子タイムも根付いたのだとか。昼食以外は一斉に休むけど、持ち場で待機しながらの小休憩なので、対応は問題ないんだとか。
休み過ぎて残業が増えるとかでないなら、問題ないから何も言うことは無かった。何かトラブルが発生すれば、ここに缶詰めになる人たちもいるので、通常時はしっかりと働いて時間通りに帰るようにな!
自分に回されてくる報告書を読みながら、足元に遊びに来たダマをかまっている。首をかるくはさんでみたり、顔を挟んでみたり、ワシャワシャと撫でてみたり、手が止まりそうになりながらもなんとか報告書を読んでいた。
報告書自体はいつも通りなのだが……なんか違和感があるのは何でだろう?
ん~何度読んでも、よくある報告書だな。
「何悩んでるんですか?」
ジュリエットが俺の様子に気付いて、声をかけてきた。
「ん~、いつも通りの報告書なんだけど、なんだか違和感があってね。でもいつもと違わないから、違和感の正体が分からないんだよね……」
そう言って2人の前に報告書を置いた。この報告書自体は、ジュリエットもシャルロットも確認しているので、「いつも通りの報告書ですね」と言うが、俺と違って違和感は感じないようだ。
「俺だけが感じている違和感ってことは、大したことないのかもな。気にしすぎて違和感に感じている可能性だってあるしな」
そんな話をしていると、興味を持ったのか四聖獣たちがチビフォルムで机の上に集結した。
子虎に子亀、小鳥に子蛇が、あーでもないこーでもないとわちゃわちゃしている姿は、和むな……思わず写真を撮ってしまったくらいだ。
報告書なんて読まないお前たちに、俺の違和感が分かるわけもなく、ただ小会議みたいなことをしてみたかっただけ……に見えてしまう。
「でも、違和感があったのでしたら、グリエルさんたちに伝えて、みんなにも確認してもらえばいいのではないですか? 違和感がある人が他にもいるかもしれないですし。いなければ気のせいだったってことになるんじゃないですかね?」
シャルロットが、現状の最適解を出してくれたので採用する。
今日の仕事を終え、グリエルたちに報告書の違和感について話をして、手が空いている時に他のメンバーにも読んでもらうようにお願いしてから帰路につく。
家に帰ると……昨日みたいにシンラが玄関で待機していた。昨日みたいな仁王立ちではないが、やはり訳の分からないことを言って、俺を留めようとするのだ。さっさと捕まえて、小脇に抱えてこちょこちょ攻撃をしながら食堂へ向かう。
プラムとシオンは、シンラを助けるために俺の足にコアラみたいに引っ付いてるよ。落ちないように歩く方が大変だわ。
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