1662話 考えていた試合と違う?
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「はぁ~、俺にもこんな気持ちがあったんだな。言葉や頭では戦いたくないと思ってたのに、実際戦って追い込まれたら……体が勝手に動き、勝利をつかむ寸前まで行って、負けたたら、悔しいなんて思うなんてな」
俺は自分の感情に戸惑っている。
負けたものは仕方がないよな。
気分を切り替えて、帰ることにしよう。
俺が戻ろうとすると、ゲートの前で嫁さんや子どもたちが待っていた。
「シュウ君、お疲れ様」
「シュウ、お疲れ」
ミリーとカエデが代表して、俺に声をかけて来てくれた。
「シュウ、最後の試合惜しかったね。もう少しで勝てたのに、引き分けだったね。実際の戦闘だったらシュウの勝ちだったのにね」
「ん? 引き分けだったのか?」
「そうよ、シュウとメアリーが同時に転送されて、神様が引き分けを宣言したわ」
そうだったのか。負けてはいないけど、引き分けだったのか。どっちにしても変わらんか。勝てなかったのは、変わりなかったんだな。
カエデと話していると、ミーシャ・スミレ・ブルムが俺に近付いてきた、抱き着いてきた。そして俺を見上げて、
「「「とーたん、かっくいかったよ!」」」
ん? かっくいい? 何でこんな言葉遣いなんだ? 何かマンガやアニメやゲームの影響で覚えた言葉か?
それにしても、妻やペット……従魔と戦ってカッコいいか、本当にこの世界は感覚が違うんだな。日本ならいくら妻が強くても、同じ位強い夫が戦えば、DVに見えるのにな。
久し振りに3人を抱き上げる。
「「「とーたん、苦しいよ~おろして~」」」
結構強引に抱き上げたのでミーシャたちが苦しがっているが、楽しそうにキャーキャー言っている。
3人を降ろして手を繋いでから、家に帰ることにした。
次の日。午前中に仕事をこなしてから昼食を家で食べた後、神のコロッセオに向かう。その時には妻たちは近くにおらず、俺一人だった。寂しくなんかないぞ!
今日の1回戦目は従魔たちから……しかも、四大精霊からガルドかよ!
チビ神がノリノリで2日目1回戦の開始を告げた。
しょっぱなから魔法を撃ってくると思ったので、相性のいい魔法で防御だな、アイスウォール!
俺が魔法を発動する前に普段の小さな体ではなく、大きな姿になって口を開き魔法を唱えようとしていた。
俺は先に壁を構築して、ガルドの魔法を放った隙をつくつもりだった。
だったのだが、ガルドの魔法がアイスウォールを貫通してきたのだ。
アイスウォールから出るつもりでいたが、意表を突かれて俺は回避しきれずに、ガルドの魔法が肩に被弾した。ストーンジャベリン、石の槍が俺の肩に……まだいける! と判断して移動をしようとしたのだが、肩に当たった後爆発をして、俺の負け判定で転送される。
控室に戻された俺は肩を落とす。
油断があったな。火だと思い込んでいた俺がバカったな。石の槍の中に爆炎魔法か、爆発のダメージより、石の槍が破裂した際の意思の破片でダメージが膨らんだのだろう。手榴弾の原理と一緒だな。爆風でダメージを与えるのではなく、手榴弾の中に鉄片などを入れてそれを飛ばして動けなくする。
それにしても火の中に石を隠す魔法は、相手をだますために使うが逆はしたことなかったな。
続いて2回戦目はニコ? どうやって戦うんだ?
俺はバトルフィールドに転送されてニコと相対する。勝負方法は、ジャンケン!?
ニコも戦闘できるが、今回は運に任せたジャンケンで決めるのだと、プルプル震えて主張している。
ジャンケンはあっさり負けました。ニコがパーにして触手を振り下ろそうとしたので、俺がチョキを出そうとして指を変えた瞬間に、ニコがパーからグーに変えやがったのだ。振り下ろすまでの時間で、俺の手を認識して自分の手を変えてきたのだ。
反射速度でスライムには勝てなかったってことだな。
3~7回戦目は、年中組の妻たちとの5連戦だった。リリー・チェルシー・シャルロット・ジュリエット・クシュリナの5名だ。
リリーはタンク、戦い方はアリスから機動力を削って、壁としての能力を高めた感じだった。可哀そうだが、連撃でごり押しして勝った。
チェルシーはスピードを生かして二刀流で、相手に細かいダメージを与えるのが得意な戦い方だ。俺は大薙刀を長く持って、近付けないように攻撃をしていたのだが、受け流しがうまく、近距離戦になり手数で負けた。
シャルロットはリリーと同じでタンクだが、特性はアリスに近いタイプの戦い方だったが、どっちにも中途半端だったので、俺の連撃を受けきれずに敗北した。
ジュリエットとの試合は、前日の問題があったのか、複数の魔法を混在させて意表を突く戦闘となった。だけど、魔法という一点において俺の方が力量は上だった。イメージの差だろうね。右手と左手で別々の魔法を使い1人でユニゾンマジックを使えるため、最終的には火力で押し切った。
クシュリナは俺と同じ長物での戦闘となった。大薙刀と斧槍、ジャンル的には近いのか? でも使い方が全然違うんだよな。特に斧槍の斧の部分なのだが、威力が大薙刀と全然違った。だけど、懐に入ると斧槍は対応できる型がなく、大薙刀には超近距離用の型が存在している。その差で勝ちを拾った。
その後の従魔との5連戦は、カラフルスライムたちだった。赤・青・黄色・緑・紫の5匹だった。
赤にはあっち向いてホイで負け、青には叩いてかぶってジャンケンポンで勝ち、黄色はジャンケンを使ったゲームかと思ったらババ抜きだった。2人でババ抜きと思ったが、する前に俺が1枚黄色が0枚になり試合を始める前に負けた。
緑はカードゲームだったのだが、トランプではなくUNOだった。そして、負けた。紫は、普通に戦闘になったが、魔法もアイテムも使えない状態で、毒霧を作り出した紫に近付けずに引き分けだった。
何か後半は遊びっぽかったな。
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