1633話 大体の流れ……
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「シュウ様、それで今回の件は結局何だったのですか?」
「ちょっと待ってもらっていいか? 多分1時間もすれば、情報が集まると思うから話すのはそれからでもいいか?」
「情報を集めているのですか?」
「そうだな。今、バザールに頼んで主犯が王族だった国を、調べてもらっているんだよ。おそらくだけど、今推測している内容で間違いないと思うけど、ゴーストタウンで凶行に及んだであろう理由を調べてもらっているんだよ」
「いつの間に? それより1時間で情報が集まるんですか?」
「正確な情報かって言われると、断片をかき集めて推測する形になるから微妙だけど、多分間違いない情報だと思っていいかな。しばらくバザールとやり取りするから、グリエルはゼニスと連携して、殉職した2人の若者の家族にコンタクトを取ってくれ」
「了解しました。情報が集まったら、呼んでもらっていいですか?」
「オーケーオーケー。その時は、ガリアも呼ぶから片付けておいた方が良い仕事は、前倒ししておいてくれ」
足早に執務室から去っていった。
そのまま俺は、バザールに連絡を取る。部屋の機能をフル活用した、別の場所にいるのに同じ部屋で話しているようになるシステムを起動する。
「情報を集め始めたばかりでござるが、凶行に及んだ奴がどこの王族だったのかが分かったでござる」
「マジで? 分かるのが早過ぎねえか?」
「国が崩壊していたら、ここまで簡単にはいかなかったでござるが、国自体はクーデターが成功して王族が、変わったことになっているようでござる」
「変わったことになってる?」
「冒険者ギルドに忍ばせたアンデッドの虫に調べさせたところ、今回のクーデターは冒険者ギルドが暗躍したようでござる」
おう、アンデッドなら虫でもコントロールできんのか!? こいつに忍び込めないところはないんじゃないか?
バザールが現在進行形で手に入れている情報をもとに話をまとめると、
この国は、20年前までは、そこまで大きな国ではなかったらしい。それが突然、兵士が強くなり周りの国を武力で落とし併合していったらしい。どうやら兵士が強くなった陰には、ゴーストタウンで暴れた転生者が関係しているようだ。
時系列的には王族に転生者が生まれ、その転生者がダンジョンを使ったレベリングを、自分付きの護衛に命令し、近くの小国にあったダンジョンを使って護衛のレベルを上げ帰国して、そのダンジョンのあった国を攻め落とす。
強くなれることを証明した転生者は、自分の護衛程ではないが兵士たちをダンジョンでレベリングして、次々と周りの国を落とし併合していったようだ。
これだけなら冒険者ギルドも暗躍しなかったようだが、転生者は勇者とダンジョンマスターに目をつけ、同郷ということで取り込もうとしたらしい。その情報を冒険者ギルドが察知して、軍部を利用して王族を排除したようだ。
急激に大きくなったこともあり、民への負担を考えていなかったためかなり疲弊していたようだ。兵士たちは強くなり、街で自由奔放に振る舞い民の不満は爆発寸前だった。
でも、兵士が強くなったことも民は知っていたので、どうにもできなかったらしい。クーデターの前に兵士たちを集団で襲ったことがあったのだが、どうにもならずに見せしめに殺されたのだとか。
冒険者ギルドは、転生者に勇者やダンジョンマスターを利用されないために、トリプルの冒険者を3人を招集してクーデターに参加させたようだ。
トリプルの冒険者は、癖の強い奴や問題を起こすやつが認定されるランクである。ちなみに、俺たちもここに認定されている。見境ないわけじゃないんだけど、街をいくつも乗っ取っている状況を見て、認定されてしまっているのだ。全部、返り討ちなんだけどね。
で、招集されたトリプル冒険者は、比較的大人しい方だけど戦闘狂らしく、蹂躙するタイプを好む奴らだったようだ。そいつらをクーデターの前線に派遣することと、良識人の軍部を動かし主導させたようだ。
兵士の中にも逸脱した人間もいれば、そうでない人間もいた。害悪になる奴らは自分たちに勝てる奴はいないと、自ら前線に出張ってきて勝手に殺されてくれたので、クーデター成功後の軍は人は減ったが良識人が多く残り、国の再建に尽力を尽くしたんだってさ。
でも、クーデターの中で王族を全員殺したと宣伝したが、実は1人だけ取り逃していたのだ。それがゴーストタウンで暴れた、元王族の転生者らしい。
何度か追っ手を出したのだが、20人いた転生者の護衛に阻まれ殺すことに失敗していたらしい。それでも、10人の護衛を殺すことには成功した。被害の人数の方が多かったけどな。
これが国が終わった流れだ。
ここからは推測だが、転生者はゴーストタウンの領主もしくは、上層部にダンジョンマスターがいると考えていたと思う。急に樹海の中心にある山に街ができて、樹海の地下を走る通路も作られたとなれば、ダンジョンマスターがかかわっていたとしてもおかしくないと考えたのだろう。
そこでゴーストタウンを乗っ取るか、協力関係を構築するつもりだったのか分からないが、ゴーストタウンでの振る舞いを考えれば、乗っ取るつもりだったと考えられる。
「とっておきの話がある」みたいなことを言っていたあいつがどういう性格か分からないけど、こちらに近付いて一気に制圧みたいなことを考えていたのだと思う。
何を考えて行動していたのかを知りたいところではあったが、こちらに得があったとしても間違いなく切り捨てたであろう人材なので、後悔はしていない。
グリエルとガリアを呼び、まとめた話を伝えた。
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