1872話 男神たちへの嫌がらせ
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4階のコンセプトは、通り抜けるのに人間サイズで無いと難しい、である。人間サイズというところがミソである。これにより、亜人タイプの小柄な魔物しか4階は通ることができないのだ。
そもそも魔物の個体のポテンシャルの高さは、体に比例することが多いのだ。大きければ強い! という構図が当てはまるのだ。多いと言ったのは、例外もそこそこあるからな。
分かりやすく言えば、ユニーク固体はこれに当てはまらないのだ。ニコとかハクは、小さいけどメチャクチャ強いからな。同じレベルなら、Sランクの魔物も普通に倒してしまうくらいには強い。戦いの相性もあるので、一概には言えないけどね。
そう言うことで、弱い個体を運用するには、かなり強化をしてこちらに送りこんでくる必要があるのだ。DPの消費軽減があるため、トップランカーはゴリゴリと魔物を送り込んできている。
っと、話がそれた。魔物として見ても亜人タイプは、弱点があったり弱かったりすることが多いのだが、そいつらしか通ることのできないエリアが4階だ。
今敵が進んでいる5階は……人のサイズに合わせてはいるが、出てくる魔物やトラップが4階より凶悪になっている。4階のシャドウアサシンも、不意打ちの一撃は強いのだが、耐久度が低いんだよね。送り込まれてくる魔物のLvを考えれば、見つかれば倒されてしまうくらいには種族差がある。
アストラルサイドの魔物ではあるが、攻撃時や姿を発見されると物理的な攻撃を簡単に受けてしまうのが、弱い点である。その代わりどこにでも潜り込めるのが、奴らの能力なんだけどね。勇者を襲撃したときに選んだのは、そう言った面もある。
あいつらは勇者の効果のせいか、簡単にダメージを与えられていたんだよな。
で、今回5階に配置したのは、海賊船のダンジョンを踏破した際に、哀れにも人造ゴーレムたちにボッコボコにされた、デッドリーレイスだ。
俺は召喚できなかったのだが、何故かバザールが召喚できるようになっており、バザールが召喚してこの階に解き放っている。
専用の武器かスキルでもなければ、こいつを削り切るのは骨が折れるからな。人造ゴーレムやS級スケルトンが苦戦したのは、ダメージの与えにくさに加えドレインによる魔力の吸収のせいだったけな。
それがシャドウアサシンみたいに、狭い通路を通っているときに複数で襲い掛かってくるのだ。武器を振ることも出来ないので、分かっていても倒せない相手である。
4階は、人間になら比較的に優しい階層ではあったが、この5階は人間に厳しい階層になっている。
今までの一対多数でどのような防衛が行われていたか知らないが、俺は俺の持てる力を制限内でフルに使い今回のバトルに挑んでるからな。実況者が変わっても、相変わらずこちらの事を卑怯だとか言っているので、腐っている女神様たちが好きそうな、ホモークネタの本をチビ神に送っておいた。
この本を書いているのは、忘れ去られた勇者である、シンジとユウキだ。王国のアホが取り巻きをやっていて、勇者の従者として付いてきていた奴らを、全員ぶっ殺したんだったっけな? 王国から決別して、ゴーストタウンに移り住んだあいつらだ。
男なのにホモークネタを嗜む強心臓かと思ったのだが、こいつらもともと漫画研究会にいたらしく、絵がメチャクチャ上手かったのだとか。で、綾乃が売れると吹き込んで、ゴーストタウンにBL本をまき散らし始めたのだとか。
俺に害が無ければいいけど、娘たちの目につくところにあったら殲滅するからな!
でだ、今回腐っている女神様たちに送ったのは、チビ神からウザい男神の見た目の情報を得て、それを綾乃経由でシンジとユウキに伝え、ホモークで薄い本をいくつか書いてもらったのだ。超特急ということで、大量の金貨と、サキュバスのいる高級娼館を紹介してやった。
ケモミミとかも捨てがたいとか言っていたらしいが、この世界の女性は肉食系が多く、お金を稼げるとなれば……物理的に食われてしまうだろう。そんな相手は、草食系男子には荷が重いだろう。
草食系であっても、相手がサキュバスとなれば話が変わるようで、昨日は一日中楽しんでいたとか、情報が上がってきたな。
そんな情報イランから!
その本を送りつけてから、男神たちが多少静かになっているのは、ネタとしてバラまかれるのが嫌だからだと思う。それなのにこちらをディスってくる新しい実況者は、アダマンタイトで心臓が出来ていて、剛毛が生えてるんじゃないだろうか?
今回の実況者の外見特徴も、2人にリークしてすでに書いてもらっている。ホモークだけではなく、男神同士の絡みもあるとか……知らんがな!
話が飛び過ぎた。
5階を進んでいるのは、ほとんどが弱い亜人の上位種だ。ゴブリン・コボルトが中心である。中には鬼人族に、虫系の魔物もいたりするが、個体としてみると非力である魔物が多い。特にゴブリンもコボルトも、オーク辺りも、数で弱さを補っている部分もあるしな。
それが狭い通路を進み、ドレインされてポコポコと死んでいく。4階みたいに隠し通路があると考え、そこそこ広い無意味なエリアを探し始めた。そのエリアは、時間稼ぎ用のトラップみたいなもので、どれだけ探しても先へ進める通路は無い。
ここを突破する方法は、聖水と光魔法だ。あまり知られていないのだが、聖水を体にかけると一時的にドレインを無効化できるのだ。正確には、聖水がかかっている部分はレイスたちが触れられないからだ。
そういう意味では、聖銀製の鎧でも効果はある。あるのだが、聖銀製の鎧は防御力に難があるからな、実質聖水一択だろう。他にも、魔法系の強力な個体でも、回復が上回り死なないと思うが……そういった魔物は、途中で脱落してしまっている。
「ここでどれだけ時間を稼げるかしらね。迂回路なんて無いのに、必死に探している姿は何か哀れね。バザールもよくこんなこと知ってたわね」
「某はアンデッドでござるよ。主殿には聖拳と聖銀の武器でやられたでござるが、本来は光属性の魔法や聖水で攻略するのが常套手段でござる」
「の割には、知られてなかったわよね。シュウの奥さんのミリーさんだって知らない情報だったわよね?」
「一般的に知られていないのは、アンデッドの特性によるものでござろう。ドロップもしょぼいし倒すのも面倒、それに聖水なんて高いアイテムを使っていたら、割に合わないでござる。アンデッドダンジョンは、人がこないのでダンジョンマスターが作らないでござる。必然的に聖水の情報も知らない人が多いでござる」
ということらしい。所々にアンデッドのいる階層はあったけど、攻略法の無い人間にとっては、うまみの無いエリアだから違う場所へ行ってしまう……ということらしい。
そもそも聖水を精製するのに、スキルレベルもある程度高く高ランクの素材が必要なため、割に合わないと言うのがアンデッドの嫌らしいところだ。
聖銀の武器や、光魔法でも浄化系の魔法を持っていれば、簡単なんだけどね。光魔法って何故か魔物には、ほとんど覚えさせることのできない属性なんだよね。理由は分からん。シルクちゃんも知らないしね。
人間であれば回復系を嗜んでいれば、覚えるやすい系統の魔法なのだが、魔物では覚えられないため攻略法がかなり限定されてしまう。バザールの考えた、このダンジョンで一番悪質な仕掛けだ。時間稼ぎのエリアにも、レイスがいるので何かがありそうな雰囲気まで演出している。
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