1720話 ナンカツカレタ
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本当の意味で力業の突破になった今回の中ボス戦、前から可能だとは思っていたが、倒す方が楽だったので壁を壊しての突破は初めてだった。
そもそもマグマゴーレムは、見えていたモノが本体だったのかも分からない。それもこのダンジョンを攻略して掌握してしまえば、その正体も知る事ができるだろう。
35階は、溶岩の川が上の階より広がっていた。
予想以上に34階の中ボスで時間を使ってしまったようなので、今日はここで切り上げる事にした。階段を下りた部屋には敵がいなかったので、ドッペルにはここで待機をしてもらおう。
意識を戻して、夕食を食べに食堂へ向かう。
食堂では、終始みんなの空気が重かった。それでも美味しい夕食だったが、ここまで雰囲気の良くない夕食は久しぶりかもしれないな。
食後に、待機組も含めて全員が集合した。
反省会をするとの事だ。俺は初めに、今日の不意打ちは誰であっても防げなかったことを強調して、誰も悪くない事を宣言する。誰の所為とかでは無いのだ。俺でも思いつかなかったあのゴーレムの使い方。似たようなことは考えたけど、あそこまで完璧に不意打ちされるとは思わなかった。
では、どうするかという話になると、対策方法はないので不意打ちをくらっても、最低限防御できるように装備を変更すること位だった。
特に今回ダメージを受けた原因は、マグマゴーレムの攻撃ではなく、マグマゴーレムについていた溶岩だ。あれが装備や皮膚に張り付いたことによって、火傷を負いダメージをくらってしまったのだ。
全身くまなく守る防具はあるけど、さすがにそれだと動きや視界に問題が出てくるので選ばれなかった。だけど、火の耐性の高い装備といえば俺たち全員が持っているので、それを装備して進む事になった。
火山にあるダンジョンということで、もともと用意していたレッドドラゴンの皮や鱗で作った装備だ。ブレスとか使ってくるような奴がいなかったので、使い慣れている装備を身に着けていたのが、今回の落ち度かもしれないな。
明日、憑依したらすぐに装備を変えて進む事にしよう。俺が攻撃されて溶岩が張りついている光景は心臓によくないと言われ、俺の装備は片手剣と盾になった。苦手じゃないけど、長物の大薙刀を使っているから攻撃の感覚が狂うんだよな。
これを了承しなければ、あの手この手で俺はダンジョン攻略に参加できなくなるので、大人しく指示に従うことにした。俺からしたら、みんなに溶岩がついている光景も心臓に悪いのだが、こっちの意見は聞いてもらえそうにない。
個人的には、1人でサクサクっと攻略してしまいたいが、それを許してくれるような状況ではないのであきらめるしかないだろう。
しばらく話し合いをしていると、下の子たちを連れてミーシャたちが部屋に入ってきてしまったので、ちょうどいいということにして話し合いは終了。
俺はそのまま子どもたちと一緒にお風呂に入る事にした。今日は下の子たちも一緒に入るとの事で、特にミーシャたちは面倒を看る気満々である。
任せきりになるのも怖いので、みんなでお風呂へ入る事になった。
シンラはミーシャに連れて行ってもらうかと思ったら、俺の所へ来て抱っこしろとせがむので俺が面倒を看る事になった。
シンラ専用の椅子に座らせて、頭を洗ってやる。昔はベビーバスで入って洗っていたのに、今ではいっちょ前に椅子を使っているんだな。下の子たちと入る機会があまりなかったから、知らなかったわ。
初めの頃は、一生懸命お風呂に入れていたんだけどな。プラムとシオンが俺を目の敵にしていることがあるから、お風呂はたまにしか入れていなかったんだよな。
背中は洗えないようだが、体の前、胸やお腹は自分で洗うようになっていた。足や指などはまだ洗えないようで俺が手伝ってやると、くすぐったいみたいで体をよじり始めた。我慢するんだシンラよ!
綺麗に石鹸を流してやると、不意に水をかけられた。お前はいつの間にこんなことを覚えたのだ?
姉たちにシンラをまかせて俺は自分の体を洗い始める。
洗い終わって湯船へ向かうと、大人たちの浴槽で子どもたちが浮いていた。仰向きに浮いている状態だ。海とかプールでやると気持ちいいあれだ。
でも、下の子たちは泳げないはずなのに何故? と思ったら、子どもたちの下に沈んでいるスライムたちを発見した。こいつらが補助してプカプカ浮いているみたいだな。寝返りのようにひっくり返ってうつ伏せになってもおぼれないように、変形するあたりスライムってすげえな。
俺も真似してみたかったが、俺がやるとイチモツが水面に出ることになり、丸見えになるので、さすがにそんなものを見せつけるわけにはいかないから自重する。
妻たちも次々にお風呂へ入ってきた。50人位入っても問題ないくらい広いお風呂なので、窮屈さは感じないが、俺の周りになぜか集まってくるスライムたちがウザい。まとわりついてくるから動きづらいんだよ!
ったく、妻たちもスライムが近くに来ると、俺の方に投げてくるのは止めなさい! スライムたちが遊びと勘違いするでしょうが! って、遅かった。すでに妻たちの元に向かって泳ぎ始めているスライムがいた。
俺はまとわりついてくるスライムと投げられてくるスライムを、次々に水風呂の方へ投げ込んでいく。スライムにとって水もお湯も大した違いが無いらしいので出来る荒業だ。
おっと、子どもたちが湯あたりしないか心配だって思ったら、スライムたちが子どもたちが熱くならないように、魔法を使って自分たちの体を冷やして調整していた。こいつらって、万能ベビーシッターかもしれんな。ケットシーと合わせれば完璧だぞ。
子どもたちが眠そうになってきたので、お風呂から出ような。
あがる時には自分たちで歩けなくなっていたので、母親たちに抱かれての退出となった。その後俺は一人でサウナを楽しんだ。
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