1866話 もうすぐで3日目
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「結局、2日目で抜けられたのは、2階の8割くらいまでね」
開始から48時間経とうとしている今、綾乃が2日目の総評のようなことを言い始めた。正直昨日の夜は、トラップと格闘する魔物を見るのに飽きてしまい、バザールを残して俺と綾乃は寝てしまったんだよね。
「地上を進む魔物はそうでござるが、3陣に混ざっていた飛行型がマッピングに有効と分かって、3階の半分ほどまでマッピングはされているでござる」
「それよそれ、何であんたの階で飛行系が全部死んでるわけ?」
「それはでござる。強風+グネグネ一本道+部屋の床壁天井に剣山を仕込んだ場所で、全滅したでござる」
「強風って……そんなトラップもあるのか。それに一本道ってあの部屋だろ? なんで飛行タイプの魔物が死んだんだ?」
死んだ場所をバザールが教えてくれたのだが、巨人じゃないとクリアしにくいマップの中に、巨人には細いけどオークくらいなら余裕で通れる、グネグネした一本道があり、大きいと強風でバランスを崩して剣山に……みたな部屋で飛行タイプの魔物が全部死んだらしい。
「なんというでござるが、その様子を見てくれたら、何となく納得してもらえると思でござる。そのシーンをぽちっとでござる」
そう言って飛行タイプの魔物が通るシーンを見せてくれた。
「へ~強風のトラップってどうなのかと思ったけど、飛行タイプの魔物だとこういう風になるのか……」
そこに映し出されたのは、10匹程で突っ込んできた鳥の魔物なのだが、剣山や所々にある柱や障害物のせいで乱気流を作り出しており、少し進むとバランスを失いある鳥は壁に、ある鳥は天井に、ある鳥は地の底に……剣山に刺さって死んでしまった。
「何度か突入されたでござるが、強風って思っている以上に鳥タイプや蜂タイプには有効でござった! 攻めには使えないでござるが、ワイバーンやドラゴン系ならこの強風も無視して飛べると思うでござる」
「でもそれっておかしくない? 魔物って高速移動する際に、魔法で自分の身を守るわよね? それで風の抵抗を受けにくくするのに、強風程度で飛べなくなるの? 飛ぶ速度より風速の方が速いなんてことは無いよね?」
「あの強風トラップの風速は……大体、風速100メートルくらいでござるな」
「はぁ? 人間は吹っ飛ぶけど、その程度で高Lvの魔物が飛べなくなるもんなの?」
「む~、言われてみると、風速100メートルは、音速の3分の1くらいでござるな。その程度であれば、Lv100の飛行タイプの魔物でなら余裕で出せる速度でござるな。何で制御を失ったのでござろう?」
「そこらへんは、検証してみないと分からないから、今は議論しても仕方が無いだろ。とりあえず飛行タイプの魔物には何故か有効って事実だけあればいいさ。チビ神の話だと、48時間経ったらDPの制限が解除されるから、DPが大量にある奴らは2日間で得た情報をもとに、今まで以上に魔物を投入してくるぞ」
「そう言われればそうね。それより、飛行タイプの魔物に罠を丸裸にされて、落とし穴通路も結局突破されちゃったわね。飛行できる魔物に落とし穴を発動させてから、落ちるきる前に飛ばせて正解の道を発見させるとは思わなかったわ」
昨日のダイジェストのようなものを見ながら綾乃が呟く。
確かに落ちても飛べれば死なないので、指揮官の様な魔物が現れて飛行系の魔物でも、ホバリングのできる蜂を使って正解の通路を導き出していたのだ。30分毎に入れ替わるのもバレて、今では安全に通れる場所になっている。
「シュウは、今日でどこまでたどり着くと思う?」
「4階には来るんじゃないの? 正直移動するのが面倒なだけで、3階はもうほぼ安全に通過できるからね。バザールの3階に至っては、移動距離が綾乃のフロアの4分の1もないし、すぐに4階までは来るでしょ」
「でも、4階に来て通路を進み始めれば……ふざけんな! って言いたくなるわよね、これって。今の様子だと、半分くらいの種族は1割も進めずに、リタイアするしかないわよね。4階のボス部屋なんて、正直無理ゲーだと思うわ」
「そうでござるな。この階層を進める魔物で、ボス部屋の2匹を相手にするのは無理でござるよ。5階を作っているときにそれを聞かされて、それが5階では? と思った位でござる」
「でもさ結局のところ、5階のボスの方が凶悪で、更にラスボスはもっと凶悪だもんね……でも、4階はLvが高い魔物が揃ろって、高価な装備があれば倒せると思うけど、5階のボスって指揮官のようなものがいれば、倒せるもんなの?」
「一応検証したけど、特攻のついている武器があれば倒せることは倒せるよ。こいつらはLvをカンストさせてあるから、Lv600以上でタフで力のある魔物が100匹もいれば倒せるんじゃない?」
「昨日の1階で無双していたような魔物がいれば、簡単に倒せるのにね……大きい魔物を使えないだけで、Lvが高くてもこれだけ不利になるんだから……不思議よね」
種族によって超えられない壁があるので、今回のダンジョンのコンセプトとしてみると、辿りつけた魔物からすれば相性としては最悪なタイプだと思う。ボスの強さだけで考えれば、4階のボスの方が圧倒的に強いのに、最終的にたどり着ける魔物として考えると、5階のボスの方が圧倒的に倒し難い。
今回のダンジョンのコンセプトは、人間が中心に考えられているので、こういう矛盾が起きてしまうのだ。
俺たちからすれば、面倒なのは4階だな。でも、魔物で考えると5階になるのだから……あら不思議!
「そろそろ48時間が経つでござる。魔物が大量に流れ込んでくるでござるよ。情報収集した中で、進みやすく強い魔物が増えるはずでござるから、確認だけはするでござる」
バザールに注意されて、くだらない話を止める。
『さーて、バトルも始まり48時間が経とうとしています。トラップだけでここまで翻弄する物を作る防衛側もこれまで! もうすぐでDP使用制限が解除されます! 今までは序の口、ここから本当の攻撃が始まるのです!』
おや? 解説者の声が変わったな。しかも、俺の事が嫌いな男神のようだ。自分が召喚したダンジョンマスターが、俺に負けたのかね?
『さぁ、48時間が経ちました! 攻め側のダンジョンマスターたち、気合入れろ! これだけ有利な条件で負けるとか、マジであり得ねえからな!』
発破でもかけてるつもりかね? いくら頑張っても無理だって。俺の戦力はリバイアサンだけじゃないんだからな!
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