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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1969/2519

1969話 俺のせいじゃないよ

アクセスありがとうございます。

 3人を送り出した後、暗くなるまで敵を探した。そのおかげで、俺は11人、ライガは13人を捉えることに成功した。合計で25人、残り9人、明日には送り返せそうだな。


 バザールは、来た順番に殺してすぐにアンデッドに作り替えてから、待機を命じていた。洞窟では殺してしまったが、数を数えるためには、まとめて殺してしまった方が分かりやすいから、バザールの判断でそうなった。


「やはり、某の実力では、記憶変換は難しいようでござる。時間をかけて記憶消去をしたでござるから、失敗はしていないでござるが……どこまで消えたかは判断に困るでござる。起こして聞くわけにもいかないでござるから、この状態で送り返すのがベターだと思うでござる」


 時間をかけたことによって、成功率7割ほどの記憶消去の魔法を成功させたバザールでも、記憶変換は難しいようだ。失敗してもいいなら関係なくやるだろうが、出来る限り元の世界に戻してやりたいと思っているので、この世界でのことを無かったことにして、どこかで倒れてた的な何かを期待するようだ。


 最後は神頼みか……そんなことを考えていると、『呼んだ?』と空耳の様なものが聞こえてきたが、チビ神は今、この世界に関書できないはずだから気のせいだろう。気のせいじゃなかったとしても、お前は及び出ないからどっか行ってくれ。


「さて、実験するでござる。クリエイトアンデッドで作った魔物のアンデッドは、数にカウントされていないでござるから、望み薄でござるが実験はするでござるよ」


 殺した人間をアンデッド化させた魔物を殺しても、カウントになるかの実験が始まる。


「カウントされるでござるならば、次の1体で送り返せるようになるでござるが……やっぱりだめでござるかね……」


 1体倒しても前回の様な事は起こらずに、普通のままだった。実験なので続きとして、2体、3体と殺していき、4体目でバザールが硬直した。


 しばらく動かないままだったのだが、次の瞬間に女性の姿が消えていた。送り返せたのか?


 4体となると数え間違えとは言い難いが、どういった理由だったのだろうか? 送り返すことを優先していたから、情報は引き出せていないよな?


 戻ってきたバザールが、こっそりと聞いた話を教えてくれた。戻ってくる前に、チビ神がヒントをくれたらしい。


 帰るのに必要な数は、ある一定以上の存在値が必要なのだとか。存在値とは、神が勝手に決めた値なので、俺たち風に言うと、レベルのような物らしい。


 レベルがある一定以上の対象を50倒すことが、帰るトリガーになるんだとさ。


 ということは、サイレントアサシンでも問題は無い……のだが、さすがに同胞殺しはいただけない。殺すなら、クリエイトアンデッドで作り出した新人だろう。


 存在値を基準にしているのは、何でもかんでもOKにすると、虫を50匹でも戻ってこれるので、それでは趣旨に反するので、存在値、レベルを条件に付けたらしい。個人に付与するのは、創造神にしかできないみたいで、遊戯盤のルールで存在値を定義したようだ。


 この世界に来た人間は、その存在値が足りているだろうが、バザールがアンデッド化した魔物の方には、その条件を満たせなかった奴が、数人いたということだろう。


 これで、わざわざ外に狩りに行く必要が無くなった。バザールにクリエイトアンデッドを発動してもらい、俺とライガ、エルダーリッチで魔力を注ぎ込む。


 俺の魔力の最大値で10体のBランクのアンデッドが作成できる。注ぎ込んでいる間も回復するので、15匹作ったところで、魔力が枯渇しかける。


 注ぎ込むのに3時間ほどかかった。俺は大体6時間で魔力の最大値分の回復をするらしい。魔力を全力で使った時は、マナポーションを使って回復するか休んでいたので、どれだけ回復するかを調べたことがなかった。俺以外も6時間で全回復するのかね?


 ライガは食事の件もあるので、5匹作ったところで残りは食料を生み出すのに使っている。食料を作るのは、意外に時間がかかるからな。


 何故Bランクかと言えば、バザールがアンデッド化したときに変異したアンデッドが、Bランクが平均だったのだ。CやDランクもいたので、念のため数にカウントされる安全圏のBランクを作ることにした。


 バザールはエルダーリッチや、数で補うためのサイレントアサシンを使って、大量に注ぎ込んでいる。


 この様子なら、明後日には必要数が集まりそうだな。俺たちみたいに魔力の余っている人間が沢山いないと成立しない方法が、抜け道になっていたようだな。


「……みたいなこと考えているみたいでござるが、ダンジョンマスターや勇者は基本的に魔法を使えないでござるよ。たまたま使える人物がクリエイトアンデッドなんていう、珍しいスキルを持っている事なんて考慮していなかったと思うでござるよ」


 送り出すことを画策した神たちも、帰る条件を正確に理解していなかったのだろう。チビ神が知っていた理由は……創造神からの入れ知恵かね? チビ神についている、頭のいい神の入れ知恵かね? どっちだったとしても、有力な情報を貰えたのは助かるな。


 俺とライガは、魔力を使い切ってからその日は就寝する。


 次の日の朝には、70体のアンデッドが作り出されていた。


「この調子でいけば、今日の夜には問題なく帰れそうだな……ってライガはともかく、バザールは骨の顔で器用にアチャーみたいな顔ができるんだ? 何かおかしかったか?」


「フラグでござるよ。シュウ殿がフラグを建てると、高確率で回収する可能性が高いでござるから、骨の顔でもこんな顔になるでござるよ」


 フラグ? 何がフラグになったのかは分からないが、迂闊な発言を俺がしたことで、骨の顔が歪むような表情をしてしまったらしい。


 何事もなくアンデッドを作成していた、おやつ位の時間になると……


「シュウ殿、2人組が近付いてくるでござる。見覚えのある2人でござるが……殺したことのある地球人でござるかね? 地球から来た日本人は、殺してないと思うのでござるが……」


 敵が来たのであれば、ライガの出番だろう。俺が声をかける前に準備を整えて、出撃体制に入っていた。


 俺も一緒に出撃する。


 拠点から3キロメートルほど離れた位置で、件の対象を発見する。


 確かに、見覚えのある顔だ……でも、この世界で見た顔じゃない……俺たちがいた世界で見た顔ということか?


 俺が考えている間にも、ライガが戦闘態勢に移行して、飛び出す寸前だった。


 思い出す時間が欲しい……でも時間がない! ライガが2人の前に現れる。一撃で殺しかねない力を込めているのが分かる。


 鑑定が成功して、名前が分かった。


「ライガ! とまれええええええ!」


 慌てて大声を出して、ライガを止める。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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