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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1730/2519

1730話 仕事が早い

アクセスありがとうございます。

 俺は自分の言葉にポカーンとしてしまった。


 あまりにも意味が分からない状況だったのだ。


 うん、疲れているから帰ったら考えよう。今はしなきゃいけない事もあるし、そちらを優先する。


「キリエ、これでダンジョン攻略は終わったけど、次にしなきゃいけない事があるから、さっさと地上に戻るぞ。すべてをまとめて、地上へ帰還する」


 俺はいつも通り、コアルームから地上への道を作成する。歩きだと面倒なので、魔導エレベーターを設置した。ダンジョンの中心を貫くように設置したので、今まで部屋だった場所も全部潰してしまった。


 後にこの魔導エレベーターが、この街をささえる産業の主軸になるとは、誰も思っていなかっただろう。


 妻たちにガスの探知機を持たせて、周囲のガス濃度を調べてもらう。一部高い所はあったが、おおむね下がっているのを確認できた。


 火山ガスについては良く分からんが、溜まりやすい場所もあるのだろう。だけど、これ以上出てこないなら、いずれ濃度は下がるはずだ。それにダンジョンの入口付近は山の中腹にあるからなのか、ガスの濃度はもう下がっている。


 早速グリエルに連絡をすると、5分もしないうちに俺の目の前に現れた。誰だお前!


 と、心の中で思ったが、俺たちが潜っている間にドッペルをここに派遣しておいたらしい。魔導無線でリアルタイム会議はできるが、やはり直接話したほうがいいこともあるということで、ドッペルを何体か譲っていたのを思い出した。


 街の構想はすでにできているようなので、街の候補地を見ながら話し合いたいとの事だった。


 構想の大まかなガイドラインはこうだ。


 ダンジョンから生み出される資源を産業の中心にする予定なので、街の中心に領主館兼庁舎を建てて、冒険者ギルドを1階に設置するのだとか。


 1階と2階を冒険者ギルドのスペースとするが、独立させるそうだ。イメージ的に言うと、冒険者ギルドの上に領主館や庁舎を乗せるみたいな? なのでディストピアとは違い、ギルドに入る入口と庁舎に入る入口が別になっている。


 一緒にしておくと、絶対に絡むアホ冒険者が出てくるのは分かっているので、正面を冒険者ギルド、裏側を領主館兼庁舎の入口とするみたいだ。どっちが表か裏かなんてないんだけど、冒険者ギルドを表と言っているのは、そっちの方が冒険者の気分がいいかな? 位の考えだ。


 ここのダンジョンには戦闘鉱員も来る予定なので、冒険者ギルドには冒険者用と鉱員用の2種類の窓口を作るのだとか。ここのどちらかで許可をもらい、入口で許可証を提示してダンジョンの中へ入る。


 あっ、戻ってくる時に面倒だったので、魔導エレベーターを作った事を話した。何かに使えるかもしれないので、そのままにしておいてほしいと言われた。でもさ、俺たち以外に使わせるつもりはないぞ?


 水はどうするのか聞いてなかったので確認する。ここら辺の水は火山の所為で飲み水にはあまり適していないんだよね。何年か何十年かすれば、その影響も小さくなるかもしれないけどさ。


 水は、ディストピアみたいにしたいらしい。魔導具を使って大量に生み出すみたいな?


 水の原点は領主館の上からにして、そこから町中に流れるようにしたいのだとか。上水と下水を分けて、街の上に上水道を走らせたいのだとか。


 大きな道路の中心に上水道を作り、その橋の左右を馬車が走る。左右に道があるので、一方通行にすれば馬車の衝突事故などの問題は大丈夫だろう。それに、街の中心まで商人の馬車を走らせるつもりはないんだってさ。


 街の中心は、街が運営している馬車の利用以外認めないようにして、人の集まる中心部での事故を減らす予定なのだとか。


 この街は中心に商業地区のような物を設置するようだ。そうすると、取引とかで商人たちが馬車を使えないと暴動を起こしそうだが……


 それに対しては、そもそも商人たちを対象とする物は商業地区に無いそうだ。街の人間が使うための物が中心に売られるんだってさ。冒険者が使う道具や装備、料理用の道具だったり、日用生活品などが中心となる。


 食料に関しては、行商人が個別に持ち込む物は別として、街として取引した物は一度集められ、そこから各商店に卸売りするのだとか。


 この街では食糧生産は無理なので、全部輸入するしかない。ダンジョンの中に肉類を落とす魔物はいたが、肉だけじゃ足りないし生きていけないからな。


 で、ここで消費する食料は、森に作った街というか村で生産する予定なのだとか。ディストピアの畑エリア程では無いが、魔物のいる森は植物の成長が早いんだよな。その特性を利用して食料生産をするのだとか。


 この森にある街や村で生産と消費が、釣り合うように計画しているみたいだ。


 すでに村の方は整備を始めて、どの位生産が可能か調べ始めている。冒険者たちに農作業もお願いしているんだってさ。戦闘力に自信が無かったり、索敵が苦手な冒険者に協力してもらっているのだとか。


 知らない所で色々と話が進んでいるんだな。


 それにしても今回の街は面白いな。同心円状に決まった物が集まっているな。


 もちろん中心は冒険者ギルド兼領主館兼庁舎だ。


 その周囲を広い道路が設置されている。ここは、露店や屋台エリアになるようだ。外側は、商会の事務所や街の特産品を扱う部署が設置される予定だ。ここにも俺の商会は設置されるが、取引の中心はやはり街が主導するんだってさ。


 次に、兵士たちの寮や訓練所、本部が設置される。ドーナツ状になっているので、かなりの広さがある。寮はタダだが何かあった時には、有無を言わさず駆り出されるのが条件だ。


 次に住宅エリアとでも呼べばいいのだろうか? 人が住んだり、食事処だったり、宿などもこのエリアにある。言わずもがな、ここが一番広い。街の中心に近ければ近いほど、土地や家賃が高くなるそうだ。


 最後が特殊で、北側に鍛冶エリア、それ以外の南東西には倉庫エリア、その間に兵士たちの詰所をつくるようだ。夜にこのエリアにいると、問答無用で捕まるらしい。倉庫に泊まり込みの人間もいるだろうが、夜は外出禁止にするんだってさ、警備の問題で。


 商談は事務所で行って、昼間に商品の確認をしろ! というのがこの街の方針となるようだ。


 街のことは任せるから、必要に応じて指示を出してくれ。俺はそれより、この街の要となる村の方が気になってしょうがないのだ!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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