1781話 キノコ狩り
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ダンジョン農園にしようかと思ったが、キャンプエリアに山を追加して、そこにキノコが自生するように設定した。作ったばかりの山でも、ダンジョンマスターの作成した山だ。初期設定でキノコが生えているので、それを取りに行こうか。
追加でキノコの他に、山菜も取れるように生やしている。秋に取れる山菜だけでなく、季節に関係ない山菜も採れるようにしている。
ウルたちは、山歩き用の服に着替えており、何故かマジックハンドを持って、カチャカチャやった遊んでいる。シンラたちは羨ましそうに、姉たちを見ていた。お前たちにはまだ早い、もうちょっと大きくなってからな。
子どもたちには前情報を与えずに、思うままに色々と採集してほしい。収穫もそうだが、食べる物を自分の力で得る……という経験をしてもらいたいのだ。
日本では、スーパーに並んでいる状態が当たり前だったため、本当の形やどうやって実っているのかを知らない子どもが多いのだ。
よく食べられるもので言えば、バナナがどうやって実っているのか、知らない子どもは多いだろう。店で売られているバナナは、沢山ある房の中から数本に切られて販売されている。本来バナナは、一房に何十本と実っており、その房が十数個連なって実っているのだ。
出荷されるときのバナナの色は緑であり、輸送中に熟れて黄色に変わっていくのだ。そしてバナナは、繋がっている部分を下にして、上に向かって実るものだ。そら豆やオクラと一緒で、空に向かって大きくなる。
都市伝説では、魚は切り身のまま泳いでいる、と思っている子どもも中にはいるらしい。切り身から、どんな魚かを想像できないのは分かるが、さすがに魚の形状くらいは知っているだろうと俺は考えている。
話がそれた。今何が言いたいのかといえば、自分が常識だと思っていても常識でないことは多々ある。子どもたちには、知らないことを知ってほしい、というのが今回のポイントだ。
今ので思い出したが、調理実習のときに「米を研いで」と言って、「研ぐ」の意味が分からず、聞き返しててきた同級生に洗ってほしいと言ったら、洗剤で洗い始めたんだよな。慌てて止めたけど、時すでに遅し……先生に怒られた記憶がある。
普段、キッチンには近付かないか、両親が忙しく外食などが多かったり、親が料理をしていなければ、研ぐの意味が分からないのは理解したが、洗う=洗剤を使う……という思考に辿り着いたのには頭を抱えたな。
食べ物、口に入るものに洗剤って……普通は考えられんよな。無知って本当に怖い。
そもそも、今のお米は精米技術が進歩しているおかげで、昔みたいに米同士を擦り付けて研ぐ必要はなくなっているんだよね。
それはさておき、上の子たちは一定間隔を空けて、斜面を見つめ登っている。キノコがどういうところに生えやすいのかを、知らないため隅から隅まで探しているのだ。落ち葉などを栄養としているキノコは、腐葉土なら大体どこにでも生えるけどな。
一番わかりやすいのは、倒木や切り株で少し朽ちている物の近くかな? 木の子という字からきているとも言われ、木の近くになり栄養を貰って育つものもいる。何でもいいわけではなく、有名なところでは、アカマツの近くに生える松茸だろう。
倒木を栄養として育つので知られているのは、椎茸だろうか? あれは、ナラ類・クヌギなどに、ドリルで穴をあけ駒菌を植菌して、木から椎茸が生えてきている写真などを、見たことがあるだろう。
どこにでも生えるタイプの物は、意識して探そうとすると大変なので、見つけたら取っていく方が俺はいいと思う。そのために、色々カスタマイズしているんだからな!
第一発見者は、以外にもシンラだ。ライラに抱かれ山を歩いていると、急に指を指してあっちというので、行ってみたらキノコが生えていたのだ。良く見えたな。
それに触発され、姉たちが更に真剣に探し始めた。色々見つけ始め、中には毒キノコもあるが、今は指摘せずにそのままだ。後で、鑑定の力も借りて分別すればいいだろう。まずは、楽しんでほしい。
そろそろ、松茸エリアだな。声をかけて、地面から少しだけ頭を出している物もあるから、注意して探すように言う。落ち葉とかの下にも隠れていることがあるから、不自然に膨らんでいたらそこにあるかもしれない。
松茸をはじめに見つけたのは、キリエだった。次点でエレノア、アリス、チェルシーの順だ。全員がシアンスロープだった。嗅いだことの無い匂いがして、出どころを探ったら松茸があったと。
それを聞いた姉たちは、身体強化で重点的に鼻……嗅覚を強化し始めた。
えっ!? 慌ててミリーたちの方を向いた。そうすると、姉たちの母親三人は、こめかみのあたりをポリポリと掻いていた。こんなことまで教えていたんだな。きちんと制御できるように、訓練してるんだよな?
そこは問題ない? 何かあってからじゃ遅いから、注意するんだぞ。
嗅覚を強化したことにより、上の子4人は松茸を見つけることができたようだ。
その後は、気になっていたタラの芽を取ったり、むかごを見つけ自然薯を掘ったりして時間が過ぎていく。
これだけだと、キノコの種類が限られてしまうので、菌床栽培しているキノコも収穫に向かう。これは、ダンジョン農園の一角にある専用の施設で、湿度に温度管理、光源もきっちりと管理されている場所だ。
畑エリアでも、キノコを栽培しているが、主に椎茸が中心である。温度や湿度の管理もしなければならないので、色々試しているが畑エリアでは、上手く育っていない。椎茸以外で唯一成功したのが、マッシュルームだった。
理由は不明だが、菌床を用意して菌を植え付けて放置しておいたら、出来てしまったらしい。他にも何十と試してみたが、何故かマッシュルームだけが上手くいっていた。
ダンジョン農園で収穫するのは、個人的に一番好きなエリンギだ。特に豚肉と一緒に痛めて、豚キムチとかにしたものが好きだ。歯ごたえも良く、味も染み込みうまうまである!
他には、マイタケ、シメジなどを採取した。
子どもたちは、楽しそうだな。ウルたちもそうだが、下の子たちが予想以上に楽しんでいた。シンラは手伝ってもらって取った、エリンギを離さずにずっと持っている。目の前で調理してやらないと、怒るかもな。
今から、さっき取った椎茸と松茸を焼いて食べる! 炭火焼だぞ!
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