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197話 最強の寝心地

アクセスありがとうございます。

 数日後ダリアが頭を抱えて俺の部屋に来た。


「シュウ殿、すまないが雇い入れる人数増やしてもらっていいかな?」


「雇い入れる人数ってどこに?」


「役所か商会に……えっとですね、兄弟弟子に例の件を話したところ、八割の兄弟弟子が立候補しまして、しかも兄弟子のドワーフの立候補率が一〇〇パーセントなんです……何とかして枠を増やさないと暴れると言いまして、何とかしていただけないかと思いまして」


「あ~その事ですか? それはいいですけど、どの程度増やせばいいんですか?」


「そうですね、倍の六人位程にしてもらえれば助かります」


「そのくらいでいいのか? 確か連れてきた人数が二十人の八割だか十六人ってとこだろ? 半分の八人にしてもいいよ、お金の方も問題ないしね。ただしっかりとした指導してくれる人にしてくれよ」


「それはありがたい、立候補した十六人全員能力には問題ないですから助かります」


 かなりの喜びようでダリアがすんすんと話を進めていくようだ。半時もしないうちにメンバーが決まった。


 グレッグでしなければならないことは全部終わった。問題があれば無線で連絡が来るだろう。ダリアがいなくなってからは、ディストピアから派遣したメンバーの誰かに言えばつながることになってる。グレッグのめんどくさい作業から解放された! しばらくはディストピアでのんびりしたいところだな。


「さてみんな! 何かよくわからないうちにグレッグも俺の街になっちゃったけど、基本的には何もする予定ないし適当に誰かに任せちゃおう。


 まぁ前領主みたいになったら困るから権限だけは俺が持って最悪強権をすればいいんじゃないか。まぁ難しい事や先のこと考えてもわかるわけないんだ! そんな後の事はほっておいて、ディストピアに帰ろう」


 さて帰ろう! 我が家へ! 準備してもらっていた馬車に乗っていざディストピアへ!


 といったものの、帰るのはウォーホース任せで何もさせてもらえない俺は、揺れない事をいいことに携帯ゲームを始める。今日はプ〇ステー〇ョンで発売されP〇Pに移植された一〇八人の仲間を集めるRPGの一作目だ。なんだろな、何回もクリアしているのにまたやりたくなる中毒性があったりするんだよな。


 のんびりゲームをしていると、ピーチが俺の飲み物の定番となっていたアイスミルクティーを持ってきてくれた。普通の紅茶なら砂糖などを入れない事が多いが、ミルクティーの場合は少しだけ甘くして出してくれる。俺の好みをしっかり把握してくれてる、さすがである。


 しかも今日はミルクオンリーで煮出したミルクティーを魔法で冷やしたスペシャル仕様だった。うまい! 茶請けはバタークッキー! うまうま。


 そういえば、この世界に来てからよく食べるようになったけど、太るという事はないな。しっかり栄養管理もされていて、運動もしてるからかな?


 年長組もよくゲームをするが、それ以上に本を読むことが多い。ブッ君ではなく本として召喚したものを好んで読む傾向がある。料理の本だったり様々な知識本だったり自分を高める本と、恋愛小説やライトノベルの小説等を半々の比率で読んでいるようだ。


 いつも頑張ってくれているから、ゆっくりしてほしいのが俺の本心だが、本人たちが好きでやっていることにまではさすがに制限をかけたくないな。のんびりすることを覚えてほしいところだ。


「ディストピアよ! 我は帰ってきた!」


「ご主人様、また何かの発作でしょうか?」


 娘たちに白い目で見られた。なんとなくやってみたかった気分なんだよ! わかってくれとは言わないけど、ドン引きするのだけはやめて泣いちゃうから。


「ご、ごめんなさい。深い意味はなかったけどやってみたかっただけなんです」


 こんなやり取りをしていると、屋敷からスライムまみれになりながら三幼女がお迎してくれた。数日しかたってないのにめっちゃ仲良くなってる。スライムたちよ、俺の事忘れてないよな?


「「「やっぱり、ご主人様だ!」」」


 三人が飛びついてくる前にスライムたちが一斉に俺にとびかかってきた! 倒れそうなくらいの衝撃を受けながら全員を受け止めた。すると頭の上になじみの感触が、おそらくニコだろう。足元や腕の中に七色揃ってるからな。だからニコ! 頭の上でプルプルするな!


「こら! 飛びついちゃダメだって言ったでしょ!」


 スライム全員がビクッとして、そろそろと振り返っている……気がする。だって顔がないからどこが顔かわかんないし、何よりどうやって相手を認識してるかわからないし!そんな気がするだけなんだよ!


 ネルが掛け声をかけると、ニコ以外のスライムたちが三幼女の足元で横一列に並びプルプル震えている。えっとこれってどういう状況なんだろうか? とりあえず無難そうな一言を、


「みんな、ただいま」


 そういうと、スライムたちが高くピョンピョン跳ねだした。どうやって跳ねているかなぞが尽きないが可愛いので許す。


「ご主人様! この子たちね、すごいんだよ! 一緒に寝るとね、ご主人様の近くで寝ている時みたいにゆっくり寝れるの! 優しく包んでくれる感じなんだよ!」


 ん? 抱き枕や頭を上にのせて寝るとよく寝れるってことか? 確かにプニプニしてて気持ちよさそうだな!


「じゃぁ、今日試してみようかな!」


「みんな! 今日は任せたよ! ご主人様に最高の癒しをプレゼントするのです!」


 その声を聞いたスライムたちが任せろと言わんばかりにプルプル震えて答えていた。よし、今日の夜は癒してもらえるみたいだから、今は俺が癒してやろう。


「みんな! お風呂できれいに洗ってやる! 行くぞ~」


 どうしてこうなった? いや、確かにみんなをきれいに洗ってやるといったけど……どうして娘たちが全員そろってここにいるんだ?


 一応俺と風呂に入る時のマナーなので水着を着ているが、君たちを呼んだ覚えはないのだ。でもここまで来たら洗わないわけにはいかないよな。しょうがない! やったるよ! かかってこいや!


「小さい子から洗ってくから、洗い終わったらのぼせないうちにあがるんだぞ! 洗ってるのを待っている娘たちは従魔たちを洗ってくれないかな? お願いねって、何でミリーまでいるのかな?」


「え? 何でってみんなって言われたから、カエデさんに連れてこられましたけど……?」


「カエデ、お前も来てたか。まぁ裸じゃないから良しとするか」


 とにかく疲れた。二時間近くずっとみんなの体を洗ってさすがにクタクタだぜ。洗ってる最中に気を利かせて飲み物もってきてくれたけど、そこまでするなら洗ってもらおうとしないでくれよ。自分の体を洗って、サウナでだらけてから水風呂でしゃんとして風呂をあがった。


 飯はうまかった。ちなみに今日のメニューは冷やし中華! 具はセルフサービスのため好みが分かれたけどな。


 何種類もあって迷ったけど、俺は麵を少なめにしてキュウリ、ハム、卵、トマト、キクラゲ、カニカマの(俺が思っている)オーソドックスを食べてから、二杯目にかわりネタで用意してくれたレタスの千切り、少し甘辛く味の付いた鳥の千切り、キュウリ、卵などを合わせて食べた。


 今日は疲れたし、もうそろそろ寝るか。


「ご主人様~みんな連れてきたよ! みんな準備はいい? じゃぁいくのです!」


 ネルの掛け声とともにスライムたちがベッドにもぐりこんだ。抱き枕なら先にもぐりこむ必要ないよな? どうなってんだ? 三幼女が騒がしくベッドに近寄って布団をめくって何か確認している、準備できた感じなのだろうか?


「ご主人様! 準備できたの! 早く寝よ!」


 シェリルに声をかけられてベッドに向かう……ん? 三幼女は一緒に寝る感じだな。まぁお兄ちゃんと寝たいという君たちが可愛い! でも現実ではこんな風に寝てくれる妹って少ないんだろうな。世の中のお兄ちゃんたちドンマイ!


「なるほど、こういう事だったのか、確かに包まれてよく寝れそうだな」


 布団をめくるとスライムたちが少し潰れてベッドの上に隙間なく広がっていたのだ。スライムベッドとでもいうのだろうか? 適度な反発力に暑くも寒くもない適温のスライムたち、グッジョブ! 今日の快眠は約束されたも同然だな!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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