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189話 帝国とグレッグの調査

アクセスありがとうございます。

 中立都市グレッグに到着してから三日が経った。その間に得られた情報としては以下のものがあげられる。


 ダグリス帝国


 一、前情報通り軍事大国で実力主義の国のようだ。


 二、実力主義というだけあって、人種による差別はない。むしろ、実力のある獣人たちの方が地位的に高くなる傾向が多い。といっても、獣人は本来国といった単位での生活をせず、部族という集団でしか生活していなかったため、国の管理はもっぱら人間が行っているようだ。


 三、軍事大国という事もあり、PMC(民間軍事会社)と同質の傭兵団みたいなものがあるらしい。


 四、軍事大国のせいか、この世界では珍しく、国のトップと軍事のトップが最大発言力を持つややこしい政治体制と認識されているようだ。


 中立都市グレッグ


 一、他の中立都市と同じく干渉されない限りは国に干渉しない。ジャルジャンとリブロフの件は先に王国側のリブロフが手を出してきたため、俺らを利用して干渉したのだ。


 二、ダグリス帝国に近い事もあり、実力主義者が多いため特に冒険者には荒くれ者が多い。ただ、野蛮や無秩序というわけではなく節度ある荒くれ者という事らしい。どういうこと?


 三、都市としての産業は特になく、他の中立都市と同じく樹海からとれる素材などが主な商品になっているようだ。


 四、領主は商機に聡く金になる事は、多少手荒くても利益を得ようとするらしい。ディストピアとつながることを考えると要注意人物のトップにあげられる。


 五、グレッグで勢力の強い商会の一部に暗部が存在するらしい。


 得られた情報はこんな感じだろう。とりあえず思ったことは、めんどくさい、厄介ごとの臭いしかしない。正直この街に地下通路作る意味があるのだろうか?と思ってしまう自分がいる。


 聖国側の街も恐らくめんどくさい気がする。めんどくさくない国がねえじゃねえか! 三大国全部何かしらめんどくさいとか勘弁しろや! その点ジャルジャンはまだよかったな。領主が物分かりがよくてさ。


 アリスやライムが手に入れた情報は、色々なギルドや酒場で魔法を使用して得た情報だ。噂の類もあるし、偏見と言えるものも多いだろうが、同じ情報を複数仕入れて情報をすり合わせた上で判断している。それでも間違えはあるだろうが誤差は少ないと考えている。


 なんにせよ入口を作るなら強固な要塞にしておかないと本当にまずいだろう。利に聡い者ならディストピアの価値は計り知れないだろう。街の付近にダンジョンが四つ、内三つは誰でも入れて自分に合わせて階層を選べる上に肉・植物・鉱石の三種類が存在しているのだ。


 しかもそれが地下通路でつながっており、樹海を突っ切る必要もなく安全にたどり着けるわけだ、金にならないわけがない。そこらへんはしっかり情報を集めたうえで、ディストピアに戻ってからみんなと相談しながら判断しよう。


 帝国は王国と比べるとやはり平均レベルが高い、軍事国家というだけはあるな。王国の平均レベルは五なのに対して帝国は九もある。


 まぁこの差が何かっていうわけでもないが、民間人の平均レベルが変わらないのに国全体で見ると平均が四も違うという事は、兵士・騎士・冒険者の戦闘系職業の平均レベルが王国より高いという事だ。人口もそう大きく変わらないようだしな。


 あ、分かっているかと思いますが、帝国の全部の街も掌握済みだ。余ってたDPの二割も消費しないで済んだ。これでまた入ってくるDPが増えたな。消費しきることもなくたまる一方だ。


 今日は商品を買い取ってもらうために、商業ギルドに行く予定だ。高値で売るのであれば自分で商会などに持ち込み交渉するのが普通だが、今回は高値で売るために交渉するのも面倒くさいので、多少安くなっても良心的な値段で買い取ってもらえるギルドで売るのだ。


 商会へ持ち込めば高値になる可能性もあるが、買いたたかれる可能性もあるのだ。どっちにも一長一短がある。


「いらっしゃいませ。買取りをお願いしたいとの事で商品を持ち込んできてくださったみたいですが、どちらに商品があるのでしょうか?」


「商品は馬車に二台分積んできています。大半が食料ですが、ヴローツマインで仕入れてきた武器も持ってきています。倉庫へ運ぶ形でいいですか?」


「そうですね、今なら倉庫が空いているはずなので、そこで鑑定しましょう。一人ではさすがに二台分を調べるのはさすがに難しいので、数人連れて行きます。これ倉庫の許可証なので先に行っててください」


 許可証を受け取り、護衛の娘たちをつれて馬車を倉庫へ移動させる。鑑定してもらい易くするために商品を下ろしておいてもらおう。


 しばらくするとカウンターにいた人が二人の援軍を連れて倉庫へ来た。


「えっと、馬車二台分にしては多くないですか?」


「そうですか? まぁ箱に入ってるのは、ドライフルーツや乾燥野菜が中心なので軽いですからね、嵩張りますが、軽いので多く見えるんじゃないですかね?」


「ドライフルーツはわかりますが、乾燥野菜? って読んで字のごとくの意味ですかね? どうやって作ったんですか?」


「野菜を乾燥させただけですね。製造方法は秘密ですね。ヒントだけ言うなら魔法を使っているという事ですね。特殊な精製をしてしますので栄養に関しては、生と同等のものがあるはずです。食感は多少変わってしまいますがね」


「そうなんですか……それより、荷物が多いので早めに鑑定に入りましょうか」


 商業ギルドの三人があわただしく、俺のもちこんだ商品を鑑定し始めた。そこまで多かったわけではなかったが、特に乾燥野菜に関しては念入りに鑑定していた。何か気になるところでもあるのだろうか?


「シュウさん、この乾燥野菜をもっと準備できませんか? この街に来てまだ時間が経っていないからわからないかもしれないですが、近くで戦争の気配があるんですよね」


 そういえば、アリスたちが拾ってきた情報にそんなものがあったな。戦争か? 都市同士の行ってるウォーゲームみたいなものだろうか? うん、自分で言ってしっくり来たなウォーゲームって、宣戦布告して場所決め手戦って、まるでゲームだったよな。


「その時にこの乾燥野菜なら持ち運びに便利ですからね」


「まぁ確かに便利ではありますが、乾燥している分、火にはかなり弱いですよ。すぐに燃えてしまいますしね。とりあえず、人の生死のかかる戦場に持っていかれるのであれば、これ以上の提供はしたくないですね」


「え? 商人のみなさまなら戦争の前後で稼ぎ時になることくらい知ってますよね? それなのにまったく反対のことをするなんて、珍しいですね」


「まぁ変わり者であることは否定出来ないですね。傭兵団が街にやとわれて戦争に参加するのも俺にはわからない事ですね。俺はのんびり生きていければいいんです。この娘たちには迷惑をかけているけどね」


 そんな風に声をかけると、私たちの意思で付いて行きますので気にしないでください、と俺を立てるような発言をしてくれた。


「しょうがないですね。ドライフルーツも野菜も武器も質はかなりよさそうですね。それに食べられなくなるまでまだまだ時間がありそうですね。乾燥野菜という物を教えてもらえましたし、ヒントもいただいたので少し高値で買取りさせていただきたく思います」


 乾燥野菜って地球ではいろんな作り方があった気がするけどこの世界では考えられていないのかな?


 そんなことを思いつつ商品を買い取ってもらった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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