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198話 鬼ごっこ

アクセスありがとうございます。

 昨日はよく寝れたな。よくわからないが朝起こしに来たシャルロットに恨みがましい顔で、いつもより顔がツヤツヤしているといわれた。


 別にやましい事はしていないがそんな顔で見られるといけない事をしている気分になるじゃないか。幼女たちはもう起きていないとはいえ、一緒に寝ていた事実は消せないのだ。


 でもよく寝れたな。疲れた時とかにはまたやってもらおう。毎日寝てしまったら何か堕落していきそうだ。


 さて、今日はみんなで遊ぶぞ! 以前からやりたいと思ってたTVの番組である、逃〇中のパクリをしようと思っている。


「みんな、朝食終わったね。今日はみんなで遊ぼうと思います。異論は認めません。というか今日は俺と一緒に遊ぶのが仕事だ。みんなにはこれから準備するダンジョンの中に森を準備して、半径二キロメートルの中で三時間くらい逃げてもらうことにします。


 鬼は俺がやるからみんなは全力で逃げてね。捕まった娘は罰ゲーム、逃げ切った娘はご褒美をあげようと思います! ルールはいたって簡単、魔法やスキルは一切禁止、俺に触られたら負け! 一人で逃げるもよし協力して逃げるもよし、体使って楽しんでもらう予定なので動きやすい格好で来るようにね!


 あ、俺も魔法やスキルは使わないけど、手作りの罠は仕掛けるから注意するんだぞ! じゃぁ準備開始! 今が八時で、二時間準備するから、十時集合の十時三十分開始にするね」


 せっせと鬼ごっこのフィールドを作って、走り回って罠を仕掛けていく。罠にかかったら一人では可能な限り抜け出せないように設計したつもりだが、シュリとか身体能力だけで何とかしそうだしな。


 ちなみに魔法やスキルを使った反則行為がないかの監視員として、スプリガンの方々にお願いしています。報酬は、俺監修の下シルキーとブラウニーを全員動員して作成した、至高のチーズケーキ三種を持ってお願いしに行ったら即答でOKを出してくれた。


 準備は整った。娘たちも集合して後は逃げてもらうだけだ!


「みんな集まったね、ルールは説明したとおりね。じゃぁ今の時間が十時二十分だからみんな逃げろ。十時三十分になったら俺が出発するからね! 隠れるもよし、逃げるもよし十三時三十分まで逃げ切れた人にはご褒美だからね! 頑張って逃げてね!」


 時計を確認して、十時三十分、ダンジョン放送で


「時間になったから出発するよ」


 今回はスキルなしなので索敵も使えない、という事で視認もしくは音などを聞き分けて探すしかない。今回仕掛けた罠は逃げる娘たちを追いかけて追い込む際に使うために仕掛けている。


 とりあえずどこにいるかわからないので、かなりのスピードで駆け回ることにした。焦って逃げようとするもの、視認できる確率を上げるために森の中を駆け出す。


 初の発見は


「リリー発見! ほら逃げないと捕まえちゃうぞ!」


 あえて声に出してリリーにプレッシャーをかける。追いかける方がこういう時は楽だな、ただあえてスピードを落としてリリーに何とか逃げれるようにしている。


 二分ほど追っていると、木の上に興味を持ったのかメルフィがいるのを発見した。俺から少し意識が離れた一瞬をついて、全力で木を蹴り上りタッチをする。


「メルフィ、残念でした。俺から意識をはなしちゃいけないよ! 後は見ることに集中して自分から意識が離れてたね、気配がもれてたよ」


 しょんぼりしたメルフィを後にリリーとの追いかけっこを始める。スピードを落としているとはいえ、森の中を時速五十キロメートル以上で走っているのだ。半径二キロメートルは狭かっただろうか? ちなみに一〇〇メートルを九秒で走りつづけるスピードが時速四十キロメートルだ。


 短距離走の世界記録以上で足場の悪い森の中を走り続けているのだ。ただこの世界ならこの程度のスピードならAランクの冒険者なら四から五時間は維持できるだろう。レベルによって変動する身体能力は恐ろしいな。


 リリーを追いかけ始めて五分。他の娘の気配が無いので、全力で走ってリリーを捕まえる。


「餌みたいに使ってごめんね、まぁ最初に俺の動きに驚いたのは減点だね。動かなければ多分気付けなかったよ」


 さて十分程で二人か。三時間って設定ちょっと短かったな~、全員捕まえることが目的じゃないしいいか、とにかく探さないとな。そんなことを思い走り出す。


 !? 何か音が聞こえたため足を止める。耳を澄ますが、違和感のある音は聞こえなくなっていた。一応なったと思われる方へ移動すると、走り出す足音が二つ、俺は走り出した。


「そこにいる二人は誰かな。アリスとライムか、もし魔法ありだったらやばい組み合わせだな」


 なんてことを言いながら追いかける。二人ならアリスの方が身体能力が高かったはず。先に捕まえてライムを追いかけた方がいいかな? 二人が離れるように逃げ出した。


 アリスは魔法剣士だけあって身のこなしはよかった。が、森の動きに慣れていないな。追いかけられて力加減を間違えて足を滑らしてしまう。タッチしてから反転して逆方向に逃げたライムを追いかける。時間がかからずに捕まえた。


 開始から一時間三十分、合計で十四人残り九人だ。かなりいいペースで捕まえている。残りは、シェリル・イリア・ネルの三幼女、チェルシー・マリー・サーシャ・ライラ・ソフィーのスピードに自信のあるメンバーだ。そして問題のシュリだ。


 一度違う娘を追いかけてる時に見つけたが、捕まえた後に追いかけたが追いつけなかった。他の娘は隠れるのがうまいのか全然発見できていない。おそらく幼女たちは一緒に行動しているはずだから、見つけやすいはずなんだけどな。


 二十分ほど誰も見つけられずに少しげんなりする。気分を変えるためにストレッチをしていると、何やら視線を感じる。距離はわからないがなんとなく方向はわかった。体をほぐして、一気に見られてると思われる方へ全力疾走する。


「マリーか、やっと見つけたぞ!」


 今までで一番逃げ方がうまいが、俺の方がステータスが高いので残念でした!


「ちょっと意識して見過ぎだったかな? 視線を感じたからね」


 後八人、これは全員はやっぱり無理な気がするな。捕まった娘たちは監視室でスプリガンと一緒に様子を見ている。色々おしゃべりしながら見てるんだろうな。


 三十分経過、残り四十分、やばいな誰も見つから……ん!?!?


「ご主人様発見!」


 おぃおぃ、なんで俺が発見される側になったし! そこには三幼女が並んで左手を腰に手を当てて右手は俺を指さしてた。どうしてこうなったんだ?


「三人とも、逃げる側だって自覚してるかい?」


「もちろんなの! 残り一時間はきったよね? 三人で相談して残り、一時間になったらご主人様を探して追っかけっこするつもりだったの!」


「ほ~逃げ切る自信があるのかな?」


「無いよ! でもこれは遊びなんだよね? だったら追いかけられた方が楽しいよね! 鬼さんこちら!」


 なるほど、ご褒美より楽しむことを優先したか。確かにそれはそれで悪くないな。


「全力で追いかけてあげよう! 力の限り逃げるんだぞ!」


 俺の声を聴いて全力で幼女たちは逃げ出した。シェリルとネルはそろって身体能力が高い、さすがにレベル差があるので俺の方がステータスは上だが、同じレベルで比べたら二人の方が一割ほど高いだろう。イリアはそこまで身体能力は高くないはずなのだが、森に守られてるかの如く二人より早く逃げている。


 誰か一人に追いつこうとすると、残りの二人からツルによる鞭みたいに妨害が飛んできたり、木の実が飛んでくる。確かに反撃は禁止してなかった。いや、反撃があるとは思っていなかったから想定してなかったのだ。


 強引に突破しようとしても体勢を崩されて追いつけないのだ。しばらくそんなやり取りをしていると、ライラが木の上で寝ているのを発見! 寝てるとかすごいな、という事でタッチして幼女を追っかけるのを再開する。文字にすると警察に捕まるなこれ。


 三十分追いかけても捕まる気がしねえ。さすがに三時間近く走り回って俺も疲れてきたな。おそらく森の中を一〇〇キロメートル以上走ってるはずだ。ってかそんなに走り続けれる俺の体力がびっくりだけどな。


 残り十分! 位置を変えて罠の方へ誘導しているのだが、ばれてるようで綺麗にかわしてく幼女たち……お! シェリルが転んだ! ゲームだけど慈悲はないぞ! シェリルに触れる寸前で体が浮いた!?


「ご主人様! ひっかかったの!」


 俺の右足を見ると、ツタで作っている罠がかかっており宙づりになっている。なんてこった、攻撃してくるんだから罠の可能性だって考えておかなきゃいけなかったよな。


「まさか罠にかかっちまうとはな、外して最後まで追っかけてやるからな! 待っておけよ!」


「やだよ~二人とも行こ!」


 罠を外している間に幼女達は逃げて行った。一分後に外せたので、全部を出し切るつもりで走って追いかける。残り四分、逃げている背中を発見する。残り二分やっと追いついた。


「やっと追いついたぞ、今度は逃がさん!」


「捕まらないもんね~」


 残り一分……一人くらいは捕まえたい! よし、イリアが躓いた! おっと足元にまた罠があるな、さすがに二回目は引っかからないぞ! 少し高めに跳躍してイリアにせまる。


 ドゴンッ


 は? 何の音か周りを見るとシェリルとネルが木を殴りつけていた。二本の木が着地地点に向かって倒れている。なんでそんなに早く倒れてくるんだよ! 木の枝や葉が邪魔してイリアを見失う。


 無常に追いかけっこの終わりを告げるサイレンが鳴った。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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