1770話 召喚してみた
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「先ほどのパソコンは、本当に神様に送ったのですか?」
「うん。あのチビ神もたまには良いことしてくれるな。お陰で良いものが手に入ったよ。今日家に帰ったら、早速召喚してみよう」
分かりました。と言って、仕事のペースを上げた。だが、それ以上に俺の処理ペースが上がっていた。
バステトはともかく、サンダーキャットとストームキャットは、どんな魔物なのか気になるな。AランクやBランクの魔物ってことは、それなりに大きいのかな?
となると、ライオンとかトラみたいな、猫科の動物みたいなのかね? 可愛いというよりは、カッコいい部類に入る魔物だろうか? 本当に楽しみだな。
予定していた時間より早く仕事が終わり、グリエルたちに確認してもすることがなかったので、大急ぎで家に帰ることにした。
家に帰ると、今日も追いかけっこをしていたようで、シンラが目の前を走り抜けていった。左右にスライムたちが付き添っているのは、転倒したときのための保険だろう。
その後ろをプラムとシオンが走っていたが、キリエとリリーを見つけて近寄ってきた。俺じゃないところは、相変わらずだな。
追ってきていた2人が来ないことを不思議に思ったシンラが、戻ってきて俺たちのいる玄関を覗き込んできた。その視線に気付き手招きをすると、走ってきた。
うむ、シンラは抱き付いてくれるな。抱き上げて、姉たちのもとへ向かおうとすると、走って近付いてくる足音がニつ。スミレとブルムの二人だった。ミーシャは? と思ったら、ウルと話しながら歩いてきた。
ミーシャが走って着てくれなかったことに、少ししょんぼりしていたら、俺に気付くとウルと一緒に走って駆け付けてくれた。うん、可愛いな。プラムとシオンも可愛いけど、俺に冷たいからどうして良いか困るのだ。
「とーたん、何か良いことでもあったの?」
遅れてきたミーシャが、俺がいつもと違う様子をかんじたのか、質問してきた。
「ふっふっふ、聞いて驚くのだ! 今日、猫系の魔物が新しく3匹も召喚できるようになったのだ!」
子どもたちは、基本的に動物なら何でも好きだ。スライムたちはともかく、他の従魔たちは分け隔てなく可愛がっている。
そんな子どもたちは、新しく召喚できるように魔物がいると知って、凄い喜びようだった。
ペット枠として召喚することになるので、ブラウニーたちや妻たちにも確認して召喚しないとな。両方とも、問題ないと許可してくれた。うちって、食費凄いことになってるだろうな……ダンジョン農園で賄っている部分を、市場で買ったら大変なことになりそうだ。
……そんなことだから、商会からの収入がまるまる残ってしまうのではないだろうか?
美味しいものが食べれるんだから、文句はないけどな。
子どもたちの部屋で召喚しようと移動していたら、猫たちの襲撃をうけた。子どもたちは無傷だったが、俺だけが被害を受けていた。
「とーたん、この子たち、浮気するな! みたいなことを言ってるよ。浮気ってなに?」
ミーシャが猫たちの考えが分かるのは今さらだが、この猫たちが答えにくいことを……この答えは無視しよう。
「これは浮気じゃないぞ! お前たちだって可愛いし、これから召喚する子たちだって可愛い。可愛いに貴賤はないのだ! みんな可愛くて何が悪い?」
娘たちも「可愛いは正義!」と言っているので、誤魔化せたと思う。
猫たちは落ち着いたようだが、ついてきて様子を見るそうだ。
子どもたちの部屋に着いたので、早速召喚をしてみることに……
「ん~、バステトってどんな猫の姿にもなるとか言ってたけど、召喚画面では全くいじれないのだが……どうするか?」
てっきり召喚するときに、姿を選べるのかと思ったけど、どうやらそうではないらしい。ランダムで姿が決まるのかな?
まぁ、気にするだけ無駄か。
召喚してみよう。
バステト、召喚!
おや? 何やら不定形の姿で召喚されたな。スライムたちが荒ぶって、うにょうにょしているときの姿ににている気がする。
しばらく様子を見ていると、不定形の何かから生まれてきたのは、少し大きいスコティッシュフォールドが出てきた。
……? ニ回りくらい大きい以外は、特に魔物ではなく見た目はスコティッシュフォールドなのだが、どう言うことだ?
早速娘たちに捕まりもふられているが、その最中にマンチカンへ変身した。
姿を選べるって、こういうことか。体のサイズが若干不自然だけど、そのまま大きくしただけだな。
バステトが娘たちにモフられている間に、サンダーキャットとストームキャットも召喚してしまおう。
まずは、サンダーキャット! ポチッとな。
そこに現れたのは、見た目は雑種の白黒猫なのだが、体の大きさはライオンくらいのサイズだった。見た目が普通の猫なので、違和感だらけだ。
でも、ふっくらしてて可愛い。上の子たちでも、背中にのせて走れそうだな。
そんなことを考えていたら、サンダーキャットがスライムたちに囲まれて、何やら話し合いを行っているように見える。
次はストームキャットだな。ポチッとな。
次に現れたのは、カバくらいのサイズで真っ白な若干長毛種だ。だけど、四頭身くらいの漫画のようなデフォルメされた、太っちょな猫だった。
お前さんはその見た目で、本当にBランクの魔物なのか?
これに反応したのは、以外にもシンラだった。香箱座りをしていたストームキャットに突っ込み、全身でモフモフを感じているようだ。あまりにも深く埋まっているので、姿が確認できず心配だが……
そんなことを考えていたら、シンラがうつ伏せの状態で顔を出したが、かなりしまりのない顔になっている。うむ、気持ち良さそうだ。プラムとシオンも突入して、同じ体勢になりシンラに抱き付いて満足そうだ。
三匹とも、強そうには見えないが、ステータスを見る限りは、ランクにふさわしい力を持っていると思う。
とりあえずは、一匹ずつでいいかな?
何やらにゃ~にゃ~聞こえてきたので振り替えると、バステトが古株の普通の猫たちに何やら言われている。
お前ら、その猫って、Sランクにふさわしい強さの猫だぞ。束になっても勝てないのに、怖いもの知らずだな。
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