1696話 今度は俺か……
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娘たちが元気になってから3日後……俺が熱を出して寝込んだ。
初めは熱を出している事すら気付いていなかったのだが、顔色が変だと思った妻の1人……ケイティが俺の額を触り自分の額と比べて、俺が熱を出していることに気付いたのだ。
俺からすればちょっとだるいな、と思う程度で、少し睡眠が足りなかったのかな? 位だったのだが、その実……40度も熱が出ていたのだ。
そこで魔法か万能薬で治そうとしたところ、全力で止められて気付いた。これが子どもたちと同じ病気だったら、魔法や薬で治すと大変な事になる、ということだ。40度という熱を出していながら体は、ちょっとだるいだけで済んでいたが、思考の方はかなり衰えていたみたいだ。
これも、ステータスによる恩恵で肉体が強くなっているせいで熱に強いのか、肉体を改造した結果なのか俺には判らないが、大人しく妻たちの言うことを聞いて寝ることになった。
なので、寝込んでいるというと語弊があるな。体は元気なので横になっているだけなのだ。
さて、この世界にはリクライニング式のベッドは無いし、俺が使っているような大きなタイプにリクライニング式は、地球にもなかったんじゃないかな? 大の大人が10人は軽く寝転がれる大きなベッドだ。
今俺のいる部屋は、趣味部屋ではない。あの部屋は普通に過ごすには俺にとって快適に作っているが、寝ている俺にとっては他の部屋と変わりがない。そして、ベッドの位置が部屋の隅になるので、寝ているだけの俺ではむしろ不便なのだ。
で、俺に準備された部屋は、元々ブラウニーたちのが使っていた部屋だ。人数が増えてきて、食堂に隣接する形でブラウニーたちの部屋というか家が作られている。それもかなり大きなものだ。
背丈が俺たちの半分も無いので、家の中の縮尺が2分の1以下になっているのだが、俺の家と同じ広さはある建物だ。ということは、部屋の数もそれなりに多いってことだな。
ブラウニーって、基本的には集団生活みたいなので、一緒の部屋でたくさんのブラウニーたちが寝るのは当たり前なのだ。それを考えると、俺の家の何十倍も密度があるのだ。それでも、快適だと言っているのは、人とは感覚が違うからなんだろうな。
そんな事はどうでもいい。
なんでブラウニーたちが使っていた部屋が選ばれたかと言えば、キッチンに近く、部屋にお風呂もありトイレは改装したけどある。この部屋ですべてを完結できるからだ。残念ながら趣味部屋には、シャワーはあるがお風呂は無いのだ。無駄に広いしな。
それにここであれば、看病のための出入りもしやすい。趣味部屋は、微妙に交通の便が悪いからな!
そこに大きなベッドを準備され、稼働アーム付きのテレビまで備えた無駄にハイテクな部屋だ。
少しだけ体を起こして、背中にクッションなどを置いて楽な姿勢を取り、今は横になりながらテレビを見ている所だ。日本みたいにいろんな番組があるわけでは無く、なんとなく気になった番組のデータを取り寄せ見ている感じだな。
今見ているのは、地球にいる頃に好きだった大食い番組だ。中には食べ方が汚い奴がいて不快だったが、綺麗に食べているのは見てて気持ちいいのだ。
食べ方が汚いって言うのは、音を立てるとか大口で食べるとかそういうのではなく、意地汚く見える食べ方だったり、こぼしたりするやつだ。
デカ盛りで色々が混ざってしまうのは、料理の特性上仕方がないことだから気にならないが、たまにごちゃ混ぜにしている奴もいて、そういう奴は不快だったな。
なんで大食いを見ているかと言えば、俺が感じている分にはたいして気にならなかったが、食事を食べて分かったのだ。いつもの半分くらいしか食事が食べれなかった。すぐに満腹を感じてしまっていたのだ。それを補うための大食いということだ。
補えているのは、気分的な部分なんだけどね。
早食い大会って大半の人が汚く食べているのでほとんど見ないが、デカ盛り系の番組は綺麗に食べる人がおおいので個人的には好きだな。
マナーが悪いとされているリス食いや口の周りを多少汚したり、物を持ち上げて下から食べるのもテレビなら気にならない。が、こぼすのと異常に口の周りを汚すのはいただけない。早食いの競争とはいえ、口を拭いてほしいものだ。
子どもが少しだけ口を汚す、口角の部分が少し汚れるくらいなら特には気にならない。あくまでテレビだからなんだけどね。目の前でそう食べている人がいたら、さすがにひくけどね。
そんな事を考えていたら、早食いや大食いで汚く食べている人って、普段から食べ方が汚いのだろうか? と疑問になってしまった。
うちの家族は、日本の一般的な女性から考えれば、普通に3~4倍食べているが、特に汚い食べ方をするのはいないな。ミーシャたちがたまに口を汚したり、プラムたちはまだ上手に食べれないから汚すけどそれだけだ。子どもなら当たり前というレベルかな。
シュリに至っては、10倍近くは食事をしているが、汚している姿なんて見た事ないな。同じように食べているのに、食事の減りが早いんだよな。不思議な光景なんだよね。
ちょっと甘い物が食べたくなったな。ということで、キッチンのブラウニーに注文してみたら、プリンを持て来てくれた。普段より甘さ控えめで作っていると言っていたが、何倍も甘く感じた。なんでだろ?
そういえば、俺は娘たちが病気の時に合うことは禁止されていたが、娘たちは俺が病気になっても会うことは禁止されていない。1度かかれば、2度はかからない病気だからな。まぁ俺は違う理由で禁止されていたんだけどな。
それでも俺の負担にならないように短時間しか会えないけど、ウルたちが来てくれたのは嬉しいな。でもシンラ、お前は何とかならんのか? まだ理解できない歳だから仕方がないが、休んでいる俺に頭突きするのは止めてくれ。みんなも苦笑しかできなかっただろうが。
2日目になると、体のだるさは取れてきたが、熱は下がっていない。多少食は戻ってきたが、いつもよりはまだまだ少なかった。
驚いたのは3日目だった。体のだるさはなくなったのだが、熱が上がっていたのだ。41度……大丈夫なのか俺の体よ! まぁ、さすがに拙いと思ったのか、妻たちがチビ神と連絡を取り解熱剤の使用なら問題ないとの事で、座薬の解熱剤を召喚して穴に突っ込んだ。
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