1690話 報告と事後処理が始まったころ
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そういえば、冒険者ギルドから商会を通じて俺に報告があった。
俺は最終的にどうなったかは知らない。いくつかの国とは没交渉になったのは知っていたけど、細かいことまでは興味がなかったので調べることもしていなかった。
報告なのだが、国王たちが捕らわれて次代に引き継がれた国もあったのだが、最終的に冒険者を強制的に奴隷にした14ヶ国中、8ヶ国が崩壊した。14ヶ国全部が一度は次代に引き継がれたのだが、冒険者ギルドに不当だと言って来て戦争になったらしい。
戦争と言っているが、トリプルの冒険者がほぼ1人で壊滅に追いやったのだとか。確かにあのステータスならできなくはないが、体力的に難しくないだろうか? とはいえ、俺があいつのことを気にかける必要はないから、これ以上考えるのは意味が無いな。
14ヶ国の冒険者ギルドの関係者は、計10万人以上だったようで、移動にはかなりの時間を要しているみたいだ。人の運搬と食料の手配で俺の商会も手伝ったようで、ジェノサイドキャラバンが総出で対応しているようだ。
ようだ、というのは、今現在も移動中で半数程が戦場になった場所で、移動を待っているそうだ。とりあえず行く場所の無い人たちは、メギドやバレルに連れていかれている。
バレルはともかく、メギドの冒険者ギルドは金持ちだからな。単価の高いドロップアイテムが多いダンジョンなので、その販売利益でギルドが潤っているのだ。そのお金を使って一時的に保護をしているかたちだ。
メギドばかりが負担していると、不満が出るんじゃないかと思ったが、冒険者ギルドには、こういった時のマニュアルのようなものが存在し、一時的に一部の街のギルドが負担するが、後に大国にあるギルドが全部で負担するらしい。
そんな事を教えてもいいのかと思ったが、別に隠している事では無いので問題ないのだとか。
メギドやバレルで過ごした8割くらいの家族が、残るか俺の他の街に移住するかを選択しているのだとか。また人口が増えるな。街のキャパとか大丈夫なのだろうか? グリエルに確認したら、キャパが限界を超えている街もあるが、拡張や衛星都市を作って対応しているみたいだ。
メギドが一番の例で、中心に今までのメギドの街があるのだが、周囲に等間隔で5つの衛星都市があり一番街~五番街と名付けられている。中心の街はそのままメギドと呼ばれているのだとか。
衛星都市の計画については前から知っていたのだが、既にここまでの規模で衛星都市ができているとは思わなかった。
冒険者ギルドの関係者で一番多いのは、やはり冒険者なので樹海の中心にあるゴーストタウンへの移住希望者が多いようだ。この街に関しては、ダンジョンの一部なので広げるのは簡単である。
で、最終的に崩壊した国から結構な賠償金を強引に奪い、崩壊していない6ヶ国もそれなりの賠償金を払わされている。だが、禁忌と言ってもいい強制奴隷化を行った国からは、冒険者ギルドは完全撤退している。
兵士の数も減っているため治安も悪くなっているらしい。このままいけばおそらくだが、国は緩く崩壊へ向かっていくだろう。これを乗り切れるのであれば、優秀な指導者が国のトップにいるということだな。大きく強くなれる資質はあるのかもしれない。
愚物な親、国王から優秀な子供が生まれるかどうかは、神のみぞ知ると言った所だろうか?
『んぁ? 何か呼んだ?』
神は神でも、お前は呼んでねえよ!
『そうなの? 呼ばれた気がしたけど、気のせいなのね。あっ、そうだ。今度朝食べているビュッフェの料理を送ってもらうことってできない? たまに見かけるんだけど、美味しそうなのよね』
美味しいのは認めるけど、1人で食べるのか?
『まさか、友達を呼んで一緒に食べるに決まってるじゃない』
ふ~ん、1度で食べきれる量ではないだろうから、次にも食べれるようにパンにはさめるような料理を注文しておくか? その代わり、こっちの嫌がる事は、本当にやめろよ?分かってるよな?
『わ、分かってるわよ。だから、その黒い何かをこっちに送ってくるのは止めてよね。なんか存在が削られるんだから。それにしても、久しぶりにそれをやってきたわね。忘れてたわ』
じゃぁ、本当にやめろよな? それが無ければ、よほどのことや頻度じゃなければ言うこと聞いてやっからな。
『了解よ。じゃぁ、ビュッフェの件お願いね』
ブラウニーたちに連絡しておくから、そっちから送ってもらうことになると思うわ。だからそっちの監視をしておけよ。
横やりが入ったけど、冒険者ギルドのことはもうどうでもいいか。とりあえず、全部終わった事だからそれでいいよな。
時は遡って、現在進行形で事後処理を行い始めたころ。
部屋をノックする音が聞こえ、入ってきてもいいと許可を出すと中に入ってきたのは、下の子たちを抱えた母親3人だった。それだけじゃなく、クロやギンに乗った上の子たちも来たのだ。
急にどうしたのかと思えば、シンラがどうしても俺の所に行くとごねたらしく、いい機会だからみんなを連れて来たようだ。
ミーシャたちはガランとしていて、ソファーや椅子、俺の机以外ない部屋を興味深々に歩き回っている。シンラは俺の膝の上に乗せられ、ちょっと高価な偉そうな椅子に座っている俺に背中を預けて、ムフーと言いそうな表情で偉そうにしている、お前は何がしたいんだ?
「この様子を見ると、シンラは俺の後を継ぎたいのかね?」
「え? シンちゃんがとーたんの後を継ぐの?」
興味を示したのはスミレだ。
「ん? スミレは俺の後を継いで領主になりたいのか?」
「いや」
一言で切って捨てられて、俺はショックを受けた。
こっそりと中をうかがっている職員たち! コソコソ笑うな!
ミーシャたちにも聞いてみたが、ウルも含めて領主には興味がないらしい。ミーシャなんかは冒険者になる! とか言って木刀を掲げている姿をたまに見るもんな。
ワイワイと子どもたちが騒いでいる間に、仕事を済ませてしまおう。
シンラは意味が分かっていないが、何やらフンフンと頷いてそれらしく振る舞っているのが面白かった。
昨日はシンラが俺から離れたがらず、一緒に寝ることになった。そうなれば、プラムとシオンも付いて来て、それを知ったミーシャたちも一緒に寝ると言い出して、初めて7人全員と一緒に寝ることになった。
妻たちの中でも一緒に寝たいという声が聞かれたので、総勢20人で寝ることになった。思い思いにベッドの上で寝れるほど大きいので、寝るスペースには困らなかった。全員では無かったのは、1人で寝ることが好きな妻もいるからね。
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