表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1915/2519

1915話 繋がり

アクセスありがとうございます。

 【????】


 予想外の展開だな……


 いや待て待て、キングトロールに鑑定できなかったスキルは無かったはずだが……


「綾乃、すまないけど、鑑定させてもらうぞ」


 綾乃が許可を出す前に、鑑定スキルを発動させて綾乃のスキル欄を確認する。


「やっぱり、神授のスキルは【????】で表示されてるな……じゃぁ、バザールお前も鑑定するぞ……まじか! 今まで気付いてなかったけど、ダンジョンマスターのスキルって鑑定に表示されないんだな」


 ここにきて意外な事実を知ってしまった。ダンジョンマスターがマップ先生に映らないのではなく、ダンジョンマスターのスキルが検索できないから映らないのではないか……という事実がここにきて判明した。


 ハイフェアリーのロジーの時は……マップ先生じゃなくて、綾乃を連れて行ったんだったか? 探せないからってことで、綾乃の勇者の称号を利用する形で、探した気がする。


「でも、そうすると、何でウルのスキル欄に【????】のように、神授のスキルを奪った時みたいに表示されているんだ?」


「どういうことでござるかね? ウル殿は、勇者を殺していないでござるよね?」


「俺の知っている限りでは、殺していないはずだけど……ん~って、ミリーたちも緊急招集するべきだな。このダンジョンはもう放置でいいだろ? マイワールドの会議室に集まってもらおう」


 俺は、綾乃とバザールをマイワールドに押し込み、ゲートで庁舎へ向かい秘書に3人を会議室に呼ぶようにお願いする。急を要する話なので、可能な限り早く来てほしいことも伝えてもらった。


 10分後には、会議室に俺、バザール、綾乃、ミリー、カエデ、リンドが集まった。


「急ってことだけど、何かあったの?」


「早急に話したいことがあったんだよ。今の所そこまで問題ではないけど、対応を間違えると大変かな? って言うような案件が上がってきてね。カエデ、そんなに怖い顔するなって」


「こっちの2人がいるってことは、何か変な物でも作ったのかしら?」


「そうじゃない。ひとまずこれを見てくれ」


 そう言って、スクリーンに映し出された映像を見てもらう。っさっきまで混乱していて気付いていなかったが、マップ先生の検索で神授のスキルを検索は出来ないが、個別に選択してスキルを確認すると、鑑定みたいに表示されるのだ。


 今まで何度も使っていたのに、まったく気付けていなかったマップ先生の使い方に、気付くことができたのだ。今までは当たり前すぎて、気付かなかったのだが、意識することでやっとその問題というか、有効性を理解することができたのだ。


「え? 何でウルにそのスキルがあるの?」


 一番初めに声をあげたのは、リンドだった。カエデとミリーは、絶句していたため言葉が出てこなかったようだ。


「3人は、子どもたちを鍛えているから、スキルを確認したりしているよな? 最後に確認したのはいつか覚えているか?」


 3人だけでなく妻たち全員で協力して、月に1回はウルたち4人のステータスを確認するために、鑑定を使ってどのように成長しているか記録を取っているみたいだ。その記録を取ったのは、およそ3週間前でその時には神授のスキルは無かったとのこと。


「となれば、やはりウルについているスキルは……ダンジョンの中で得た可能性が高い。そして可能性が高いのは、キングトロールから何かしらのスキルを得たのではないか……ってとこなんだよね。勇者以外で神授のスキルに相当するモノって、ダンジョンマスターのスキルかなって」


 3人は、俺の言いたいことを理解してくれたようだ。ウルは賢い子なので、むやみやたらに力を使うことは無いだろうが、色々考えないといけないことも増えてしまう。


 俺やバザール、ロジーを鑑定しても、ダンジョンマスターのスキルが表示されないのに、ウルはなんで表示されるか分からないのだ。そもそもダンジョンマスターのスキルであるかも不明である。


「どういう風に対応するのがいいか、相談したくて3人に来てもらったんだ」


 結論というか集まってもらった理由を、やっと切り出した。


 綾乃とバザールもまじって、今後について話し合いをした。


 結論から言うと、ウルに話してスキルの検証を行うべき、だと判断された。ダンジョンマスターのスキルなのかを知るだけなので、そこまで手間にならないし、もし違ったら注意するように促せるからな。


 綾乃みたいに物を作り出すスキルだと、意識してスキルを使わないといけないが、常時発動型の神授のスキルもあるので細かく調べる方法がなかったりするんだよな。


 それはさておき、ウルを呼んで俺の膝の上に座らせてから、ミリーに話を切り出してもらった。


「……お父さんと同じスキルがあるかもしれないの?」


「可能性の話だけどね。ウルにとっては不安かもしれないけど、少し付き合ってもらっていいかな?」


「もちろんだよ、ミリーお母さん!」


 調べた結果、【????】はダンジョンマスターのスキルだと判明した。


「やった! これでお父さんと一緒!」


 メッチャ喜んでいるけど、どういうことだろうか? 少しも不安はなかったのかな?


 あまりにも嬉しかったのか、喜んだ後に泣き出してしまい、俺はおろおろしてしまった。ミリーに抱っこをするように言われ、膝の上に座っていた状態から体を回して、背中をポンポンするように抱っこをした。


 5分ほど泣くと、疲れて寝てしまったようだ。


「どういうことか分かる?」


「……多分だけど、ウルは私たちと血が繋がってないよね? ブルムたちと同じように娘として可愛がっていたけど、繋がりがなかったから不安だったのかもしれない。そこで、ダンジョンマスターっていう共通点が嬉しかったんじゃないかな? なんとなく私にも分かる気がする」


 リンドがそんなことを言う。そう言うこともあるかもしれないんだな、と心の隅に止めておこう。


「ウルなら、勝手に召喚することは無いと思うけど、そこら辺は教えないといけないよな」


「……ん~、バザールとシュウみたいに上位権限みたいにして、ウルちゃんのスキルを制限できないの?」


「バザールの権限を制御しているのは、上位権限じゃなくて隷属魔法の方だからな。ウルとは状況が違うんだよな」


「待つでござる。DPがなければ召喚できないでござるから、ウル殿が獲得したDPをシュウ殿が与ることは出来ないでござるか?」


「あ~、バザールもダンジョンを持っていてDPを稼いでいるけど、一度俺が回収したのをそのまま送り付ける設定だったな。狩りしたDPも回収後に送り付けてるのか?」


「そうでござるよ。もしそれがウル殿にも適用されるでござるなら、主殿が回収して蓄えておけばいいと思うでござる」


 なるほどね。一応、確認してみた。一方的に俺が上位者みたいになることは出来ないが、相手に許可がもらえるのであれば、問題ないようだ。


 ウルが起きた所で、先ほどの話をしてみると、考える間もなくオーケーの返事をもらえた。設定をして、DPは全部回収する以外は、自由に使えるようだな。


「ウルのDPは与る形になるから、何かに使いたい時にはお父さんかお母さんたちに相談するんだぞ。今まで通り、ケットシーたちに召喚してもらうのは自由だからな」


 子どもたちは、お手伝いなどをしてDPを受け取っているが、それは御付きのケットシーに付与しており、召喚していい物といけない物を教えてあるので、ケットシー任せでも問題ない。


 ウルは、自分だけのつながりが持てて嬉しい! と太陽の如き笑顔を見せてくれた。どうやら、リンドの言っていたことが正解だったようだな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ