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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1759/2519

1759話 お前ら好きだな

アクセスありがとうございます。

 ワイン作りが終わり、家に帰ってきた。


 娘たちはワイン作りの余韻で興奮している感じだな。貴重な体験をできてよかったと思うが、シンラよ、お前は大きくなったら参加させれないからな! 姉たちと一緒に、またやりたいね! とか雰囲気に混ざってるけど、男が踏むのは許さんぞ!


 というか、わざわざ踏む必要もないんだけどな。きちんと道具を準備すれば、踏む必要もなくワインを作ることができるんだけどな。


 そこら辺をドワーフの爺様方に教えてやるか。どんな機械を作ればいいかわからんだ、こっちには本を召喚することができるし、本体を召喚して分解してもいいからな。


 踏む製法は、それはそれで伝統として残しておいてもいいけど、大量に生産するのであれば機械化は必須だよな。圧搾に関しては、水車を利用できるように改造すると爺さんたちが息巻いていたから、次つかう時には完成しているだろう。


 水車による動力はドワーフたちも理解しており、かなりの応用をできるようになっている。


 最近では数打ちの鍛造を作るために、機械的な鍛造を行えるようになっている。スキルがある世界で、数打ちはスキルLvの低い人たちが時間をかけて作っていることが多い。スキル鍛錬のために数をこなす感じだ。


 ただ、機械的な鍛造でもスキルを鍛えることがある一定ラインまでできることが分かり、ディストピアでは最近、機械的鍛造でスキル経験値と知識を学び、次へのステップとしている。


 安定して水の流れを確保できているディストピアならではだろう。


 変なことを考えてたら、娘たちが俺に「ね~、話聞いてるの?」と、怒られてしまった。


 3人で同じことを繰り返し言うものだから、意識が変な方向に飛んでたよ。すまんすまん、抱っこするから許してくれ。


 こんなことじゃ許してあげないんだからね! とは言っているが、満面な笑みを浮かべている娘たちを見てほっこりする。これはツンデレなのかね?


 娘たちだからか、何をしても可愛いな……


 そんなことを考えてたら、また怒られてしまった。


 そんなやり取りを繰り返していると、娘たちの部屋にカエデとリンドが入ってきた。


 そうすると、ミーシャ以外が母親の元へ走って行ってしまった。俺の胡坐に残っているミーシャは、独占できているのが嬉しいのか満面の笑みだ。


 スミレとブルムを抱いた母親2人がこっちに歩いてきた。何かあるのかと思い、プラムたちまで寄ってきた。


 簡単に言えば、明日の予定についてだ。することがなかったからよかったんだけど、よりにもよって次もお酒の製造についてかいな……


 ワインの次は、日本酒だってさ。麹菌はシルキーたちが用意してくれているから、明日は仕込む過程だけを体験できるよ! だってさ。前に体験した覚えがあるけど、またやるのか? と口にしようとする前に、娘たちが、行く! と、反応したので、行くことが決まった。


 次の日、テンションの高い娘たちに手を引かれて、大きな酒蔵へ到着した。どう見ても100年単位で時間が経っているような、古い酒蔵だ。


 何でこんなものがあるかと言えば、ノーマンが関与しているようだ。DPで酒蔵を準備したらしい。酒蔵も大切らしいという情報を仕入れたらしく、わざわざ準備したんだってさ。


 そして、ここで働く人たちを紹介されてた……昨日の今日で働く人が決まっているのって、おかしくね?


 娘たちの勉強も兼ねているのだが、子どもたちに教える内容なのだろうか?


「さて問題です! 日本酒の原料は何でしょうか?」


 これはカエデから子どもたちへの問題だ。ウルを含めた4人は、うんうんと悩んでいる。プラムとシオンも、姉たちの真似をして首をひねっている。シンラだけは、涎をたらしそうな顔で寝ていた。


「昨日は、ブドウでワインを作ったよね? 他の果物でもお酒を作ったけど、今日の日本酒は果物ではありません! みんながよく食べている物だよ。何かわかるかな?」


 4人は色々な答えを出すが正解にならず。


「そろそろ答えを教えるね。正解はこれです!」


 そう言って取り出したのが、精米されたお米と水だ。


「ご飯を炊くの?」


「正解。ウルはご飯を炊いたことあるから知ってたんだね。これは、みんながいつも食べているご飯だよ。これが日本酒の原料になるんだよ」


「美味しいごはんが材料になるの?」


「そうよ、美味しい日本酒にするのは美味しいごはんが必要なの! でも、どうやってお酒になるか分からないよね? それを教えてあげるから、あっちに行こうか」


「お母さん、むしっとするよ。この部屋、嫌い!」


 スミレがカエデに文句を言っている。


「スミレごめんね。でも、この部屋はお酒を作るうえで一番大切な部屋なんだよ」


 そう言って、麹菌を増やす部屋の説明をした。娘たちは麹菌はカビの一種だと知って飛び退くが、悪いカビじゃないので嫌っちゃだめだよ、と説明している。醤油やお味噌にも使われているんだよ! と話すと、すごいんだね! と。


 次に向かったのは、お酒を仕込む蔵だ。


 蒸されたお米を見て、美味しそう! と声を出す娘たちにほっこりした。ちょっと取って食べさせてもらったが、


「いつもより、ちょっと硬いね。でも、美味しい!」


 と、3人とも頬に手を当てて美味しさを表現している。ウルは、ちょっと甘い? と首をひねっていた。


「この蒸したお米を、水と麹菌を混ぜた液が入っているタンクに入れて混ぜるんだよ」


「お米をまた水に入れるの? 御粥?」


 言われてみれば、おかゆのつくり方には2種類あるな。精米から炊く方法と、炊いたお米を更に水で煮る方法が……子どもの発想って面白いな。


「御粥とは違うけど、このなかでお米がお酒の素に変わっていくんだよ。その過程を発酵って呼んで、時間が経つともろみっていうものになるのね。それを搾ってキレイにしたら、日本酒になるんだよ」


 他にもいろんな過程はあるが、省いて説明していた。子どもたちは興味を失っていた。そこに、カエデは一石を投じる。


「みんなには日本酒に興味はないけど、みんなが好きないつも使われているお酢は、日本酒から作られている米酢だよ」


 そう言うと興味が戻ってきたのか、どういうことかカエデに詰め寄っていた。食い気の強い子どもたちだな。


 お酢とは、酒から作る……酒の「酉」と作るの「乍」を合わせて作られた漢字とも言われている。


 日本語を理解できる子どもたちだから説明できる方法だけどね。


 最終的に、日本酒からお酢へ興味をそらしたカエデが話術勝ちをした気がするな。


 今日は絞る、圧搾する過程まではできないので、麹造りと混ぜ合わせる過程だけを体験した。


 明日は何をするのだろうか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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