185話 バリス教の内情とその後
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とらえた騎士と大司教という名のオークあわせて十人と一匹の処遇を考えていた。一応アリスが踏み砕いたオークの左足は、ピーチに治療させて再度踏み砕いている。あまりにもうるさかったので、物理的に黙らせた感じだ。
それにしてもこのオークって本当に大司教なんだろうか? マップ先生で検索できる内容ではあるがここらへんは掌握してないしな。掌握するか? ん~、そういえば初めてフレデリクの街に入った時に何か調べる魔道具があったな。
なんて言ったっけな? 何か本みたいなやつだった、えっと……なんたらの目みたいな感じだったはず。本なのに目!? みたいな印象だったからな。効果で検索すればわかるんじゃねえかな。
あった! これや! 【真実の目】名前、年齢、称号を確認できる魔道具。これを使えば称号とか確認できるからこいつらに試してみよう。
「そこの騎士ども! ここに手を置け、お前らの名前や年齢には興味ないけど称号を確認させてもらう。はい並んで並んで、オークは最後ね」
オークと言われた大司教は反論をしているが、ブヒブヒと言っているようにしか聞こえない。アリスが睨むと黙っちゃうしね、足二度も踏み抜かれればそれもしょうがないよな。しかもしばらく、放置した後に治すから猶更きついようだった。
うんうん騎士風の十人は確かに神殿騎士なんだが。十人中八人に殺人鬼の称号がついていて、残りの二人にも殺人の称号がついていた。
他にも無法者・秩序の破壊者等など神殿騎士には相応しくない称号のオンパレードだ。救いようがないクズどもだな。さて次はオークの称号を見てくか、殺人鬼・虚偽告訴・快楽殺人者・神の意志に背く者・拷問趣味等など、えっと……大司教の称号なんてないんだけど、なんで?
「皆さんの罪は理解されましたか? 神殿騎士たち全員に殺人もしくは殺人鬼の称号がついてるっていう事は、戦争以外で罪のない人を殺したっていう紛れもない事実ですね。
よくこんな称号で神殿騎士なんて名乗っていられますね、頭大丈夫っすか? そしてオークのお前! そもそも大司教の称号なんてないじゃん、しかも称号に快楽殺人者とか虚偽告訴しまいには神の意志に背く者だってさ。
これのどこに正義があるんだ? バリスという神がいたとして、その意志に背いてるって称号がついてちゃ救いようもないよな。お前らの国の神殿騎士や上役たちって、全員他国に行けばただの犯罪者じゃね? 犯罪国家バリスか……」
「ぎざま! 我が国を侮辱するのか! バリス教を侮辱するのか! 万死に値するぞ!」
「いやいや、真実の目っていう魔道具のこと知ってるだろ? この魔道具って確か体にアクセスしてその人間の名前・年齢・称号を表示するものだぜ? ここにいるバリス教の人間十人と一匹が全員が犯罪者だぞ? 侮辱じゃなくて単なる事実を言ってるんだよ、分かる?
ここに事実があってそこから判断される事象を言葉にしただけだよ、事実を提示している以上侮辱ではないからな、反論があるならしっかりとした証拠を提示してから反論してください。似非オーク大司教様なら言葉の意味をしっかり理解してから使いましょうね!」
「うるざいうるざいうるざいうるざい! 黙れぎざま! この私に暴行しているんだお前らだって称号がついてるだろ!」
「ふむ、そういえば俺らに何か罰になる称号ついてるんかな? 確か国家反逆罪とか言われてたけど、それって国王が勝手に決めたことだろ? 称号につくのかな?」
「国家反逆罪だと? お前らの方が大罪人じゃないか! そんなお前らが私の事を侮辱するな! 貴様らこそ最低な人間じゃないか!」
「だからな、お前の事は侮辱してないって、事実を言ってるだけなんだから侮辱にすらならんっての、おつむが弱いのもいいかげんにしろって。まぁ気になるから俺らも称号調べてみるか! よーしみんな並べ~」
とりあえず俺から! 称号……奴隷の王、朴念仁、ハーレム野郎、ロリコン……おいまてやゴルァ! ロリコンって何だよ! ロリコンじゃねえよ! 三幼女は確かに可愛いけど、それはロリコンとは関係ねえよ! ただ普通に愛でてるだけだよ! わるいか!
気を取り直して娘たちだ! 並ばせるとピーチが先頭をとっていた。称号はっと……奴隷(主人:シュウ)……え? これだけ? 他のメンバー全員も奴隷(主人:シュウ)これしかない?
いや待てよ? これしかついてないってことは誰も犯罪を犯していないってことだろ? いい事じゃないか! 俺の称号さえふざけたのが出なければな!!
「という事で、俺の称号には犯罪らしきものは無いな。この娘たちに至っては俺の奴隷っていうこと以外は表記されてないな。国家反逆罪と言われたが、国が勝手にハメて俺たちを貶めただけだから俺たちには何の咎もないってことだな。ちゅーことで、似非オーク大司教様の発言は侮辱になりますね」
「そんなはずはない! お前らにはわしを拷問虐待した罪があるんだ! わしが言うんだから間違いない! それからさっきから何だ似非オーク大司教とは! 失礼だろ!」
「お? やっと気づいてくれたの? そもそも犯罪者に拷問したって、罪にはならないんだからあきらめろ豚! ここで言い争っても無駄だし、犯罪者のいう事を聞く必要もないし、少しうるさいから眠っててくれよなっ! さて殺人神殿騎士の皆さん犯罪を償う意思はあるんですかね?」
「私たちは上の指示に従って犯罪者を魔獣を殺していただけだ! バリス様に誓って嘘は言っていない! 咎められることは一切ない!」
「でもさ、犯罪だって称号でてるよ? 十人中八人は殺人鬼だしな、何人罪のない人を殺したんだよ。そもそもバリス教っていうのは、この世界で邪教なんじゃねえのか? ここにいる全員が犯罪者なんだぜ? いい加減目を覚ませよ」
「私たちは何も悪い事はしていない! すべてはバリス様のお導きだ!」
「言っても無駄だな。この感じからすると神殿騎士のほとんどに殺人の称号ついてそうだな。でこのオークの話が確かなら、バリスにあった事があるって話だよな。
上役の誰かかバリス教の中枢の誰かは、バリスっていう神様がいないことを知っていて、こういうことをしているだろうな、最低な宗教だな。とりあえず、この十人からいろいろ聞き出すか。今回レイリー連れてきてないし、俺がやるか」
「ご主人様、それは私たちがやりますので、ゆっくりしていてください」
「君たちだけにはやらせないよ、俺がやる。補助は年長組のメンバーでやる。他のメンバーは、魚人の方達へ炊き出ししてあげてほしい。みんなよろしくね」
神殿騎士とオークを隔離して、情報を引き出す。とりあえず、最近使ってなかったピースを取り出して質問に対して、意図しない返答をするたびに徹甲弾を撃ち込んでは治して、を繰り返して騎士たちから情報を得たが……
神殿騎士(自称精鋭)は、バリスにはあった事がないが、あった事のある司祭たちを知っているとの事だった。他にも、上の命令で獣人の村を襲い殺したり奴隷に落としたりしていたようだ……こんなことをして何故悪い事をしていないと言い切れるのだろう?
その神経が俺にはわからない。これだから盲目的な信者はいやなんだよ。神殿騎士でも強い方でありレベルは一五〇を超えているようだった。といっても娘たちとステータスを比べれば倍以上離れているし、戦闘技術も足りてない。これで精鋭とはね。
オークからは、本当にバリスにあった事がありそれは神だったとの事。ツィード君に教えてもらったチャームも使って、二重に聞き出したので間違いはないだろう。こいつは本当に神がいると信じてて、そいつから大司教の座を与えられていたらしい。
という事は大司教よりもっと上か、暗部みたいなところの人間がバリスという存在を準備しているのだろうか? 本当に自分の行為が正当なものであり、自分たちには従わないものに罰を与える権利があると思い込んでいたのだ。
オークは奴隷として売っても買い手がつかないので、処分することに決まった。麻痺させてから浮き輪を付けて海に流した。ここらへんには船がまず来ないので助かることはないだろう。
神殿騎士達は戦闘力的には悪くないので、リンドにヴローツマインで戦闘奴隷が売れるか聞いたところ、需要は高いようなので連れて帰ることにした。
魚人たちは、今回の件を受けてディストピアへの移住を決めたようだ。おそらく今回の件が無くても移住する方向にはなってたのではないかとの話だったが、決め手にはなった様だ。
ただ一つ、魚人たちからのお願いがあった。水のそばに住む場所がほしいとの事だった。水は海水じゃなくてもいいとの事。湖に島を作るか、水路を調整するか考えるか。
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