1811話 更なる襲撃者たち
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後ろから高速で撃ち出されていくスライムたちの音を聞き、従魔たち専用のマイワールドから世界樹へ移動する。あいつらは……しばらく、あれで遊んでいるだろうから、平和な時間が訪れるな。
世界樹の木陰でソファーに座り、のんびりと本を読み始めた。そうすると、膝の上に何か乗ってきた。
ニコたちの次は、お前か。
膝の上には、ハクが乗っており座り心地の良い場所を探しているが、そこそこ大きくなってきたハクの体には、膝の上だけでは良い体勢がとれなかったようだ。仕方がなく胡坐をかいてやると、待ってました! と言わんばかりに、綺麗に丸まりこちらに顔を向けてきた……
分かった分かった。ブラッシングしろってことだろ? 分かったから、ちょっと待ってくれ。
ブッ君を俺が読みやすい位置にアームで固定して、収納の腕輪からハク専用のブラシを取り出し、撫でながらブラッシングを始める。ハクは自分でブラッシングしてほしい所を指定してくるので、手を動かしているだけで問題ないのだ。
30分くらいすると、胡坐の中でもぞもぞし始め、何事かと思ったら……仰向けになり腹を出していた。なるほど、お腹もブラッシングしてくれってことだな。仕方がないな、ブラッシングしてやるから大人しくしてろよ。
まぁ、意識の大半はブッ君で読んでいる小説なので、大したことは無いのだ。ハクはそれでもブラッシングしてもらえることを喜ぶので、ニコみたいに片手間でやると、反撃をくらうようなことは無くて助かる。
満足すると何処かへ行ってしまった……なんていうか、自由過ぎる奴だな。お礼とは言わないけど、何かかわいらしい所でも見せてくれれば、やりがいもあるんだがな。
これでのんびりと小説が読めるな。
10分くらいすると、さらなる襲撃者が到来する。
娘たちが俺の所へ走ってきて、3人揃ってダイブをしてきたのだ……何事かと思ったら、もう昼食の時間になったようで、俺のことを呼びに来てくれたみたいだ。
昔みたいに3人を同時に抱こうとしてみたが……体が大きくなっているので、無理だった。なので、両腕と首の後ろにぶら下がって楽しそうにしている。歩きにくいけど、お父さん頑張るよ!
よくよく考えると、午前中はほとんどまともに本を読めていなかったな。ハクのときにブラッシングしながら読んではいたが、ながら作業の読書は予想以上に頭に入っていなくて、結構なページ数読み返してしまっているので、結局読んでいないのと一緒かもな。
お昼は、娘たちのリクエストか、久しぶりにお蕎麦が出てきた。何でも大丈夫と言われたので、ざるそばでとろろと薬味マシマシで注文する。後は、天ぷらをお勧めの盛り合わせを注文した。
お蕎麦とかうどんと一緒に食べる天ぷらって、なんかうまく感じるんだよね。そして、天つゆのように少しだけ天ぷらを浸したつゆで、そばを食べると美味いんだよね! もうね、無限ループできそうなくらい、最強のコンビだと思う。
娘たちは、シンプルなかけそばに、思い思いにトッピングをしてもらっていた。かけそばの上に乗っているひたひたにしみたかき揚げも捨てがたい。でも、サクサクのかき揚げにちょっとつゆをつけたのも悪くない。
でも、かけそばの天ぷらは、キノコタケノコ戦争と同じくらい危険度が高いので、会話をするときは注意が必要だ。俺はどっちがいいか聞かれても、両方とも食べたい人間なので素直に言った事があるのだが、両陣営からブーイングをくらった。
娘たちは、全員サクサク系が好きらしく、別のお皿に盛りつけてもらっているのを、天つゆにつけるようにかけそばの汁にチョンとつけて食べている。
下の子たちは、自分で食べようとすると、ボロボロに崩してしまうようで、初めから小さいのを準備してもらい、それにかぶりついている。美味しければ何でも食べる子たちなので、好き嫌いはほとんどないんじゃないかな。
まぁ、周りが躊躇するような見た目の食べ方でなければ、どうやって食べても俺は気にしないけどね。マナーが! とかいう人もいるけど、普通に食べるお店や家で、そこまでマナーを守って食べている人なんていないからね。
特にさ、居酒屋とかマナーなんて無いだろ。騒いで飲んで暴れて……というのは語弊があるが、日本だけで見てもマナーを気にして食べる場所の方が、圧倒的に少ない。
個人的な意見で言えば某牛丼チェーンで、紅しょうがを牛丼の上にまんべんなく乗せる人、俺的にはマナー的にどうかと思う。別に食べ方を批判するわけではないが、マナーという意味では、無料とはいえ限度があると思う。
まぁ、マナーも一応、決まりのようなものはあると思うが、すべてを把握している人はいないし、日本で良くても外国でダメとか、その反対だって多いからね。
よく思うのは、麺類を音を立てて食べるのは、外国人からしたら行儀が悪いらしいが、日本人が日本で面をすすって食べる文化を否定する奴、あれは止めてほしいよね。音が嫌なら食いに来るな、そこではすすって食べる人たちがいること分かってるのに、来て文句言うやつとかいるからな。
そんなこと言ったら、手で食べるのは行儀が悪い! って言って、手で食べる文化を全否定するのか? って話になる。郷に入れば郷に従え、嫌らな行くな。と思う。
ふ~、俺の脳内での批判がさく裂してしまった。
まぁ何が言いたいかというと、その人が美味しく食べれるならどうでもいいじゃん。ただ、周りには迷惑かけるなよ! ということだ。迷惑をかけた時点で、かけられた側は美味しく食べられていないってことだからな!
さてさて、食事が終わったのでのんびりしよう。今度こそ、本を読むのだ!
そう心に決めて読み始めたのだが、20分後にダマが俺の所へやってきて、ブラッシングを強請ってきたのだ……俺の休みは、あってないような物なのだろうか?
ダマのブラッシングをしていると、膝の上にいたダマを押しのけてクロとギンが、頭を撫でろと顎を乗せてきた。
撫で終わったかと思えば、コウとソウが来てブラッシングをさせられ、最後には猫たちの襲撃を受け、ブラッシングさせられた……ペットが多い家って、休みの日こんな感じなのかね?
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