表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1793/2519

1793話 重大な勘違い?

アクセスありがとうございます。

 午後も書類を読んでいると、スプリガンから連絡が入る。


『ご主人様、少しよろしいでしょうか? 監視を頼まれていた勇者2人ですが、街の中で女性に接触し始めました。確認できている所で、2人で合わせて7人に接触していますが、その内3人が不自然に消息を絶ちました』


「どういうことだ?」


『こちらも良く分かっていないのですが、死亡のマーカーとかがついているわけではなく、マップ先生でその存在を確認できなくなりました』


 ますます意味が分からん……マップ先生の検索範囲外に出た? この大陸は、魔物の領域でもほとんど掌握済みなのに、範囲外に出るのは難しい。何より、転移魔法は存在しないので、フレデリクから掌握領域外に出るためには、400キロメートル以上移動する必要がある。


 不自然に消息を絶った……これが良く分からない。死亡すれば、死亡した人間を表示できるのに、それも無いようなのだ。あり得るとしたら、王国の奴隷兵が使っていたマントに準ずる、魔道具の存在だろうか?


「報告ありがとう、引き続き監視をよろしく」


 勇者が係わると、どうしても面倒なことが起きていると思ってしまう。接触してきた勇者は、綾乃以外面倒事しかなかったからな……綾乃は綾乃で、面倒だけど意味が違うからな。俺に接触してきていないだけで、勇者の存在は50人は確認できている。


 さて、グリエルとガリアに相談しよう。


「……という報告が上がってきて、実際に存在が見つけられない。奴隷兵の使っていたアイテムもあるし、マップ先生が万能でないことは知っているけど、タイミングがタイミングだけに不自然なんだよな。しかも、接触した相手が失踪しているわけだからな」


「本当に頭の痛い話ですね。行方不明者の捜索依頼は、ガリアどうでしたっけ?」


「ちょっと待ってください……すべての街で時々ありますが、ゴーストタウン以外の街では、二割程が見つけられていませんね。


 数にすると、年間で1つの街平均、50人ほどですかね。その内7割ほどはマップ先生で、他の街で奴隷になったのを確認しています。残りの3割ほどは、死亡を確認しています。自殺もあれば、他殺もありました」


 マップ先生以外で見つけられていないのが、50人くらいいるのか。その内の3割ほどが亡くなっているのか。それ自体は仕方がないが、今回は、そういうわけにはいかないんだよな。存在自体が確認できなくなっている……そこが問題なのだ。


「一応、フレデリクの行方不明者の捜索について、確認を取ってもらっていいか?」


 ガリアは了承して、自分の執務室へ戻り確認作業に入った。


「シュウ様、少しよろしいですか。少し気になることがあったのですが、魔道具はスキルや魔法で再現が可能ですよね? 光の魔道具はライトで代用できますし、五徳の魔道具も火魔法で代用できますよね」


「シュリ、それは違うぞ。魔道具で魔法やスキルが再現できているのではなく、魔法やスキルを代用させるために魔道具が作られているんだ。中には常識外れの魔道具もあるけどな」


「では、基本的には魔道具で出来ることは、人にも再現が可能だということですよね?」


「どんな方法にせよ、空間拡張なんかのダンジョン産の魔道具以外は、再現が可能なはずだ……ん? 待てよ。魔道具の再現が可能なら、マップ先生の検索から逃れる魔法やスキルも、再現が可能ってことか?」


 待て待て、よく思い出すんだ。今まで、空間拡張以外の魔道具は、クリエイトゴーレムを使えば際限が可能だったはずだ。試していないが、マップ先生の検索に引っかからないあのマントも、再現できないと思う。原理が分からないから、手がかりがないのだ。


 だけど、原理を理解するか、ユニークスキルでマップ先生を誤魔化せるなら……ユニークスキル!


「そうだ! ユニークスキルの存在を忘れてた! 他にも、魔法でオリジナルスペルを作り出した可能性もあるな……」


 どうして気が付かなかったんだ、確かユニークスキルの網羅されている本が無かったか? あースキルが網羅されている、スキルブックみたいなやつだったな……その中に、隠蔽や隠密系のスキルでユニークはないか?


 数千種類のスキルの中から、目的の物を探すのには人手が少なすぎる……他にも、魔法で近い効果のあるものを探すにも……魔法に関してもダンマスのスキルで、今までにあった魔法の種類や効果が書かれた本を召喚できるので、そこからも探せるのだが……こっちは、万を超える数が書かれている。


「グリエル、一時的に庁舎の人間に、この本の中から特定の条件を満たすスキルや魔法がないか、調べるのを手伝ってもらっていいか? もしかしたら、俺は重大な見落としをしている可能性がある。そのためにも、この本に類似するものが無いか、一刻も早く見つけたい」


「分かりました。仕事を止めても問題ない人間から、調べさせます。その本は、どのくらい準備できますか? 私は、調べ物の指揮を執りますので、何かありましたら大会議室へお願いします」


 グリエルは立ち上がり、俺が召喚した500冊もの本を収納の腕輪にしまい、移動を始めた。このまま、手の空いている人間を集めて、大会議室で調べものをしてくれるのだろう。


 特定の条件とは、隠蔽・隠密・欺瞞・偽装など、隠したり書き換えたりできるようなものだ。隠密なら、光魔法で見えにくくすることも出来るし、闇魔法で偽りの姿を見せることも可能だ。


 魔法やスキルで、マップ先生に干渉できるのか分からないが、実際に1つだけ実例があるのだ。検索に引っかからなくなるマント……その存在がはっきりしているのに、再現できないとは言い切れない。


 地球で言われていた、【イメージできることは実現できる】という、あれを思い出した。技術的に今は無理でも、いずれ実現できるようになる……というあれだ。


 この考えでいけば、イメージできる……実際に再現された魔道具があるのに、人間の想像力で再現できないはずがないのだ。同じような効果のあるスキルや魔法が、存在している可能性がある。


 グリエル……頼んだぞ。


 ガリアが戻ってきて、行方不明者についての報告がある。


 勇者たちが来た数日で、行方不明者の捜索依頼の数が増えているそうだ。その数26人。その内20人は、マップ先生で発見済み。


 残りの6人の内3人は、スプリガンの報告にもあった女性たちだ。残りの3人の内、2人が男性、1人が女性らしい。


 この短い期間で、合わせて6人もの検索不明者が出ている……勇者たちの関与を疑わずにはいられない。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ