1641話 悪巧み
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あれから1週間頑張って探してみたが、あれ以上のモノは発見できなかった。
元々、スキルを持っている魔物は予想より多かったのだが、思っている以上に微妙な結果に終わってしまった。召喚した中には、跳躍力がスキルがない状態では、30センチメートル位しか跳べない奴もいたのだ。
スキルって魔物の特性を伸ばすものだと思っていたが、欠点を補うためのスキルもあるのだと知った。
「スキルを覚えさせるのはダメか……俺たちが意図的に覚えさせなければ、問題ないのかな?」
「どういう事でござるか?」
「いやな。今回使う魔物って、召喚した奴じゃないといけないって訳じゃないだろ。だから、野良の魔物って言うのも変だが、テイムした時にスキルを覚えていた魔物なら、アリなんじゃねえかな? って思ってな」
「なるほどでござる。召喚した魔物を放ってそれをテイムするのは、アウトっぽい気がするでござるが、野生の魔物ならアリかもしれないでござるな」
「でもさ、都合よくスキルを覚えているとは限らないんじゃない?」
「そこはさ、テイムする前に手懐けて必要なスキルを覚えさせてから、テイムするのはどうかな? 他にもさ、従魔たちに鍛えさせるとか、アンデッドなら野生でもバザールが支配できるだろ?」
「テイムする前に覚えさせるのね。神たちが提示したルールには引っ掛からないわね」
「やってみるでござるか?」
「調べるだけならマップ先生で検索すればいいし、移動はゲートがあるから距離は気にしなくてもいいから、目当ての魔物がいれば今日中にとらえることが出来るな」
「ゲートって、本当にインチキね。支配領域であれば、マイワールド経由で大陸が違っても、星が違っても、すぐにいくことが出来るんだもんね、地球には戻れないのかしら?」
「綾乃は地球に戻りたいのか? 戻っても、俺たちのいた痕跡は何処にも無いらしいぞ。帰って家族に会っても不審者扱いされて捕まるだろうな」
「正直、今の生活が快適すぎて帰りたいとは思わないわね。でも、地球と言うか日本じゃなくて外国に行ってみたいわね。スキルで英語も話せるようになるから、楽しい旅行が出来そうじゃない?」
「言われてみれば帰るじゃなくて、遊びに行くとか旅行とか考えれば地球はアリだよな。この世界ってファンタジーだけど、観光には向いてないもんな。まぁ、紅葉とか神秘的な風景なら、マイワールドで再現できるけどな。観光地とかも再現できるけど、側だけしか作れんからな」
「それはないわ。何が悲しくて観光地だけを観光するとかないわ。観光地は、雰囲気や人も含めて観光なんだから、人がいなければ観光地とは言えないわよ」
「某的には、行ってみたいでござるな。ゴーストタウンならぬゴースト観光地でござるか。アンデッドの某からしたら、面白そうでござるな」
綾乃は雰囲気を楽しみたい人なんだな。中には、行くことが目的になっている人もいるし、景色を見に行くことを目的としている人もいるからな。十人十色だと思うがバザールの考え方は、ちょっとズレているかんじがするな。
そんなことを言ってないで、魔物を探すかな。
「高く跳べる魔物を探すか、今回俺たちが連れて来たタイプの魔物から探すか?」
「高跳びはワーラビット一択だと思うけど、走り幅跳びとか競争は同系列で探してもいいんじゃないかしら?」
短距離はやはり猫系が強いと思うので、猫系の魔物でスキル持ちを探すことにした。
探してみると、バトルキャットってどこにでもいるな。その中でスキル持ちは、あまり多くなかった。目的の跳躍や疾走などの速度に関わるスキル持ちは、全体の1%以下だった。
跳躍が速度に関わると分かったのは、試しに召喚したバトルキャットにスキルを与えてみたら、明らかに早くなったので候補に入れた。
「シュウ! 跳躍と疾走の2つ持ちがいたわよ!」
綾乃がターゲットを見つけてくれた。マップ先生の検索なのだが思ったより不便で、探したい魔物とスキルは1つずつしか入力できなかったのだ。なので、2つタブレットを並べて見ていた綾乃が見つけてくれたのだ。
「テイムの前に、そのまま連れてくる必要があるか?」
「後1週間もないし、今回はこれで我慢すればいいんじゃない? あっ、もう1匹発見」
とりあえず、テイムしに行くか。
ゲートを繋げてマイワールドからバトルキャットの近くへ移動する。1人だと面倒だったので、従魔たちに協力してもらおう。もちろん、ダマとシエルとグレンの3匹だ。
他のやつらは近くにいなかったし、どうせ娘たちの近くでくつろいでいるのは目に見えているので、探す手間をかけなかった。
無事に2匹をテイムして帰還する。
俺がテイムしている間に、ワータイガーも見つけていたようで、すぐに出発することになった。
戻ってきたら、バザールがマイワールド内で待っており、ナイトメアギャリッジが見つかったのでゲートを繋げてほしいと言われた。希望するままにゲートをつなぎ5分後、スキル持ちのナイトメアギャリッジを連れて帰ってきた。
参加できるかは不明だが、これで全員集まったかなって、ボーンアニマルがまだだった!
「それなら、ナイトメアギャリッジの近くにいたから、一緒に連れて来たでござる。それと、このナイトメアギャリッジ、レアっぽいでござる。空間系のスキルを持っているみたいでござるよ」
空間系? 何のことかと思ったら、ギャリッジ……馬車の部分で荷台の中が、見た目よりかなり広いようなのだ。感覚的に、縦横高さが2倍ほど、荷台の面積は4倍で体積は8倍程に広がっていた。
収納の腕輪の中に入れるような感じか? ダンジョンマスターのスキルでもダンジョンに付与できないタイプのものなので、こいつはかなりレアかもしれないな。
全体的に早くなった魔物たちに俺たちは満足して、テイムしてきた魔物をLv50まであげて、大会当日をまつことになった。
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