表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1786/2519

1786話 娘たちの心配り

アクセスありがとうございます。

 仕事が終わり、のんびりと帰路についた。勇者たちは、本当に何もないのだろうか? リュウたちが気になった魔法使いの男は、何かを企んでいるのだろうか? 情報が少なすぎて、まだ判断できないな。


 俺が難しい顔をしていたため、家に帰ると上の子たちに心配されてしまった。眉間にしわが寄っていたようで、しゃがんで娘たちを迎え入れたところ、眉間をナデナデされてしまったのだ。


 子どもに心配かけるなんて、父親失格だよな……つい最近、同じようなこと言ってなかったっけ?


 今日のご飯は何かな? 娘たちに聞いてみると、少しニヤニヤしながら「しらな~い」と返してきたので、おそらく何かあるのだろう。今日は何を仕掛けてくるのだろうか?


 食堂へ着くと、下の子たちは食事を始めていた。時計を見ると、いつもより少し遅い時間だったので、シルキーたちが先に食べさせていたようだ。あまり時間が変わると、この子たちに良くないもんな。シルキー、グッジョブ!


 今日は、天ぷらみたいだな。色々な野菜の天ぷらを準備してくれているようだ。ライブキッチンみたいに、俺の前で調理してくれるあれだ。度々目の前で作ってもらっているけど、今日は雰囲気が違う……何が違うのだろうか?


 シルキーたちが使っている調理道具に、あれ? 包丁は、いつも使っている奴じゃないな。シルキーがいるのに、調理が始まらない……妻たちもニヤニヤしている。


 なるほどね、娘たちの姿が見えなくなったし、多分着替えているのだろう。今日は、娘たちが俺のために天ぷらを作ってくれるのか。っと、推測して驚かなかったら、娘たちが悲しむかな? 大げさにならない程度に驚けるかな?


 しばらく待っていると、シルキーが少し甘い匂いのするタレを持って来てくれた……天ぷらだけじゃなく、天丼にしてもいいよってことか!


「お父さん、いらっしゃいませ!」


「「「いらっしゃいませ!」」」


 俺の前に立ったウルが、俺にあいさつをしてくる。それに続いてミーシャ、スミレ、ブルムの3人も声を合わせる。


「今日は、4人が調理してくれるのかい?」


「「「そうなの!」」」


「最近、お父さんが疲れているみたいだから、私たちに何かできないかと思って、シルキーさんたちに相談しました。そしたら、お父さんは天ぷらが好きだから、作ってあげてみては? と言われたので、練習したんです!」


 ウルが気合の入った声で、話してくれた。


「嬉しいよ。今日はどんな天ぷらを出してくれるのかな?」


「お父さんの注文を聞いてから、調理します!」


 大丈夫かな? とか思うのは失礼だと思うが、天ぷらは料理の中でも難しいと思うんだけどな……そんな心配をしていると、隣に座ったミリーから


「シュウ君を喜ばせるために、一生懸命料理の練習をしたんだよ。私たちも、ドワーフのお爺さんたちも、みんなが協力して練習で作った天ぷらを食べてるの。最初は仕方がないと思うけど、最後の方はそれなりの味になっていたから大丈夫よ」


 と、耳打ちされた。


「何でもいいのかな?」


「もちろんです!」


「じゃぁ、海老天を1本、シシトウとレンコンも1つずつお願い」


「注文承りました!」


「「「承りました!」」」


 微笑ましいな。そしてシンラよ、お前は真似しなくていいから、自分の食事に集中するんだ。


 一から十まで全部を自分たちで出来るほどではないので、シルキーたちからアドバイスを貰いながら調理を進めている。


 エビはあらかじめ処理をしてあるものを取り出して、てんぷら粉をつけて揚げ始めた。あげるのは、ウルの役目のようで、真剣な表情で油の中を泳いでいるエビを見ている。少し気負い過ぎじゃないか?


 その隣で、スミレがレンコンを切っている。危ない様子もなく、程よい厚さに切っていた。うむ、才能があるかもしれんな。


 俺は普段お酒を飲まないのだが、今日は娘たちが用意してくれているので、久しぶりに飲もうかな。


 俺は炭酸系が好きなので、チューハイを注文する。グレープフルーツでお願い。


 ミーシャがグレープフルーツを搾り、ブルムが炭酸水とお酒を準備していた。搾った果汁をシャーベット状に凍らせ、コップの底へ、その上に氷を入れお酒を注ぐ。そうすると、シャーベット状だった果汁がほぼ溶けていた。


 そこへコップを傾けて、炭酸水を注いでいく。出来るだけ泡の立たないように、静かに注いでいた。軽く混ぜた後、俺の前に出される。


 ちょうど、海老天が揚がったようで、お酒と一緒に俺の前に……


 塩を少しかけ、海老天を一口かじる。しっかりと揚がっているな。濃厚なエビの旨味と衣のバランスがいいね。次は天つゆにくぐらせて、残りの半身をいただく。こっちも悪くないな。


 口の中をリセットする感じで、チューハイを流し込む。口の中がシュワシュワして、グレープフルーツの味もしっかりあり、アルコールは少し弱めで作ってくれている。俺の好みに合っているな。


 その隣では、お酒大好きミリー、カエデ、リンドの3人が、日本酒をカパカパ飲んでいる。こっちは、ブラウニーたちが作ってくれている天ぷらを楽しんでいるようだ。


 シシトウとレンコンが揚がり、美味しくいただく。ブラウニーたち程ではないが、一生懸命特訓をしたんだろうな。


 次に頼んだのは、カボチャ、サツマイモ、ナスを注文する。野菜は俺の前で切るように特訓したのか、ちょうどいい厚さに切っていく。ナスは、輪切りの提供のようだ。みんな美味しかった。


 じゃぁ、これには対応できるかな?


「キスの天ぷらはあるかな?」


「承りました!」


 さすがに魚は捌けないようで、スカーレットが捌いたものをあげてくれた。一緒に、マイタケの天ぷらも注文する。キノコの天ぷらって好きなんだよね。


 次の注文は天丼用に、アナゴと大き目のかき揚げを注文した。


 アナゴはスカーレットが捌いていたが、揚げるのはウルが中心になっている。大き目のかき揚げは、俺の好きな玉ねぎを中心に、ニンジンやホタテの貝柱、小エビを混ぜたものをあげてくれるようだ。野菜を切ったのは、ミーシャたちだ。


 彩りに大葉の天ぷらもついてきた。


 アナゴは一本で揚げてもらっているため、丼に乗せるとはみ出て大変なので、別のお皿に置いてもらっている。かき揚げは、丼にちょうどいい大きさなので、お米の上に乗せタレをかけかき揚げをほぐしながら食べた。


 アナゴは、天つゆをちょっとつけて口へ運び、そこへご飯をかっこむ。


 今日は、違う意味で満足できた。これはお返しが必要かな? 食事が終わり少し休憩をした後、娘たちを連れてお風呂へ入ることにした。お返しになるか分からないが、一緒にいる時間を楽しもう!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ