表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1802/2519

1802話 気にしたら負け

アクセスありがとうございます。

 昨日は調子に乗りましたが、今日はもう大丈夫だと思います。妻たちが受けた苦情は、拡張による周りへの影響を考えなかったものだ。なので、中身をいじる今日は、特に問題は無いはずだ。


 そして、スペシャルゲストとして、バザールと綾乃も呼んでいる。


「何か、1人で完結しているでござるな」


「ああいう時は、放っておいてあげなさい」


「失礼な! 昨日は無計画に拡張してクレームが来たけど、今日は特に拡張するわけじゃないから、クレームも来ないはずだ!」


「分かったわ。それで、今日は何で呼ばれたのかしら?」


 スペシャルゲストとして呼んだが、何も説明せずに呼びつけている。こいつらも、案外このスタイルを気に入っているので、表面上だけ文句を言うけどな。


「今日は、アナログなディスプレイ表示をされている映像を、手に付けた特殊な手袋で空間投影できるようにして、拡大縮小交換何でも手の動きだけで操作できるシステムを、開発したいと思います」


「さすがに、それは無理じゃないかな? 空間投影はスパコンを使って、制御関係はDPの魔改造によるモノでしょ? 制御関係をいじれなければ、手袋に反応させることなんてできなくない?」


「機械的に考えれば……無理でござろうな。魔法的に考えれば、出来ないことも無いでござるかね?」


「というかさ、俺の執務室にある空間投影のシステムってさ、物理的なキーボードってないんだよね。投影されたキーボードや、映像をタッチすることで反応するからね。投影されたキーボードや映像をタッチする部分を改変して、手袋に反応させられないかって考えているんだけど、どうだと思う?」


「む~、DPには困ってないんでしょ? 廃棄する前提で、作ったらいいんじゃないの?」


「それもそうか、DP錬金で稼いでいるし、多少なら使っても問題ないもんな」


「作る前に、設定がどこまでいじれるか、確認するでござるよ」


 そう言って、俺の部屋にあるシステムと同じものを、スキル上で呼び出して魔改造をしていく。どんなにいじっても、空間投影タッチパネルのようなものはできるのだが、手の動きだけで操作が出来るようには設定できなかった。


「考え方を変える必要が、ありそうでござるな。元々想定されていないシステムを、強引に今の形にしているでござるから、これ以上変えるのは厳しいでござる。パソコンに対するマウスやキーボードみたいに、周辺機器として動きを読み取る機会を、接続した方が良いのではござらんか?」


「バザールにしては良いこと言うじゃない。確か、VR系の機能に、特殊な手袋を装着して操作するタイプのものがあった気がするわ」


 綾乃の言った通り、手の動きだけで入力できるデバイスが存在していた。VRではなく、パソコンに繋げるデバイスだったのだが、俺のイメージしているのとは違った。俺が目指しているのは、映画のマイ〇リティ・リポー〇に出てくるあれだ。


 空間投影タッチパネルで似たことはできるが、今回目指しているのはあれの進化系だ。よく覚えていないが、あの映画では、ある程度決まった位置での操作が基本だったはず。でも今回目指しているので、手袋をつけてどこでも操作可能、というものだ。


 無理と笑うなら笑えばいい! だけど、DPに不可能は無いと信じている!


「デバイスの線は、いいと思うけど……召喚できる奴って、ダサい。もっとカッコいいのにならないわけ?」


「もう、機能だけ残して、クリエイトゴーレムで見た目をいじったらどうでござるか?」


「「それだ!」」


 すっかり忘れていた、クリエイトゴーレムの存在を、バザールが思い出させてくれた。色々試していて気付いたのだが、画面の操作という意味では、親指・人差し指の2本だけでも、どうにかなるもんだった。


 もっと言えば、中指を入れた3本にすれば、ノートパソコンのタッチパッドと、同じ使い方ができることが判明した。


「だけど、シュウが言ってたみたいな、スマートな感じがしないわね……」


 ちょっと無理があったのだろうか?


「思ったでござるが、投影された映像は手袋で操作できるでござるから、それ以外の部分は違うデバイスに頼ってもいいのではござらんか? トランシーバーみたいに、ボタンを押しているときだけ認識する、みたいなのはどうでござるか?


 例えばでござるよ。番号を指定すると拡大された画面が投影されて、拡大したい場合は手袋操作……とか、出来ないでござるかね?」


 手袋と音声で操作するってことか……


「それ、採用!」


 物は試しと思い、俺の執務室と同じシステムのある指令室へ移動して、音声デバイスはワイヤレスイヤホンで、音声認識のシステムを指令室の物に繋げる。


 これだと、ただ音声を録音できたり、スピーカーに流すだけなので、指令室のシステムに追加プログラムをインストールする。融通の利くDP様様である。ワイヤレスイヤホンにクリエイトゴーレムをかけて、専用手袋で触れている間だけ起動するように設定する。


 ワイヤレスイヤホンに触れ、


「一番」


 30個写しだされているモニターの内、拡大したい番号を告げる。そうすると、目の前に一番モニターの映像が、空間投影される。投影された映像を手袋を使い、拡大・縮小・移動・モニター交換などを試していく。


「問題なく使えているな。解除」


 再びワイヤレスイヤホンに触れて、空間投影を解除してみる。問題なく消えた。


 俺、バザール、綾乃の3人で同時に試してみたが、問題なく機能している。ちょっと想像していたのとは違うけど、これで十分だろう。これ以上となると、思考を読み取るような何かが必要になってきそうだ。


「驚いたでござるな。この空間投影のシステムに、こんな隠された機能があったでござるとは……」


 今俺たちが驚いているのは、空間投影された映像についてだ。どういう理屈か分からないのだが、他人に不可視化が出来るのだ。空間投影なので、全員に見えるとばかり思っていたのだが、手で操作するときにボタンを押すと、他の人に見えなくなったのだ。


 集まったところで使うと、映像が重なったりしないか心配だったのだが、特にそんなことも無くかなり便利に使えるようになった。


 ご都合主義的力が働いているとしか思えなかった。


 完成したシステムは少し調整して、指令室に使っている100倍の性能のスパコンを召喚した。かかったDPは50億程……日本円にして5兆という途轍もない金額を使ったことになる。オイル漬けの氷点下50度の部屋に押し込んでいるので、管理は楽である。


 あ、1週間ほど、無駄に使ったDPを戻すために、3人でせっせとネタ武器を作って、DPに還元したよ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ