表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1984/2519

1984話 影の苦労

アクセスありがとうございます。

 追悼が終わり子どもたちの様子を見る。本人たちはあまり意味は分かっていなそうだが、大人の真似をしてミーシャたちはお祈りをしている感じだ。


 下の子たちは、シンラがミーシャたちの真似をして、プラムとシオンはシンラの真似をしているようだな。3人ともチラチラとお手本にしている相手を見ていた。分かりやすい3人だな。この歳でこれができるなら十分か。


 それにしても、ここら辺が酒臭いな。子どもたちは少し離れた位置にいるので、問題ないが間近にいる俺は、ダイレクトに嗅いでしまい、若干フラフラする。酔っているわけじゃないが、アルコールが呼吸で入ってくるため咽そうになる。


 ドワーフの爺様方は、良い匂いじゃ! とか言いながら深呼吸してやがるが、マジで頭いかれているんじゃないか? と、本気で思ったくらいだ。


 子どもたちの位置まで下がると、まったく匂いがしなくなった……なるほど、子どもたちが影響を受けないようにライムが風の壁で、アルコールをシャットアウトしていた感じか。


 この程度の魔法なら、苦にもならないんだろうな。攻撃魔法を受け止めることのできる壁を作れるライムからすれば、威力を落としてアルコールを子どもたちに嗅がせないようするくらい、朝飯前なのだろう。俺もできるけど、思いつかなかったな……


 あれ? この壁って、アルコールだけ選別して弾いてるのか? 空気を遮断している感じじゃなかったから、アルコールだけを弾いているのだろう。そう考えると、かなり高度な魔法を使い続けているってことじゃないか? どうやって分けているのか気になるな。


 厳かな雰囲気が無くなり、シンラたちも声を出し始めたな。プラムとシオンは食欲が勝ったのか、子どもたちの慰霊碑の前にあるお菓子を見て、食べたそうにしている。さすがにあそこの食べ物はあげられないから、戻ったらシルキーたちに何か作ってもらおうな。


 帰ったら、と伝えるとテンションが上がり、早く帰るように抱っこしている母親を誘導するように指を指している。シンラ、早く帰りたいのは分かったけど、お前の指している方向に進んでも、魔導列車の所にはいけないぞ。


 本当にこの子たちは、とりあえず行動に移すんだから……落ち着きがないな。


 魔導列車に乗り込むと、シンラたちは自分たちのスペース(ケガをしないように改造されたエリア)で、姉たちに何か話し始めた。


 さすがにミーシャたちも、テンションが上がって何を喋っているか分からないシンラの言葉を理解できず、困っている様子を見せるが、シンラ的には話を聞いてもらえているだけでいいみたいで、話しきった後は満足げな様子だ。


 あの言葉を理解できるのって、スライムたちだけなんだよな。どんな会話がされているんだろうな……誰か通訳してほしい物だ。


 あ~一応、プラムたちも分かっているのかな? シンラの演説みたいなのに合わせて、拍手しているからな……いや、この子らは雰囲気で拍手しているな。


 姉たちも、下の子たちが可愛いのでニコニコしているが、シンラの演説だけは苦笑気味だ。こいつだけ、何かズレている気がするんだよな……女の家族に囲まれて少しおかしくなってるとかないよな?


 その考え方だと、俺もおかしくなっている可能性があるか? ないない、こいつの特性だと思っておこう。もう少し大きくなれば、意味不明な言葉を喋らなくなるだろう。


 家に戻ると、妻たちの誰かから連絡がいっていたのだろう、ブラウニーたちがおやつの準備を始めていた。


 今日はみんなで作るタイプのオヤツかね? 調理器具が準備されているけど……耐熱ボウルに白い粉、砂糖? タッパに黄色い粉……きな粉かな? 奥に黒い液体……とろみがあるように見えるけど、何の液体だろうか?


 ブラウニーたちに誘導されて、姉たちのエリア、下の子たちのエリア、その間に俺が座らされる。


 今日のおやつの説明が始まった。


 謎の白い粉は、わらび粉らしい。勝手なイメージだけど、わらび粉って色がついているんだと思っていたが、そうではないらしい。ジャガイモを擦って片栗粉を取り出すと、白いからそんなもんかと納得することにした。


 わらび粉なのだが、白かと思ったが若干黒っぽくも見えるな……粉にするためにすり潰したから、白っぽく見えるのかね? わらび粉をする前の物を見せてもらったのだが、何だろうな……絵の具が固まってパリパリになったような物に似ている気がする。


 それをあえてすり潰して粉にしたようだ。本来は潰す必要は無いけど、この後に水に溶かすので簡単に解けるように細かくしたんだってさ。


 わらび粉を鍋に入れ、そこへ水を加える。溶かすように子どもたちが混ぜ始めるが、片栗粉と一緒で水に溶けるわけではなく、粉が水全体に拡散するだけなので、放っておくと底に溜まるらしい。


 わらび粉を混ぜた水は……なんだか薄い灰色っぽい見た目だ。正直これだけ見ると、美味しそうじゃない。子どもたちも同じようなことを思っているようで、表情が微妙だな。


 そこへ砂糖……グラニュー糖を入れ、更に混ぜていく。これで液体が完成したようだ。ここから何をするのかと思ったら、火にかけるらしい。わらび粉は片栗粉と同じで、熱するとトロミがついていき、水分量が減るとわらび餅みたいになるのだとか。


 わらび餅の代用として片栗粉でもいいんだってさ。スーパーなんかで売られているわらび餅の大半は、片栗粉から作られているんだとか。値段にすると、10~20倍違うものもあるんだとさ。


 初めのうちは水分を飛ばす作業なので、子どもたちでも問題ないため、IHのクッキングヒーターの上で子どもたちが一生懸命かき混ぜている。


 しばらくすると粘り気が出てきた! とシンラが騒ぎ出す。ここからは力とかき混ぜ方が重要になってくるらしく、俺が下の子たちのを、ブラウニーが姉たちのをかき混ぜ始める。


 思っている以上に力が必要で、練る感じで混ぜる! と指示を出されたため、一生懸命頑張る。


 ただ、頑張っている姿を見ている子どもたちはいない。子どもたちは、わらび餅が完成する前に、きな粉などの準備を始めるため、少し席を移動していた。お父さん頑張ってるんだけどな……


 薄黒かったわらび粉を混ぜた液体は、いつの間にか真っ黒なスライムみたいになっていた……これが本来のわらび餅なのか?


 温かいままきな粉の上に置いて、上からもかけて全体にまとわりつかせる。それをヘラで切り別ける。まだ熱いので、魔法で冷やして子どもたちの前に置かれる。


 きな粉が付いているので、黒いスライム的な見た目ではないので、躊躇なく口へ運び食べている。


 わらび餅って作るの大変なんだな……

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ