1876話 珍しい4人を発見した
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ガロウとオウカの子どもたちは、生まれてまだ1年は経っていないはずなのに、大きくなってるな。ガロウやオウカは、こんなに成長は早くなかったんだけど……何か理由があるのかね?
可能性としては、召喚ではなくフェンリル同士から生まれたから。他の可能性としては、Lvも体の大きさというか成長に影響する、ってところかね? まぁどっちでもいいか、可愛いもんな。
そう言えばガロウもオウカも、初めて会ったフェンリルとは体のサイズが違うんだよな。こいつらの方が断然に小さい。やっぱり、あの固体は長生きしたってことだろう。魔物も成長を続けるってことだな。
でも、クロとギンはあんまり大きくなってないんだよな。ニコは自分の体のサイズを変えられるから、カウントには入れられない。ハクは成長を続けているよな……ダンジョンの中に魔物たちの中には、大きくなる魔物とそうでない魔物がいるから、何かしらのルールがあるんだろう。
おっと、ガロウの子たちがはしゃぐのを止めて横になりだした。伏せではなく足をだらりと横に伸ばして、クロたちがだらけているときの様な体勢になっている。
ウルたちがお腹を背にして座ると、周囲に子フェンリルたちが集まってきて、猫団子ならぬオオカミ団子が完成した。完全に娘たちの姿が埋もれているが、4人の楽しそうな声が聞こえてきているので、問題はないだろう。
2時間ほどしてから、フェンリルたちの巣を後にする。ミーシャたちが寂しがっていたが、今生の別れではないので大丈夫だろう。
特にすることは無いので、このまま遊びに行くことにした。と言っても、スポーツジムだ!
子どもたちは、体を動かすことが好きなので、マイワールドに作ったディストピア関係者用のスポーツジムへ時々来ているそうだ。
ミリーたちも呼んだのだが手が離せないと言うことで、違うメンバーが来た。年少組の妻たちだ。午前中は個々で仕事に行っていたのだが、仕事が終わったので家でくつろいでいる所を、ミリーたちにお願いされてきてくれたようだ。
ウルも含めてだけど一応親子になるのだが……どう見ても姉妹にしか見えない歳の差なんだよな。日本でもこのくらいの年の差の兄弟もいるし、この世界で言えば普通に20位離れている兄弟もそれなりにいるので、不思議な光景に見える。
年少組はお母さんじゃなくて、お姉さんって呼ばせようと頑張っているみたいだけど、今のところ成功していない。始めに自分の事をお母さんと言って、ミーシャたちをかまっていたので変えるのは難しいだろうな。
平日の昼間とあって、利用している人が少ないな。時間帯で言うと、仕事終わりの夕方から20時くらいまでが混むらしい。体が鈍らないように運動をするというよりは、出会いを求めてきている人が多い気がするって話だけどな。
理由はともあれ、不埒なことをせず健全なお付き合いで話をする分には、何の問題も無い。むしろ、好き者同士がくっ付くのであれば、良い事だろう。
ディストピアの関係者は、自分たちでそこそこ稼げるので、どうしようもない人間を引き当てない限り、問題なく生活していけるだけの余裕ができるのだ。だからなのか、見た目に気を使っている男性の人気が高い傾向になる。
人の好みと言うものもあるが、お金に引かれる女性もいることにはいる。でも、贅沢品の少ないこの世界では、満足に食べられることが大切である。それを考えると、お金が大切だと言うのも分かる。
ディストピアでは、普通に働ければ食うに困らず、子どもを育てることが容易だ。となれば、カッコいい人というか、見た目に気を使っている人の人気が高くなるのも分かるな。
太ってても痩せせても普通でも、不潔な人は敬遠されがちになり、小綺麗にしている方がモテる感じだな。この世界で太っている人ってあまりいないから、ディストピアでは太っている人も少し距離を取られることがある。中には、ふくよかな人がいいって言う人もいるから、一概には言えないけどね。
ディストピアやゴーストタウンで太っているのが苦手なのは、生活していた環境による要因が大きいと思う。ここに集まった人たちって、元々虐げられていた人が中心だからな。
太っている人=特権階級の人間……貴族だったり大店の商人だったり、その家族が中心なのだ。商人がふくよかなのは富の象徴ともいえなくもないが、ふくよかな見た目の特権階級の人間の中には、何故か横暴だったり女性を平気で犯したりするやつが多いんだよね。
鬼畜の様な人間でなく、お金持ちで見た目がそれなりに整っているのなら、女性に困ることは無いのだろうから、見た目がちょっと……な人たちは、そういう風になってしまうのだろう。
ゴーストタウンで女性関係の問題を起こした貴族は、9割は見た目が……だってので、あながち間違いでもないと思うんだよな。中には、イケメン! って奴もいたけど、本気で「自分に抱かれるのが、女性にとっての幸せだ!」みたいいう奴がいたときには、ビビったけどな。
っと、話がそれたな。
「お父さん、あそこにいるのって、お父さんの近くで働いている人じゃないですか?」
一緒に運動をしていたウルが、指を指している方を向くと、庁舎で働く女傑の2人がいた。
「あれ? 本当だ。午前中は普通に仕事をしていたのに、エイダもトモもサボってここに来るわけないから……って、デートか。半休を使ってデートしているみたいだね。向こうから、マッシュとルックが来てる」
あのダブルカップルは、俺が強引に知り合わせてくっつけようと画策し、飲み会をした当日に女傑たちが幼気な少年マッシュとルックをお持ち帰りして、次の日にやつれるほど搾り取られたみたいだけど、幸せそうな顔をしていた2人と、ジムデートをしてたんだったな。
そもまま1年ほど付き合って結婚したけど、まだ子どもは産んでいないんだよな。マッシュとルックの仕事が忙しくなったことと、女傑たちの後継者がなかなか育たないから、ミリーたちからお願いして、子どもを作るのを待ってもらっている所だとか。
とはいえ、エイダたちはこの世界で言えば子どもを産むには、遅いと言われるくらいには歳を取ってしまうので、ミリーが特別に成長の止まる丸薬を飲んでもらっている。
「4人とも幸せそうだね! そう言えばミリーお母さんが、そろそろ子どもを作りたいって相談を受けたって言ってたっけ?」
「そうなのか? 後で話を聞いてみよう。4人とも迷惑をかけているから、特に幸せになってもらいたいもんね。よっしゃ、ウル。次はあれで勝負するか!」
俺が指を指したのは、ボルダリングの壁だ。
俺たち基準で言えば、指の第一関節を引っ掻けられる場所があるなら、1時間はぶら下がってられるからな。かなりハードにコースが作られている物もある。
今も、時間をかけてチャレンジするような壁で、ミーシャたちがタイムアタックみたいなことをして遊んでいるしな。めっちゃ身体能力高いな……分かってたことだけど、笑ってしまうほどに元気に壁の突起を使い飛び回っている。
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