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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1674/2519

1674話 フラグは回収された

アクセスありがとうございます。

 戦争開始日から4日後の夜。


 それまでは特に何もなく、日中は訓練で汗を流し夜は、戦術検討会を行いながら過ごしていた。


 そんな中で、何かあったら連絡がくるように魔導無線の前に待機していた冒険者たちから、俺の妻たちから伝言があったと報告が入る。


 時間は、普通なら夜番の人たち以外が寝静まっている頃。中央の天幕に報告を受けて慌てた冒険者が飛び込んできた。レイリーが叩き起こされ、次に俺たちが叩き起こされた。それと同時に帝国側の騎士たちにも、緊急連絡を入れている。


 妻たちから伝えられた内容は、「俺たちの野営地の南東側付近から、戦争に参加している2ヶ国の内どちらかかの軍の一部が集まり、野営地を狙っている可能性が高い」との事だった。


 マップ先生を開き状況を確認すると、確かに不審な一団が200人程集まっている。所属の国を確認してみるが、今回のメインとなる国のどちらでもなかった。となると、この2ヶ国のどちらかを援助している国の戦力なのだろう。


 同じ国に所属している兵士たちはっと、両方に支援しているズル賢い国だった。もし戦争に負けたら、そちらに所属している兵士たちは、見捨てられるんだろうな。おそらく切り捨てても構わない戦力が、送り込まれたのだろうと、レイリーたちは判断している。


 指揮官に据えられた者はそれを理解しているだろうから、少しでも戦力は減らしたくないはずなのに……ここで、慣例破りの夜襲を仕掛けようとしているとは。レイリーも冒険者のリーダーたちも、帝国の騎士たちも、俺も全く理解できなかった。


 理解できないと言っても、実際にそこに脅威があるわけで対処しないという選択肢はないので、どのように対処するのか検討が始まった。


 冒険者たちは、夜も魔物と戦う事があるためか自信満々に、夜襲を仕掛けようとしてきている部隊に対して奇襲を仕掛ける作戦をあげてきた。


 それに対して帝国の騎士たちが、これまでおんぶにだっこ状態であるため、どうにかここで挽回しておきたいと申し出があった。


 帝国の騎士たちの作戦は単純明快だった。飛行能力を持っている獣騎たちを駆り、トラップエリアに入ってきたら空から攻撃を仕掛ける、というものだった。


 十中八九、夜襲を仕掛けようとしている部隊は軍から離れてこちらを襲ってくるのだろうが、もし戦争に参加していない部隊であれば、面倒な事になるかもしれないと帝国の騎士たちが主張するので、こちらの防御エリアに入ってくるのであれば、殺しても問題はないとの事だった。


 帝国の騎士たちにはマップ先生の存在を教えていないので、軍から離脱して集まる前から監視が始まっているということを言えない。まぁ、脅威になる程の強さを持っているわけでは無いが、ディストピア側はイレギュラー対策のために、暗部を動かして近くで監視させることになった。帝国には秘密である。


 行動を開始してから1時間程経ったあたりで、監視を担当している冒険者たちから動きがあったと連絡が入る。


 向こうはバレていないと思っているのだろうが、すでに補足されていたため暗闇でも、問題なく監視することができていたのだ。


 冒険者たちはステータスが高く視力も高い。それに暗いダンジョン内で敵を探すことにも長けているので、月明かりがあり監視用に渡している単眼鏡があれば、妻たちから連絡が無くても問題なく発見できていただろう。


 防御エリアに入ってきた敵部隊は、俺たちと土木組が一緒に作った罠にかかった。外周にはそこまで悪質な罠は仕掛けていないので、落とし穴がせいぜいなのだが面白いほど簡単に罠にかかっていたのだ。


「レイリー、こいつら無防備すぎないか?」


「そうは言いますが、シュウ様たちが作ったあの落とし穴ですが……あると言われてなければ、おそらく昼間でも冒険者たちの半分以上は引っかかると思いますよ? それに、暗闇であの罠を初見で回避できるのは、ほとんどいないのではないでしょうか?」


 同席していた冒険者のリーダーたちが頷いている。この評価は不本意なのだが!


「あの程度の罠であれば、俺たちが行ったダンジョンには、もっと悪質なのがあったぞ? だってさ、罠がそこにあるって分かっていて探しても、見つけられない罠とかも結構あったぞ」


「聞いた事はありますが、本当にそんな罠なんてあるんですか?」


「それがあるんだよな。ダンジョンマスターによっても作り方が違うけど、カスタムした罠の中にはヤバいのもあったぞ。罠があるって分かってても、ひっかかった奴もあったっけな?


 うまく隠されていた罠がフェイクで、見せ罠が本命だったってのもあったしな。それを考えれば、ただの分かりにくい落とし穴なんて、回避する方法なんていくらでもあるだろ?」


 レイリーはダンジョン攻略に力を入れていないので、イマイチ理解できていなかったようだが、冒険者たちは青い顔をしている。俺の作った食料や材料を生み出すダンジョンには、そこまで悪質な罠はないから安心してくれ。


 神のダンジョンより、日本から呼び出されたと思われる、ダンジョンマスターが作るダンジョンの中には、数倍悪質な罠とかあるしな。


 一番驚いたのは、部屋に入ってしばらくすると部屋が密閉され、一気に空気を抜かれるとか、酸素濃度が上がるとか、目に見える罠が扉が閉まるだけで、何が起きたか分からずに死んでしまう罠が結構あるのだ。


 マップ先生と、罠解除のスキルの合わせ技で対処出来ているので、何とかなっている形だな。もしマップ先生が無かったら、他のダンジョンも神のダンジョンも攻略しようとは思わなかったな。


 そんな事を話していると帝国騎士が飛び立っていき、落とし穴にかかった敵兵たちに追撃をかけている。防御を中心としたメンバーだったはずだが、騎乗戦闘は騎士の嗜みと言わんばかりに、長い突撃槍を巧みに操り命を刈り取っている。


 途中で降伏する言葉を指揮官らしき人間が発していたが、無視され200人程いた兵士の生き残りは10人を切っていた。


 捕らえた指揮官らしき人間からは、頭の痛くなる発言があったとか。


 ノコノコ出てきた俺たちに多少被害を与えられたら、武功になるとか言われていたらしい。


 その発言を聞いて俺は、捨て兵たちの将も捨てる前提なわけで、優秀な人間が付くわけじゃなかったということに気付いたのだ。


 まぁ、ウォーゲームでは慣例破りの夜襲をしたので、この国は戦争から離脱だろうな。


 俺たちも戦争以外で夜襲とかしているけど、犯罪に対するものなので、大きな問題はないのだ。


 帝国の騎士は、夜襲を受けたことを敵軍に伝えに行くため忙しく動いている。頑張ってくれ!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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