1941話 作戦継続中
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「1つ判明したな。地球からきている人間は、来ている時間がバラバラのようだな。ただ、俺たちと同じ日に来ている人間が多いから、ある程度人数が減ったらまとめて来ることもありそうだな。ある程度個別にも来ているっぽいな」
「そうでござるね。主殿が出会った忍者たちの事でござるが、その中で巫女というのが気になるでござるな。それが神からのお告げがあり、3人も送られてきたって話でござるよ」
「神と交信できる人間が地球にいるのかね? 分かったこともあったのに、更に分からないことも増えてしまったことの方が意味不明だな。綾乃、すまないけど、明日からも殺してもらうことになるけど、大丈夫そうか?」
「問題ないわよ。ほっとけば、こっちを殺しに来るような奴なんて、生かしておく意味ないし、実験の糧になってもらいましょ。無意味な殺しはしたくないけど、敵で殺しに来るんだから気にする必要ないわよ。でも、私的にはこの実験は成功してほしくないわね」
綾乃が何か気になることを最後に言った。帰れるほうが良くないか?
「シュウ、不思議な顔するんじゃないよ。これが成功したら、ウルも同じだけ殺しをしないといけなくなるのよ。それを考えれば、実験は失敗に終わってほしいわね」
「そうすると、綾乃殿が結構な数を殺すことになるでござるが?」
「それこそ気にしなくていいわ。何度も言うけど、こっちを殺しに来る敵を殺すことなんて、なんとも思わないわ。多分、シュウより人殺しに忌避感は無いと思うわ」
って言うけどさ、俺数万単位で人殺してるけどな。神から依頼されたとはいえ、大切な人たちを守るために隕石落とししてっからな。それ以外にもキレて殺してるし、関係なくても殺してるからな。この世界で一番人を殺してんじゃないかな。
「某もライガ殿も先に帰る選択は出来ないでござる。順番で言えば、綾乃殿、ロジー殿、ウル殿、シュウ殿、ライガ殿、某でいいでござろう。某は食料も睡眠もいらないでござるから、最後で問題ないでござる」
ウルの前に帰るつもりは無いから、これが妥当だろうな。ロジーが早いのは、ダンジョンマスターとして帰れるのかの実験だってさ。ロジーもウルに殺させるくらいなら、先に自分がって言ってたようだ。
それに、あのハイピクシーは、人間の様な考え方はしないからな。酷い精霊なら、無邪気に笑いながら魔物や家畜、人間の生皮を剥いだりするらしいしな。俺の家にいる精霊は、自分たちの仕事に夢中になるタイプなので、ちょっとした悪戯くらいで終わるみたいだ。
それにブラウニーなんかは、家事を取り上げられたら困るから、度の越えた悪戯はしない。俺からすれば、シンラが俺の顔に張り付いて起こすあれの方が、よっぽどたちが悪いと思う。結構苦しくて目が覚めるんだよな。
気にせず呼び出していたけど、気性の大人しい精霊で良かったわ。
シュウは気付いていなかったが、魔物と同じで呼び出された精霊は、上下関係がしっかりしているから問題になる行動はとらないのだ。
まだおやつの時間にもなっていないので、俺とライガは再度敵を捕まえに行くことにした。別行動する理由もなかったので、一定の距離を取って同じ方向へ移動することになった。西はそこまで広くないので、南と東を中心に探索する。
移動を開始した頃に、バザールから草原に派遣していたサイレントアサシンからの情報を教えてもらった。どうやら死体は残っていたようだが、殺された感じではなく、水か食料がなく死んだ感じの死体だったのだとか。
俺もライガもバザールも、違和感のあるものを見つけられていない。この森を戦闘フィールドとした場合、異物を発見できない可能性の方が高いか? 何かを探すゲームであれば、数日とはいえ俺たちの行動範囲に何もないのは……おかしいと思う。
次々に送られてくる人員の事を考えれば、それが何かのトリガーになっている可能性の方が高いのではないだろうか?
ライガからの合図がある。前方に2人、距離が開いているので、どちらかが追跡しているのではないか? という感じで報告がある。どっちでも問題ないから、近い方から行こう。
不意を打ち2人を次々と捕らえる。ダンジョンマスターと地球からの1人ずつっぽいな。ダンジョンマスターは、俺たちと同じで何にも知らずにここに来たらしい。地球からの人間は、敵を倒すようにと言われてこの世界に来ているらしい。
戦うことが前提のゲームなのは間違いないかな。戦わせて何がしたいのかは分からん。このゲームに参加している人間に、メリットなんてあるんだろうか? やっぱり神の考えることは良く分からんな。
「バザール、拠点に連れて行って、追加で情報を入手してみてくれ。連れて帰ること前提だったから、自白剤とか持って来てないからな」
バザールの操るサイレントアサシンに運ばせて、俺たちは新たに敵を探すことにした。
3時間の探索で、3人の地球人と2人のダンジョンマスター、2人の勇者を捕らえることに成功した。先に連れ帰ってもらった2人を合わせて、9人を捕まえた。
「なんか、ダンジョンマスターと勇者の割合が増えたか?」
「増えてきている気がするでござるな。3人は追加できているみたいでござるよ。地球人の方は、某たちと同じでござったな」
すでに9人の処理は終わっており、必要な情報は抜き取っていたようだ。
地球からの人間は、神に敵を殺すように言われてこの世界に来ているらしい。理由を聞いている人間は、いないのだとか。地球にいたときより、身体能力は高くなっているらしい。
俺は忘れていたのだが、1人が初日に殺した奴だったみたいだ。やはり複製体かね? ダンジョンマスターや勇者は、2人目は今のところいない。俺たちの複製体は、まず無理だろう。もし作れるのなら、勇者や現地人を強化して、俺に送り込んできてもおかしくないと思う。
俺たちほど強い人間は、作れないのだと思う。
あ~、頭の中がゴチャゴチャするな……
ウルが笑顔で迎えてくれた。そのまま抱き着きたかったが、体が汗臭いので堪えてお風呂に入ってから、ウルをめいいっぱい可愛がった。
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