1669話 順調である
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俺たちが明後日の方向に全力を出していた中、俺の部下たちは最高の成果を出してくれた。
話し合いから3日後にレイリーから、今回の戦争に参加する有志を募ったところ、一般からの募集、冒険者から1500人程参加したいと志願があったそうだ。ディストピアに1500人も冒険者がいた事に驚いたが、これでも条件をしぼってこの人数だったらしい。条件が緩ければその倍は志願があったかもしれないってさ。
で、その1500人程の冒険者全員を今回の戦争に連れていくことになった。実際に戦闘を行うのは上位500人程だろうとレイリーが言っていたが、残りの1000人は何するんだ?
すぐに答えが返ってきた。戦闘に参加する500人が他の雑事をしなくて済むように、残りの1000人で野営の準備や夜番などをしてもらう計画なのだとか。もし有事の際は、戦闘に参加できるように備えてもらう形だ。
なるほどね。確かに、戦争をしていない時間の方が長いんだよな。俺がウォーゲームだと感じるのは、夜襲とかがないんだよな。劣勢の陣営や被害を減らしたい陣営が、使っても不思議ではない戦法を使用できないんだよな。多少の戦術を絡める事はできるけど、遊びの域を出ない、というのが俺の感想である。
この1500人の冒険者に、100人程のブラウニーたちが同行して、食事や洗濯の世話をしてくれるようだ。他にも、兵士たちでさえ戦争後であれば、やりたくなるようなので、冒険者なら絶対に必要だろうということで、ゴーストタウンの花街で働いているサキュバスと娼婦をあわせて100人程連れていくそうだ。
後は、この1500人の冒険者の中に、土木組も含まれていた。土木組が戦争に出れば、地形を変えて簡単に勝敗がついてしまうのだが、今回は説得して野営や戦争の際の陣地設営や、衛生管理のためのお風呂やトイレを作ってもらうことになった。
娼婦の人たちのエリアを護衛する役も担ってもらっている。他にはもちろん有事の際は、指揮官にしたがって戦闘に参加することをお願いしている。
野営地なのに綺麗に区画整理されたものになりそうだ。
物資に関してもすでに準備が終わっており、約2000人が3ヶ月過ごせる食料の買い付けが終わっていた。普通の街ならこれだけ買いこめば、物資が足りなくなったり値上がりしたりするのだが、ディストピアではそんなことは起きていない。
もともと余剰分が出るように生産されている野菜を買い込み、主食になる小麦粉とお米は大量に作っているので、据え置きタイプの時間経過の無い収納の箱に保管されているのだ。そこから買い取ったので、在庫がはけた! と担当者が言っていたとか。
それに、ダンジョン農園からも肉や野菜を仕入れているので、3ヶ月分は余裕で買い込む事が出来たのだ。
この戦争自体はすぐ終わると思うけど、グリエルと帝国の文官が言うには、戦争が終わった後に面倒が起きる可能性がある、と言われたようで一先ず3ヶ月分の物資を用意したんだってさ。
ん? 3ヶ月も向こうに行くことになるのか? と思ったが、戦争以外はいてもいなくても、レイリーとグリエルたちの部下が対応するので問題ないのだとか。
で、馬車が完成した日。作り始めてから7日後、グリエルから帝国も戦争に参戦する旨が伝えられた。
帝国と俺たちは、ともにあの森から資源を回収しているので、お金でもめることも無いのだが、今後の事を考えて、俺たちが参戦するなら帝国も参戦すると連絡があったそうだ。
実質、同盟みたいな形での参戦となるらしい。後1週間しかないので騎馬隊でも参戦は難しかったが、帝国には空を駆ける魔獣をつかったインペリアルガードたちがいるので、そこから100騎の参戦となるらしい。
それについて、テントなどは持ち運びできるが、物資の準備、食料がどうしても持ちきれなくなるため、追加でこちらで準備してもらいたいとのことだったらしく、売値の3割程高値で交渉が成立したようだ。
100騎、100人だから大したことがないじゃん、とか思ってたら認識が甘いと言われた。魔獣たちの食事が兵士の10倍はかかるので、結構な商いとなったとホクホク顔でグリエルが言っていた。
ただ肉が足りていないので、今日から2日は冒険者も兵士も総出で肉ダンジョンの魔物を駆逐するらしい。帝国の魔獣たちの中に肉食のやつがいるから、足りなくなってしまったようだ。
ディストピアから参戦する冒険者たちは、ダンジョン農園の家畜を食べられるようにしている。もちろん希望があれば魔物のドロップ肉を食べさせるが、やっぱり食用に育てられた家畜は、味が段違いなんだよな。わざわざ魔物の肉を食べたいという人はいるのだろうか?
魔物の肉が不味いわけじゃなく、家畜の味が良すぎるんだよな。ブラウニーたちなら何の肉を使っても、美味く作ってしまうので、俺も食べ比べをしないと分からないくらいには、凄腕なブラウニーたちである。
今回は、俺も付いていくのでもし物資が足りなくなれば、ゲートが使えるのだ。使えなくてもバレルから馬車で3日もかからないので、1週間前くらいにディストピアに連絡を入れておけば、バレルまでは送り届けてもらえるようになっている。
う~ん、部下が優秀過ぎて辛い。
仕事がこないから辛いわけじゃないけど、なんとなく優秀過ぎると居心地がね!
今回の移動はバレルまでは魔導列車を使い、そこからは馬車200台で戦争の行われる場所までの移動となる。ウォーホースが足りなかったので、普通の馬を300匹程用意した。50台がウォーホース、150台が普通の馬が引くようだ。
そして妻たちからは、年少組のメンバーとキリエが統率役でついてくることになっている。年少組ってくくってるけど、もう成人しているメンバーも多いんだよな。くくりとして呼んでいるだけだからいいかもしれないけど、その内呼び方を変えた方がいいかね?
そういえば追加で、スライムたちが100匹ほどついてくることになった。俺のクッション役なんだとか、100匹もいらんだろ! とは思うが、スライムは手間がかからないから、100匹いてもカラフルだな~、と思う以外に特には影響がないのだ。
そんなこんなで、戦争まで後3日。バレルに到着した。
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