表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1750/2519

1750話 新しい試みを検討

アクセスありがとうございます。

 次の日、ガリアは奥さんに連行されてクルーザー旅行へ出ている。綾乃とバザールによって魔改造が施されたクルーザーは、正直俺の執務室より設備が整っていると言っても過言ではない。


 湖に作った別荘には、ディストピアの庁舎と同じレベルで仕事ができる部屋があるが、調子に乗って改造されたあのクルーザーは、それ以上のポテンシャルがある。


 俺の支配下にある場所で、クルーザー以上となると……スプリガンの皆さんが詰めている監視室とそれに付随した複合施設しかないだろう。


 あそこでなら、正真正銘すべてのデータベースにアクセスできる。庁舎や別荘では、少なからずアクセスできない場所があるのだが、あそこには制限が一切ない。なので信頼できるモノしか入ることができない。そのクルーザーは、監視室以外のすべてにアクセスできるようになってるんだってさ。


 ゼニスの管理してくれている商会は、系統が別なので綾乃とバザールにアクセス権はない。商会には監視室からもアクセスはできないようになっている。商会に関しては、俺とゼニスだけがマスターへのアクセス権を持っている。


 俺ならどこにいても専用のパソコンを使えば、すべての情報にアクセスできるんだよね。それは言わない約束である!


 庁舎へやってくると、一昨日までのガリアに代わりグリエルがすでに仕事を始めていた。そんなに早くから始めると、部下たちが困るだろ! やめてやれよ二大巨頭よ。


「仕方がないじゃないですか。昨日、ガリアから申し送りを受け引継ぎをしたと言っても、一週間ここへ来てなかったんですよ。自分で確認したいこともあるのですから、見逃してくださいよ。少なくとも、ガリアが戻ってくるまでは」


「それだとさ、二人のうちどちらかが何かの理由で一時的にでも抜けたら、残った方がそうなるってことだろ? それはよろしくないな。お前たちはただでさえ働きすぎなんだからさ、もう少しどうにかならないのか?」


「仕事を振ってくるのは、シュウ様だと思いますが」


「うぐっ、確かにそうだけどさ……何とかして今の仕事量を減らせないかな? 俺がしなきゃいけない仕事の二重チェックは外せないだろうけど、他に部下に割り振れる仕事とかないのか?」


「そうですね……できる限り部下たちに割り振るようにしていますが、部下たちでも判断し難いものって結構あったりするんですよね」


 これでも大分減らしたのだ、と苦笑して俺に話してくれた。


 二人とも話しながらなのに、しっかりとすべき仕事をこなしながらなので、手を止めているわけではない。優先順位を間違えないあたり、さすがである。


 仕事を細分化しているが、処理しなければならない情報量が多すぎるのだ。十もの都市のことをここで管理しているのだから、仕方がない。


 情報交換をしながら今日の分の仕事を進めていく。


 昼食が終われば、建設現場に向かうとのことなので、その前に時間を取ってもらった。


「グリエルたちが忙しいのって、根本的な部分は仕事量が多いってことになるのかな?」


「そうですね。ディストピアの庁舎は、他の街の三倍は人員がいますが、それでも少なく感じますね。他より多い二倍の人員部分で、この街を含めたすべての街の情報を管理していますからね」


 やはり、処理するべき仕事量に対して、人員不足なようだ。各街の庁舎では、日々の仕事をして報告書を書けば終了することが多いんだってな。それに、領主が決裁を行っていることにチェックが入るのは、国の監査のときくらいなので見直すこともほどんどないんだとさ。


 それに対して俺の管理下にある街は、領主(代行だけど)が決裁したことでも報告書としてあがってくるのだ。単純に確認しないといけない情報が多すぎるのだ。


 そうならば、どうするべきか。領主が決裁したものの中には、グリエルたちが確認しなくてもいい内容も多いが、判断できる立場にないのでグリエルたちが確認しているものがあるのだ。それを任せられる人材がいれば……


「なあ、各街の領主の仕事量ってどんなもんだ? グリエルたちみたいに、寝る暇も惜しんで働くくらい忙しかったりするのか?」


「領主代行に関しては、そこまで仕事量は多くないはずです。その代わり、責任のある立場なので一つひとつの仕事が重いと言うべきでしょうか」


「だったらさ、2人ほど領主から送られてくる報告書の処理係を作れないかな? ある程度の権限を持つことになるけど、領主からの報告書を処理するだけの立場の人を置けないかな?」


「それは、前に教えていただいたエリアマネージャーみたいな立場ですか?」


「違うね。エリアマネージャーみたいな仕事をしているのは、グリエルや部下たちだろ? そうじゃなくて、本当に領主から送られてくる報告書をメインに処理する立場の人を置くってこと。どうでもいい報告書を、グリエルたちも読んでるだろ? その無駄な時間を削るための役職かな」


「ん~、無駄な時間を削るための役職ですか。判断に難しいものもありますよ」


「どういったら伝わるかな。どうでもいい報告書でも、グリエルたちの部下では判断してはいけない仕事ってあるだろ。だから限定的に権限を与えて、その部分だけを処理する専門の人がいれば、全体的に仕事が楽になるんじゃない?」


「結局、今と同じようになるのでは?」


「言葉で言っても、伝えるのは難しそうだな。じゃあさ、妻たち何人かに手伝ってもらって、その立場を一週間程試してみるっていうのはどうだ?」


「部下たちの仕事量が増えたりしませんか?」


「減ることはあっても増えることは無いよ。妻たちにやってもらうのは、各街から上がってくる報告書の中で領主に関わるものだけ。その中で改めて読む必要のない報告書を、そこで分別してもらうだけだからさ」


「部下たちが改めて確認するなら、意味のない手間ではないですか?」


「多分、今の状況だと説明しても無理かもな。伝えるのが上手くないしさ。明日からガリアの戻ってくるまで実験してみて実感してもらえば、有用性があるかないか分かると思うしね。提案してみたけど、実際に想像しているようにできるか不明だからね」


「部下たちの仕事量が増えないようですので、実験してみましょうか」


「っと、その前に確認なんだけど、俺の妻たちが各街の報告書を読むことに問題は無いのか?」


「どういうことですか?」


「だってさ、秘密にしなきゃいけない情報とかないの?」


「無いですよ。シュウ様の管理下にあるのですから、シュウ様が情報を隠さない限り、奥様方に知られて困るものなんてありません。それに、奥様方には判断する立場にないので決裁権がないだけで、私たちと同等のアクセス権を持っていますよ」


 知らなかったよ! グリエルたちと同等ってことは、現状すべての情報にアクセスできるってことだよな。判断できないだけで、全部知ることはできるのか。


 追加で聞いた話によると、領主の正室は多くの場合、高い立場で街の仕事に携わるらしい。場合によっては、領主の次に偉いのだとか。複数いても、俺が差をつけていないから、全員に同じ権限を与えているのだとか。


 庁舎の人間だけでなく、各街の領主館で働いている人間たちからも賛成の意見が出ているので、すべての情報にアクセスできるようだ。


 俺に何かあったときは、妻たちの誰かに俺が復活するまでの間、代理をしてもらう必要があるので権限を持ってもらっているのだとさ。


 年齢順に考えると、リンドとカエデは絶対に代わりはしないだろう。ミリーにギルドの代表をしているから掛け持ちしないだろう。そうなると、ピーチか? でもプラムがいるしな。年長組の誰かかな?


 っと、明日手伝ってもらうのを誰にしようか考えないと!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ