1789話 働く前の一時
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新従魔たちのテト、ライ、ランの3匹から、抗議の攻撃を受けた俺は3匹に謝った。野郎って言ってすいませんでした! あれ? お前らって、もしかして全員メス?
そんなことを思ったら、テトの爪が更に深く俺の背中を突き刺し、ライの甘噛みが半ガチ噛みになり、ライの舌ザラザラ攻撃は俺の手を上顎に固定して、強烈に舐め始めた。
済まない……お前ら、メスだったんだな。今度からは気を付けるよ。メスだから、身だしなみをいつも整えてるって? 猫ってオスも毛繕いをするよな? お風呂は毎日入る猫なんていないし、入らせるのも一苦労だって話だ。
今日は丁寧に体を洗うように言われてしまった。そして隣で苦笑している2人よ、お前たちはこいつらがメスだって知ってたのか? もちろんだと! 何で俺に教えてくれなかったんだ!
知ってるものだと思ったって? 知るわけないじゃん! 玉があるかないか確認しなければ、オスかメスかなんてわからんわ!
時間があったのに確認してない俺が悪いのか? そうだよな、3匹とも俺が悪かった。今日は、シルキーたちの特製夕食を出してもらおうな。あれって、美味いんだろ? 俺たちもシルキーが作ってくれる料理は好きだからな、仲間だ!
コントみたいなやり取りをしている俺を、笑いながら微笑ましそうに見ている2人は、後でお話が必要だと思うんだ。どうやって、こいつらの性別を知ったのかね、教えてもらわないといけないかな。
え、簡単? ミーシャに聞けば分かるって……何で?
あの子は、テイマーとしての才能は、誰よりも高くしっかりと意思疎通もできるし、スライムたちだって全部識別できるだけの認識能力があるのか!? スライムは無理だろ……だって、色違いはあるが、同じ色だったら見た目一緒だぞ。
ミーシャに言わせると、一匹一匹若干色も違うし、内に秘めている色も違うんだってさ。テイマーの才能何だろうっていうけど、今までそういった人はいるのか? いないから、ミーシャが初めて? むむむ! あの子はもしかして、天才か!
テイマーとして優秀かは分からないが、才能は断トツで高いのか。スミレとブルムもスライムは無理だけど、他の従魔たちとは会話が出来るからねってさ、不思議に思わんのか? 俺の子どもだから、多少違っても驚かない……と、確かに普通とは違うけど、俺の扱い酷くね?
そんなことを話していると、庁舎についた。
学校に行く前の子どもたちが、背中に張り付いているテトを回収して、みんなで撫でている。ライも捕まりデローンと持ち上げられているが、可愛がられている。ランは……お腹を出して、フカフカに仕上げた腹毛に、子どもたちが埋もれていく。
十分ほど騒いでいると、先生が迎えに来て学校へ向かうようだ。お手数かけてすまない、今度美味しいものでも食べに行こう。お酒は、ミリーたちが付き合ってくれるから、是非うちに来てくれ。
執務室に着くとダマを含めた4匹は、自分の位置へ移動してくつろぎ始めた。
全員がネコ科の動物だけあって、日向ぼっこが好きなようだ。俺の執務室は日当たりが良く、太陽の光が差し込んでくるところは、ガラスになっているのでお気に入りの席だろう。夏でも冬でも快適な温度になっているため、年中くつろげる場所となっている。
今日は、特に何もない……あった。1枚の紙が机の上に置かれていた。
なになに? スカルズと一緒にレッドドラゴン狩りに行っていたアルファチームとベータチームが、難なく討伐に成功。スカルズのメンバーは、ドラゴンキラーが無くても倒せるが、その2チームはドラゴンキラーの力を借りての討伐……か。
俺たちも初めての討伐は、ドラゴンキラーを使ったもんな。長く生きていたせいで、みんなが戦っているレッドドラゴンより遥かに強かったが、それは関係ない。使ったという事実があるだけだ。
レッドドラゴンの革や鱗を使った装備は、レッドドラゴンの攻撃に耐性が高いので、問題なく狩れていました……ね。アルファチームとベータチームは、今後自由に動いて良いことにしよう。
ただ、レッドドラゴンを狩る際は、スカルズに付き添ってもらうこと。あの武器は、あのメンバーに貸し出してるから、借りなくても倒せるようになるまでは、スカルズの付き添いが必須。スカルズには面倒をかけるがお願いします、っと。
メールを送っておいた。
そういえば、最近はタブレットばかりでスマホを使ってないな。俺の支配下にある街では、使えるようになっているので、俺に近しいメンバーは両方とも持っている。個人の好みで好きな方を、使っている感じである。
老ドワーフどもには渡してない。あいつらは、渡したらすぐに分解をしようとするので、1つ目を分解された時点で全員分のを取り上げた。その分、秘書が全てを受け取るので、秘書の方は大変である。あ、ちなみに、俺の秘書より老ドワーフたちの秘書の方が、給料が高いよ。
面倒をかけさせる分、老ドワーフたちの給料から一部を秘書に渡している。本来秘書がしなくてもいい仕事までさせられているので、当然の処置である。
それでも老ドワーフたちには、そこまでお金なんて必要ないんだけどね……最初の約束で、こいつらの食費と酒代は、ほとんど俺が負担しているからな。ただ、1日ボトル1本を超える分は自前なので、貰ったお金で何本飲めるか計算して、毎月全部使いつぶしているの現状だ。
貯めるという言葉を知らんし、こいつらはいざとなれば腕だけで金を稼げるからな……毎日、どれだけ楽しく飲めるかが、大切なようだ。ドワーフ恐るべし。
そだ、カエデやリンドと飲むと、酒代を負担してもらえるから、2人からの誘いは絶対に断らないって噂だ。老ドワーフたちもいい酒を飲んでいるが、カエデとリンドは更にいい酒を出して飲んでるって話だ。
カエデとリンドがいるなら、絶対にブラウニーの1人や2人はいるので、おつまみも最高級の物が出てくるからな。
不思議なことにドワーフたちは、毎日浴びるように酒を数百年と飲んでいるのだが、飲酒が絡む病気にまったくと言って罹っている様子がない。いくらポーションとを飲んでいるとはいえ、一切いないのは不自然だが、いないものはしょうがない。
それに対して、普通のヒューマンや獣人の中には、肝硬変などを患って亡くなる人がいる。ドワーフの体は、何か特別な仕掛けでもあるのではないだろうか? と思っている。
話がそれたが、今日も一日頑張りますかね。
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