表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1902/2519

1902話 普通を体験?

アクセスありがとうございます。

 3階の最後の部屋の魔物を倒した後、野営準備が開始される。


 今日は勉強のためなので、野営コンテナではなく(ディストピアで作られた)一般的なテントを使っての野営となる。さすがに歳が歳だけに、見張りは無しだ。従魔たちもいるし、S級スケルトンたちもいるので、任せることにしている。


 食事の準備も一般的な冒険者たちに合わせているが、クオリティーははるかに高くなっている。食材などの下準備はブラウニーたちが行い、調理するのはウルたちという感じだな。


 下準備に関しては、ほとんどがキッチン馬車で行われているが、娘たちに教えるために下準備の説明をしている。


 ディストピアの基準で言うと、パンと干し肉はありえない。最低でもパンに何かを挟んで食べるのが、当たり前になっている。多くの場合は日帰りなので弁当なのだが、泊りの場合の夕食はほぼ火を使った調理をしたものになる。


 パーティーによってさまざまだが、スープとパンが多いと聞いている。スープと言っても、ポトフみたいな感じで野菜とソーセージを一緒に煮て、味付けする感じだとか。時間はかけないのが普通なので、火の通りやすいカットの仕方とか一手間の仕方を教えている。


 作る量もかなりのものになっている。2食分は作っているのだ。理由は簡単で、明日の朝の分も一緒に作る形だ。夜番の時間に作るパーティーもあるが、今日は夜番はしないのでまとめて作る形にしたのだとか。


 具沢山のソーセージ入りポトフに、コッペパンの様なものが今日の夕食だ。


 うん、いつもと違って品数は少ないが、監督しているのがシルキーたちなだけあって、やはり美味い。このパンは見た目はコッペパンだったけど、結構かたい感じの食感だったな。いつもより、パンのグレードが下がっている。


 これでも、他の地域の冒険者たちから見れば、かなり贅沢な部類になるのだが、ディストピアではこのくらいが、野営時の一般的なパンのクオリティーみたいだな。アタック初日なので、持ってきたパンを食べているが、次の日からは焼いた夜のうちに焼いたパンや、お米になるようだ。


 パンは焼くのが大変だからな……ダンジョンにさすがにダッチオーブンは、普通もっていかないので、お米を鍋やフライパンなどでおかゆを作って、そこに具を入れて食べたり、おかずのようなものを作って食べたりするのだとか。


 俺たちみたいに、3食しっかりと調理された物を食べるのは、正気の沙汰じゃないと言われてもおかしくないみたいだな。というか、食事要員を連れてダンジョンアタックなんて、普通ありえないからな。


 大規模な冒険者パーティーの集まりで、最下層を目指すためにヘルプ要員がいることはあるが、最前線に食事担当の調理要因がいるのは、俺たちくらいだろう。


 うーむ、日本人の感覚か、ポトフにパンは合わない気がする。パンと言えばシチューの方が、個人的にはあっていると思うんだけどな……


 そんなことを思っていたら、明日はシチューにして食べるらしい。ポトフにホワイトソースを作って入れるんだとさ。美味そうだな。


 今日はお風呂に入らずに、自分たちの魔法で作ったお湯で、体を拭いたりするだけにとどまった。


 夕食後は、テントを建てることになった。ダンジョンの外で野営をするなら、テントを建ててから食事の準備になるのが普通だが、ダンジョンではその順番はどちらでもいい。寝る時は、多くの場合がセーフティーエリアで、いくつかのパーティーが泊まることになるからな。


 セーフティーエリアは、言ってしまえば魔物が沸きにくい部屋だな。調整して沸きにくくしているダンジョンマスターもいるし、設定は適当で冒険者たちが勝手にセーフティーエリアと呼んで、集まって休憩する場所をそう呼んでいる。


 俺のダンジョンには、しっかりとセーフティーエリアは作っている。魔物もわかないし、安心して休めるようになっているぞ。支配権を奪っただけのダンジョンは、調整してない所もあるけどね。


 そんなことをミリーが説明しながら、娘たちと一緒にテントを建てていく。ドーム型のポールを2本通すだけのテントだな。フライシートもなく、寝るための空間! みたいな感じだ。ダンジョンならテントではなく、布で仕切って寝ることも多い。


 今回テントを使った理由は、ミリーによるダンジョンでのテントの使い心地実験だ。


 さすがにゴツゴツしてて寝にくいのだが、そこらへんはどう考えているんだい?


 それに答えてくれたのは、綾乃だった……何でお前?


 作成協力を依頼されて、共同開発したからドヤ顔で説明してくれた。クッション入りの銀マットでもよかったのだが、あれはかさばるのだ。ダンジョンアタックには向かないアイテムである。


 そこで目を付けたのが、エアーベッドだ。ベッドというより、エアーのほうがメインだけどな。コンパクトにして1人でギリギリ寝れるような奴だ。パンパンに空気を入れても、大人が使えば体が沈むのは仕方がないが、それでも直に寝るよりは十分に楽になる。


 枕の部分もあるので、使い心地は悪くないな。掛布団代わりにマントを使い寝る感じだな。ウルたちは、そんなのでも楽しんでいるが、これがずっと続くとなると、精神的に厳しくなるだろうな。


 娘たちには、収納のカバンとかも持たせるつもりなので、寝具だって余裕で持ち込めるから、大きくなっても心配ないのだが、勉強のためと言って今日はこういう形をとるんだとさ。


 じゃぁ明日からは?


 娘たち用に用意した野営コンテナを使って、快適に過ごせるようにするってさ。俺が作っていないのに存在しているのは、綾乃とバザールが娘たちに合わせて作ったんだってさ。うん、分かってた。


 4人用で、俺たちと比べかなりコンパクトに作っているらしい。頑丈なアダマンタイトの外壁に、テンプルキーの鍵のついた扉、4人とクロたちサイズが5匹寝ても問題ない広さ。簡易キッチンに4人では入れるお風呂付だってさ。


 しかも、コンパクトに作ってあるから、収納のカバンの中に完成形の状態で入れてあるんだと。綾乃が、おねーちゃんがんばった! みたいなドヤ顔していたので、デコピンをしておいた。


 そんなこんなで一夜明け、朝食をとり、3階へと降りていく。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ