1745話 グリエルの代わり?
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グリエルは、回復が終わり気絶してから4時間ほどで目を覚ましたようだ。
やはり体がだるく、まともに動くのも大変だという話だった。さすがにこの状態で家に帰すのは奥さんに悪いので、ディストピアの治療院へ運ぶ。
治療院と言っているが、もう病院だね。回復魔法とポーションなどですぐに回復してしまうが、入院施設も備えており夜も誰かが待機している。完全個室になっているので、奥さんが泊まっても問題ないので、ちょうどいいかな。
奥さんへ連絡して、1週間くらい生活できる荷物を準備するように連絡を入れた。
始めはそんなに具合が悪いのかと驚いていたが、治ったらすぐにグリエルを連れてコテージに行ってほしいので、その旨を伝えると苦笑して了解してくれた。食事も準備してあるので、1週間ゆっくりとくつろげるぞ!
お邪魔するのはここらへんで、家に戻るかな。
娘たちが玄関で待っており、中へ入ると……ペタペタと体を触ってきた。何事かと思ったら、ミリーから
「シュウ君のことが心配だったのよ。急に飛び出して行って、こっちは大変だったんだからね……それを感じたこの子たちも心配をしているのよ。ケガはしていないのよね?」
「あれを見てたんだろ? それなら分かると思うけど、強化外骨格で身を守ってたから怪我なんてしてないよ。近くにシリウス君にダゴンも3匹呼んでたから、身の危険は無かったよ」
妻たちは怪我については全く心配してなかったが……生身で飛び出していったことを心配していたのだ。娘たちの確認が終わった後、めっちゃ怒られたわ。
言いたいことは分かるよ。分かるけどさ、グリエルの腕が切られたんだぜ。何も悪いことをしていないのに、無茶苦茶な考えを押し付けられたんだからな! 俺だってさすがにキレるわ!
説教を受けた後に、あいつらとの会話を妻たちに説明した。さすがに妻たちも厭きれ顔だ。
俺は、グリエルの休みのことやその後のガリアのことも話して、明日からの予定を伝え協力を仰いだ。
明日からは、俺がグリエルの代わりに働くのだが、ガリアの仕事を増やす形になってしまったら意味がないので、きちんと仕事を分担しないとな。
俺にくっついて離れない娘たちを抱きかかえて、お風呂へ向かう。多少動いたから汗をかいてしまったんだよね。そんな服で娘たちを抱くのは遠慮したかったのだが、3人が離れなかったから仕方がなくね。
おい、従魔たちよ。お前らはついてくんな! 洗うとなると大変だろうが!
俺の願いは通じず、メインの従魔たちはほとんどお風呂に入ってきた。気が遠くなる思いがした。
3時間かけシロ、クロにギン、コウにソウ、ニコをはじめとするスライムたち、ミリーの従魔もいたな。ミーシャたちのケットシーも来てたな。特にクロとギンなどのウルフたちは体がでかいから、めっちゃ時間がかかるんだよな。
あ~疲れた。初めに体を洗いたかったのに、こいつらの所為で最後になっちまったな。どうせこいつらを洗えば汗をかくから、仕方がなかったんだけどな。
明日は忙しいから、早く寝ないとな。
次の日、いつもより早めに起きて朝食を食べ、庁舎へ向かう。
庁舎に着くと既にガリアが来ており、俺の事を待っていた。
迷惑かけてすまんな。とりあえず、俺ができる仕事は受け持つから、ガリアは優先順位が高い順に片付けてくれ。
俺が処理するのは基本的に、各街から送られてくる報告書を読む形だ。
俺は知らなかったのだがこの報告書、グリエルとガリアが処理している者だと思ったのだが、この2人が処理する前に部下の人たちが2人に見せる報告書を分別していたのだ。
グリエルたちに上がってくる報告書でもかなりの量なのだが、部下の人たちが処理していた報告書は、さらに多かった。グリエルたちにもどうでもいい報告書が多かったのに、分別される前の報告書はどれだけくだらない内容があるのだろうか。
どういった報告書がはぶかれているのか聞いてみたら、はぶく多くの報告書は商人たちからの訴えらしい。資金提供、投資などの勧めや、援助の申し出など金に関わるものを全てはぶいているらしい。
俺たちは領主代行と言っているが、街では代行が本当の領主だと思われており、その代行への訴えとして各街で提出されたものが、こちらにまわってくるらしい。
普通の街であれば商人たちとの繋がりは、物流のために必須である。俺の管理している街は、それが必要ないんだよね。全部、カザマ商会……ゼニスが請け負ってくれているからな。流通の要である魔導列車は俺が作ってるんだけどね。
物資を管理するのは、俺には無理だからゼニスに任せているのだ。
何度も同じ商人や商会から訴えがあるらしい。本人たちは陳情と言っているが、実質自分たちの利益を確保したいだけの業突張りなので、ガリアたちに報告書が上がってくることはない。
中には上がってくる本当の陳情もあるので、部下の人たちがしっかりと報告書を確認するのだとか。
前に読んだ報告書の中に、小さいけど周囲の住人のために商売をしている商人が、大手の商会に嫌がらせを受けている、みたいなものがあったな。嫌がらせが事実であり確認されたため、大手の商会は街を追いだされたっけな。
うっし、仕事をしよう。
まずは、報告書の題名で分類してしまおう。っと、至急処理が望まれている報告書にはマークがついているので、それを読まないといけないな。
マジか!
街の外壁が劣化しているって、どんな具合なんだ? 細かい報告書は……これか。どうやら、穴が開いたりしているわけでは無いな。作ってから時間経っているせいか、積んだ岩が一部崩れているらしい。
報告書が上がってくるってことは、各街で雇っている土魔法使いでは対処ができないのか?
こんなことに土木組を使うわけにもいかないし、ゴーストタウンで手の空いている雇っている奴がいたっけな? 手が空いている街から、手伝いに行くように指示を出す。
暫く処理していると、
「シュウ様、少しよろしいですか? 急ぎの仕事は終わったので、建設中の街へ行ってきてもよろしいですか?」
建設中……あぁ! あの街はグリエル主導だったな。それを引き継いでガリアが行くのか。ここにガリアもいなくなるのは心配だが、優秀な部下たちがいるから大丈夫だと思うぞ……
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