表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1661/2519

1661話 1日目最終戦

アクセスありがとうございます

 アリスの次は、シェリル・イリア・ネルの3幼女って、もう少女から女性に変わる年齢だな。グングン成長している3人との戦闘があった。


 正直一番戦い辛かったのは、ネルだったな。


 ネルは立ち位置的にヒーラーなのだが、装備しているモノが物騒なのだ。アリスが使っていたような盾と、ソードメイスと呼ばれる鈍器に刃物がついているという、訳の分からないモノを装備していたのだ。


 アリスはスピードで押してきたが、ネルはどっしり構えてすべてを捌き切るような戦い方だった。


 大薙刀の中心を持ってクルクル回しながら、遠心力を攻撃力に変えての連撃を始めようとすると、しっかりと距離を取り連撃の範囲外に出てしまうのだ。


 かといって連撃をせずに一撃一撃を撃ち込んでも、盾で捌かれた後にソードメイスで大薙刀を攻撃されバランスを崩してしまい、連続で攻撃をすることができなかったのだ。


 最終的にはアリスと同じように大薙刀を投げて距離を詰めて無刀取りをしたのだが、すぐに立ち上がり盾で殴りつけられて、しっかり持っていなかったソードメイスを手放すことになってしまった。


 そこからは徒手格闘に移行して、パワーで押し切った形で勝った。


 イリアはライムと同じ魔法戦になったのだが、こっちは精霊魔法を使って魔法の同時発動数を増やしたのだ。精霊に魔力を渡すことによって、魔法を代理で使わせた形だ。


 手数の増えたイリアだが、俺のファイアーバレットインアースバレットを見切れずに、バリアを削り切り何とか勝利を収めている。


 シェリルは強かったんだけど、徒手格闘が中心になっていたため、武器の扱いが少し下手になっており、隙をついて勝った感じだ。


 そこから従魔が3連続で続いた。ダマは参戦しなかったのだが、シエルとシールド、グレンは挑戦してきたのだ。


 シエルとシールドは、ダメージこそ負わなかったが、防御が硬すぎて突破が出来ずに引き分けとなった。


 グレンは正直、今日一番かわいそうな終わり方をしたな。突進してきた所にアイスウォールを魔力を込めて使ったところ、くちばしは突破したのだが体が完全に氷に埋まってしまい、身動きが取れなくなり試合終了となった。


 そして、今日最終試合の相手はメアリーだった。遠距離の弓と近距離のレイピアを装備して、バトルフィールドに転送されて来た。


 俺は大薙刀だけなのに、メアリーは弓とレイピアかズルいな。しかも、相手が魔法戦で挑んでこなければ、魔法も禁止という縛り付きである。


 今回に関しては、相手がレイピアなので距離さえ詰めて反撃を許さなければ、俺の勝ちだろう。


 チビ神は疲れてきたのか、開始の合図に勢いがなかった。それならマイク持つんじゃねーよ!


 メアリーとの距離は100メートル、何で相手の得意な距離に俺が合わせるんだよ! 連戦して疲れてるし、こっちは遠距離武器無いんだぞ!


 本来の矢って音速を超えないため、簡単に撃ち落とせるはずなのだが、メアリーの矢は、簡単に音速を突破してくるので簡単には撃ち落とせない。ステータスがあるこの世界ならではの神業なんだけどね。


 っと、そういうことじゃない。剣だったら対応できるだろうけど、大薙刀だと正確に撃ち落とす事が出来ないのだ。そのため大薙刀は撃ち落とすためじゃなく、方向転換の補助用として使いながら近づいていく。


 だけど、20メートル程近付くと対処できなくなってきたのだ。だってさ、矢を手放してから俺に到達するまでの時間が、コンマ2秒もかかっていないのだ。矢を撃つタイミングを見て回避しているので、矢を認識してから行動に移すと回避しきれないのだ。


 本当なら、雷付与とか使って知覚速度と移動速度を上げて一気に距離を詰めるのだが、魔法を禁止されている以上、素の反射神経が回避力に直結するのだ。


 もうね、どうにもならん。本当に近付けないんだわ。1本撃ったところで回避して近付こうとしても、既に2本目を構えているんだよね。どれだけ早いんだよ。これに関しては、反射神経というよりは反復練習による最適化なのだろうな。


 嘘か真か、同じ動作を繰り返した人間は、体が最適化されその行動を行いやすくするように成長するのだそうだ。反射速度も筋力も同じでも、最適化された体とそうでない体だと差が生じるらしい。


 そのおかげか、2射目を撃つまでの感覚が異様に速いのだ。なんかズルして強化してないか疑いたくなる速度だ。


 漫画のようにクルクル回しても、おそらく弾く事が出来ないほど早く飛んで来ている。くそ……せめて盾があれば違ったんだけどな……


 しょうがない、こうなれば奥の手だ。俺は大薙刀の柄をへし折って、幅広の片手剣のようにした。これなら回避しながら矢の軌道を予測して弾けば、近付くことができるだろう。


 直線では進まずにジグザグに移動しながら近付いていく。緩急もステップの幅も歩数も変えて、偏差射撃を出来ないようにして進む。


 撃ってからコンマ2秒もかからないので、動きを止めれば確実に撃ち抜かれる。しかも嫌なことに、メアリーも移動しながら撃つので、なかなか距離が縮まらないのだ。


 時には剣で弾きつつ距離を詰める。


 不意にメアリーが少し右を向き矢を放つ。その意図が分からなかったが、一対一で戦っている際に無駄なことはしないであろうという瞬間的な思考で、左にステップをした。


 そうすると、矢が俺を追いかけるように曲がって来たのだ。


 ありえんだろ! 敵を追尾する魔導具か何かか!?


 しかも慌ててステップを踏んだ後なので、地面から足が離れており再度地面を蹴ることができない状態で、首に向かって飛んで来ているのが分かる。おそらく、バリアに当たりヒット判定が出ると、即死と判断されるだろう軌道だ。


 シエルとシールドのおかげで全勝は元々なかったけど、本気は出せなくても負けたくなかったな。


 そんな思考の中、無意識のうちに動かしていた腕が矢を受け止め、即死判定は出なかった。


 呆けている思考とは裏腹に、俺の体はメアリーの元に走り出していた。


 曲がって追いかけてくる矢も真っ直ぐ飛んでくる矢も、例外なく叩き落している。思考が追いついていないのに体が矢を叩き落しながら、メアリーに近付いているのだ。


 混乱していてもその距離は確実に詰まっていき、16本目の矢を叩き落した時には、メアリーとの距離はほぼなくなっていた。


 驚いているメアリーを尻目に、俺の体は的確に動き、メアリーの首に刃を突き付けていた。


 武器を持ち替えてレイピアで攻撃してきたが、何も持っていない左手でレイピアの刃を俺は掴んでいたのだ。


 そこで転送される。どうやら、刃を掴んだダメージで俺は控室に飛ばされたようだ。


 負けたのか、悔しいな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ