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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1843/2519

1843話 実験を始めようか

アクセスありがとうございます。

 部位欠損治療用の水槽は、10分もかからずに完成する。


「問題は、水槽の中の水をどうやって交換するか……多少の流れを作っても、便や尿が滞留してしまうし、入れ替えた水をどうするかって問題もあるからな」


「入れ替えた水は、ダンジョンに流せば問題ないでござるが、多少でも滞留させると衛生面が怖いでござるからね……」


「ん~宇宙ではどうしてるんだっけ? 重力が無くて漂っちゃうから、バキュームみたいに吸い込む方式がとられてるんだっけ?」


「陰部の近くに吸い込む入り口をつけて、吸い込んだ水はダンジョンへ垂れ流しにしてみるか」


 とりあえず、作ってみたが問題がある。人によって体のサイズも違えば、浮き沈みも体脂肪などで変わってくる。決まった位置に固定留守のは、問題が多すぎた。


「それならパンツみたいにはかせるようなものを作って、掃除機のホースみたいに自在に動かせるようにするのはどうかな?」


 綾乃の案を取り入れて改良してみる。思ったより良さそうだが、汚物バキュームパンツでは体が固定できないので、全身を浸ける前提で作っているので、首のあたりを固定してはどうかということになった。


「改良しようと思えばもっと改良できるが……数日、長くても3日しか使わないんだし、ここらへんでいいだろう」


 何度か改良を重ね、汚物の問題、浮き沈みする体の問題を解決した試作品を使い、人体実験をすることにした。


 人体実験に使う死刑囚はいるのだろうか? それが問題である。ゴーストタウンでは、結構な数の死刑囚を人体実験に使っているから、いろんな街から買い取っているが、それでもすぐに死んでしまう実験が多いので、死刑囚が不足することがあるんだよね……


 ここで言う実験って言うのは、小説で言われているような改造人間とか、無理に強化をして……みたいなものではない。重犯罪を犯し死刑になった者は、毒の効果を確認するために殺されることもあるが、基本的には治療薬やポーションの効果実験などに使われるのが、ゴーストタウンのスタンダードだ。


 他の街では、死ぬまではりつけにされて石を投げられたり、四肢を強い力で引っ張り千切ったりするらしいので、それを思えば……いや、死刑囚からすればどっちもどっちか。


 グリエルに連絡を入れると、ちょうどいい実験体が手に入ったので、それを3名こちらに連れてくるそうだ。暗部の鬼人が連れてくるので、しばらく待っていてくれだとさ。


「3人はいるみたいだな。ってことで後2つ作るぞ」


 急遽実験用の水槽……浴槽? を2つ追加で作ることになった。器を作って、汚物バキュームパンツを作って、固定する首の部分を作れば……完成!


 クリエイトゴーレム恐るべし。地球で考えれば、あるものを流用して作業したとしても、5分や10分で作れるような物ではない。


 準備している間に実験体が到着する……なんか暴れてんな。元気がよすぎないかい?


「こいつらは、今回の襲撃に加担した重犯罪者です。ですが、指揮官クラスではないので、大した情報を持ち合わせていませんでした。急遽必要になった人体実験の素体として、連れてくることになりました」


「なるほどな、そういう理由か……えっと、こいつらの監視と世話用に、暗部から人を出せる人材って今いるか?」


「……技術の拙い者たちであれば何人か待機していますが……こいつら程度であれば、フル装備で暴れても問題なく取り押さえられるくらいには、実力はあります」


「なるほど、念のため6人ほど呼び出してもらっていいか? 傷口の記録何かは、こっちで準備したカメラでやるから、監視といざって時の殺害、薬の量の調整などを任せたい。薬関係は……バザールに任せてもいいか?」


「問題ないでござる。某なら、ここにいてもスケルトンたちと意識共有できるでござるからな。余った時間を農作業や畜産に当てられるでござるよ」


「農業や畜産をする骨……シュールだな」


「ほんとよね。この骨は、どこを目指しているのかしら?」


「酷いでござるな、最近農作業や畜産をさせていたスケルトンたちが、ファーマースケルトンに進化したでござるから、スケルトンでも育て育んでも問題ないと、世界が言っているでござるよ!」


 マジか……とうとう種族まで変わりやがったか。ってことは、世界に認められたってことなんだろうな。バカバカしい気がするけどな!


 俺たちがバカ話をしている間に暗部から人員が到着する……


「えっと、子どもだよな?」


「え? 子どもですが、何か拙かったですか? あ、きちんと指導役もいますよ」


 多分10歳くらいの少年たちが、ビシッと敬礼をしてヤル気に満ちた表情をしており、その後ろから見た目的には30歳にはなっていないであろう女性がいた。


「この子たちは、ディストピアに移住してから生まれた子たちで、戦闘訓練はしていますが、辛かった時代を知らないので、少し甘さが抜けないのです……ですから、今回ちょうどいいと思い、呼び寄せました」


 話を聞くと、俺を尊敬しているのは十分に分かり、俺のために働きたいと言うのも分かったのだが……子どもにさせるのはどうなんだ? と悩んでいると、子どもたちに土下座をされてしまい……許可することとなった。


 いやいやさせられているわけではなく、進んで志願した6名なので存分に使ってください……だってさ。本当にいいのだろうか?


 とはいえ、許可してしまったものはしょうがない……


「綾乃、暗部の人たちにこれらの使い方を教えてくれ」


 綾乃にいったん、子どもたちを任せることにした。それで俺たちは……連れてこられた実験体を隣の部屋に連れていき、


「バザール、今回の被害者で最も欠損部位が多かった人の情報ってあるか?」


「情報は貰っているでござるよ。度合いは違うでござるが、両下腿部欠損で右腕は肩から、左腕は肘から先がヶ所としては一番多いでござるな」


「四肢全部欠損か……普通なら絶望するよな。君、ちょっと手伝ってくれ。引きちぎる形でいいから、この男を今言ったような形にしてくれ。千切った後は、Dランクポーションでもかけておけば出血は止まるから、よろしく」


「次は、欠損部位としては、右足右腕でござるが、肺近くまでえぐれているようでござるな。肺となると、難しいでござるから、欠損量を同じくらいにするために腰辺りを削るでござるかね?」


「そうだな。下手に欠損させて死んだら困るから、腰やお腹辺りを多めに削ってもらおう」


 俺たちがこんなことを話している間にも、初めの実験体は連れてきた暗部たちによって、四肢を千切られている。何でこんなことを平然と行っているかと言えば『目には目を歯には歯を』だ。自分たちの犯した罪で、傷ついた人と同じ体験をさせる……という理由だ。


 こちらの事を罵っているが、お前らは少なくとも数十人は殺しているのだ。そのくらい甘んじて受けろ。ここは日本ではない。お前らの様な重犯罪者にも、人権が! みたいなことを言う人間はいないのだ。


 日本の法律を100パーセント理解しているわけではないので、何とも言えないが、今回の事件だって日本で考えれば、主犯格と実行指揮をとった人間以外は、死刑にならないんじゃないか?


 そんなことはどうでもいいか。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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