1768話 チビ神、仕事の邪魔をする
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昨日の夕食は、昼の海鮮バーベキューで余った魚介類を使った、シーフードカレーだった。
イカや貝類などは一緒に煮込まれたが、カニや伊勢エビなど一部のものは煮込んでも美味しくないので、フライにされてトッピングとなった。
それだけで処理できる量ではなかったので、ピザのトッピングにもまわされていた。他には、ボイルされてサラダと一緒に和えたものもあったな。
大変美味でござったなり。
今日は、2日前のように庁舎に誰もいないということは無く、既に半数ほどの職員が集まっているようだ。
俺の仕事は思ったより多くないんだよな。何ていうか、一昨日までの報告の中で本当に重要なもの以外は、グリエルたちが処理してくれていたようだ。2日前に来た時にちょっと少ないなと思っていたが、本当に少なかったんだな。
日によって俺の仕事の量が変わるため、判断に困る量だった。
昨日までに溜まっていた仕事は、午前中に片付けることができた。今は、妻たちが仕分けをしてくれている書類を読んでいる。
『はぁ、そろそろ何かしてくれない? 暇すぎてたまらないんだけど』
さらっと入ってくんな。
『しょうがないじゃない、暇すぎて死にそうなのよ! 暇は私たちの天敵なのよ! だから、何か面白いことしてくんない?』
仕事の邪魔すんなよ……面倒だな。暇だって言うなら、ダンジョンバトルでも見ておけよ。あれなら今でも何百試合もやってるだろ? それでも見て楽しんでおけよ。
『確かに何百試合もやってるけど、あんた以外のダンジョンマスターのバトルって遅いのよ! 色々何もかもが遅いの! あんたがあんなダンジョンバトルを見せたのが原因なんだからね! あのせいで、普通のダンジョンバトルがいつも以上に面白みに欠ける結果になったのよ!』
しらんがな。お前の要望通りにダンジョンバトルをして、ダンジョンも攻略しているのに俺の所為にすん無し! もし速い展開がお望みなら、そうなるようにダンジョンバトルのルールを変えたりすればいいんじゃね?
『ルールを変える? 例えばどんなことよ』
ん~、早くバトルを終わらせないといけないルールにするとかかな。そうだな……例えば、何日以内にダンジョンバトルが終わらないと、長引いた日にち分だけ召喚能力が封印される……とか?
『早く終わらせるための理由ね……でも、ダンジョンマスターから召喚能力を取ったら、ただのポンコツじゃない?』
そのセリフ、俺を見ていえるんだったら、お前凄いと思うぞ。まぁ、召喚能力を封印されるのが困るからって、わざと負ける奴が出てくるかもしれないし、それの対処をしておかないともっとつまらなくなりそうだけどな。
『確かに、あんたを見てポンコツって言える神が何人いるかしらね。封印されたくないがために、わざと負けるダンマスが出るかもしれないのは、注意しなきゃいけないことよね。その辺の調整は難しいわね……他には案はないの?』
なんで俺にたかってくるんだよ。暇な神たちがいるんだから、みんなで知恵を出し合えば面白いダンジョンバトルが見れるかもしれないだろ? 適当に条件付けして、神たちに考えさせればいいじゃんか。俺にばかり意見を聞くなよ。
『だってしょうがないじゃん、あんたって私たちでも考えないのような抜け道を考えるし、とことん楽しませてくれるから、期待値が高いのよ!』
だから、知らんがな! お前らがどれだけダンジョンバトルのシステムをいじれるか知らんけど、ダンジョンバトルをゲームみたいにしてみたらいいんじゃないか?
現状、ダンジョンバトルにペナルティーなんてないよな? それなら、ゲーム感覚で参戦っ出来るようにして、簡単に試合が終わるなら参加者も増えるんじゃねえの?
『ゲーム感覚ってどういうことよ! 全然意味が分からないんですけど! ダンジョンバトル自体、私たちから見たらゲームみたいなものなんですけど、更にゲーム感覚って意味わからないんですけど~』
そんなの自分で考えろよ。チビ神、お前は自分でゲームするのと、誰かがゲームしているのを見るのどっちが好きだ?
『チビ神っていうな! ってかあんた、何言ってんの? ゲームはしてこそ面白いに決まってるじゃない!』
じゃぁ、同じ条件で神とダンジョンマスターが対決しても面白いんじゃねえか? 見てるより、やる方が好きなんだろ? 神同士でやればいいじゃん。
もし見ることしかできないなら、俺がお前に送ってるゲームの中で……そうだな、PCゲームのエイ〇・オブ・エン〇イアシリーズの二作目とかをやってみろ。よくある、資源を回収して兵士や兵器を作って戦うゲームだ。それの資源をDPに置き換えたりしてもいいんじゃねえか?
あれなら、施設で作れる兵士が決まっているから、それを魔物に変えて決まった種類の魔物同士で、戦い合うのもいいんじゃねえか? それにダンジョンバトルの要素を入れたりすればいいだろ。
もっといえば、いくつかパターンを用意して、一つひとつに強い魔物と弱い魔物を混ぜて、自分なりの戦略を建てるのもいいんじゃねえの? 魔物に相性を持たせて、有利に戦える状況を作り出すのも悪くないんじゃないか?
ダンジョンバトル内でDPを上手く稼げて、戦略を建てるのが上手い奴が上位に挙がってくるから、今まで埋もれていたダンジョンマスターが出てくるかもしれないぞ。この条件なら、俺が本気を出しても勝てるか分からんしな。楽しいんじゃないか?
もし既存のダンジョンバトルと一緒にできないなら、創造神にでも頼んで今言った仕様で戦えるダンジョンバトルのシステムを作ってもらえばいいだろ。システムのメンテナンスや、調整は自分たちでやるとか言ってさ。
『っ! あんた、本当に天才ね! 今までのダンジョンバトルだと、何かと制限が多くて今言ったシステムを構築できないけど、新しくダンジョンバトルと同じようなシステムを作れば……悪くないわね!
そのシステム内限定で制限された状態で戦うなら、ダンジョンマスターとしての能力は関係ないもんね。あんたみたいな規格外がいたら、バトルする気もなくなるけど、全員同じ条件で開始して潰し合うってことよね……あんた、最高よ!
そして、埋もれていたダンジョンマスターを引き上げることができれば、ダンジョンマスターを召喚した神たちに一目置かれるわね……グフフフフ、悪くないわ!
ちょっと行ってくるから、話しかけないでよね!』
話しかけてきたのは、お前だろうに……何で俺から話しかけたみたいになってるのやら。
正直、ダンジョンバトルって、メグちゃんとシリウス君がいれば負ける要素がないんだよな。しかも、相性のいいダゴンの召喚も出来るようになったから、水没させるだけで守りは完璧だからな。面白くないんだよな。
それに比べてあの手のゲームは、資源の回収だけじゃなく、兵士の生産に施設のランクアップ、研究などのタイミング、その他諸々で決まるからな。あのゲームが強い人って、戦略ゲーム系が強いイメージなんだよな。
埋もれたダンジョンマスターが出てきそうだ。参加する部屋さえ作れれば、自分のDPを使わなくてもダンジョンバトルに参加できるから、序盤のDP稼ぎには向いてるかもな。負けても多少のDPはもらえるわけだしな。
普通のダンジョンバトルは、消費したDPを回収できないことの方が多いから、ちょうどいいだろう。
さて、仕事の続きでもするか。不自然に俺の手が止まっていたことに気付いた妻に心配される前にな。
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