1629話 仕事に行けなかった
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昨日は、娘たちが果樹園に行った後、よくオヤツに出てくる果物がどうやって生っているのか知って、かなりテンションが高くなっていた。娘たちのおやつは、お菓子やスイーツが多いと思っていたが、俺と食べる時以外で、大体半分程は果物を食べているらしい。
意外な事実を知ったが、美味しいのであれば何でもいいよな。
テンションの上がった娘たちは、夕食を食べてお風呂が終わっても何やら高いままだったのだ。そのため寝付けずに、せがまれるままに一緒にアニメを見た。少女アニメだったので、俺的にはなんだかなって感じだったのだが、見始めて1話終わる前に寝てしまった。
ベッドへ運び一緒に寝たのが、7時間前。そして今、目が覚めると娘たちが手足に抱き着き、一応俺を拘束しているような形になっている。
何が起こるかと思ったら、頭の上から何かが近づいてくる音と振動が伝わってくる。
何かと思えば、シンラの顔がデカデカと俺の視界を埋めた。そして顔を叩かれる痛みが、これはどういう状況なのだろうか?
しばらく為されるがままに顔を叩かれていたら、新たに2つの音と振動が、シンラの左右にプラムとシオンの顔が、顔を叩かれる衝撃が3つに増えた。
クスクス笑う声が聞こえてくるので、母親たちもいるのだろう。下の子たちが自分たちでここに来ることは無いだろうからな、居て当たり前か。
「で、これはどういうことなんだ?」
笑う声が収まると、目が覚めたプラムたちがウルたちが部屋にいないことに不安を感じたのか、探すような仕草をしていたので連れて来たらしい。で、先に起きていたウルたちがプラムたちが来たのを見て、俺の手足に抱き着き拘束したようだ。
楽しんでいるところ悪いが、右手をウルごと強引に持ち上げ、左手のミーシャをくすぐる。そうすると左手が自由になり、ウルをくすぐり右手も自由になる。そのまま両足のスミレとブルムもくすぐり、拘束から解き放たれる。
そして、顔を叩いていた3人を捕まえ、3人のお腹に顔をこすりつける。これって意外にくすぐったいらしく、プラムたちがケラケラ笑い出した。
それにしてもプラムとシオンは、俺のことをいつも攻撃してくるな。今日は、何もしてないぞ。
シンラを肩車して、プラムとシオンを片腕ずつ抱きかかえる。こうしていると、ミーシャたちをこうやって運んでいたことを思い出すな。そのミーシャたちだが、抱きかかえている腕にスミレとブルムがぶら下がり、背中にミーシャがしがみついている。
「シュウ、何かすごいことになっているわね。子どもたちに嫌われるなんて、思っている人の光景には見えないわね」
「あ~抱きかかえている2人に顔を叩かれて、シンラに髪の毛を引っ張られてなければな。シンラは思い当たることはあるけど、プラムとシオンには思い当たることは無いんだよな。痛くないんだけど、心が痛いよ」
後ろからついてきたピーチに笑われてしまった。
食堂で朝食を食べたら、仕事のために庁舎へ向かうことにした。準備をして家を出ようとする前に、廊下を高速ハイハイしているシンラに見つかり捕まった。それを追いかけて来たプラムとシオンが、足にしがみつき抱き着きコアラみたいになっている。
今日は仕事に行けなそうな雰囲気だな。グリエルに連絡を入れると、2週間は来なくても問題ないのでお子さんたちとゆっくり遊んでくださいだってさ。
別に俺がいなくても問題ないってことのようだ。2週間っていうのも、決済の必要な書類がその2日後が締め切りというだけで、この決済が無ければ来なくてもいいと言われそうだ。
両足にプラムとシオンを抱き着かせたまま、子ども部屋に向かうことにした。重石を着けながら歩いているのと同じなので、正直歩き辛いけど離させるためにはシンラを下ろす必要があるのだが、絶対に下りないという気持ちが込められた必死さをシンラから感じる。
子ども部屋に着くと部屋の中にはウルたちがいた。ウルがシンラの様子を見て、両足に抱き着いている2人を見てどういう状況か理解してくれたようだ。俺の近くに来ると、シンラを受け取るように両腕を伸ばしてきた。
近付いてきているウルを見て、さっきまでの必死さは無くなりウルにそのまま抱っこされる。スミレとブルムは、両足に抱き着いているプラムとシオンを抱きかかえる。
解放された俺は、一息ついた。
仕事は特に問題ないとのことなので、今日も1日子どもたちと一緒に遊ぶことにした。
2日続けて畑エリアに行っても子どもたちは面白くないだろうと思い、何かしたいことを聞いてみたら、久しぶりにプールに入りたいと強請られたので、庭の一角に土魔法で子ども用の深さがあまりないプールを作成する。
下の子たち用には、柔らかいビニールに空気を入れて使うプールを召喚している。3人と母親が入るので大きい物を準備している。DPで魔改造したので壊れる心配もない。ビニールプールの底に板を張り付けているので、ウルたち用に用意したプールに浮かばせることもできるように作成している。
上の子たちのプールは経った状態で腰より少し深いくらいで、下の子たちのプールは座った状態で肩くらいまでしか深さが無いので、安全にも考慮している。安全確保のためのスライムたちも、各プールに配置しているので大丈夫だろう。
大人が泳げる深さではないので、俺は一緒に水遊びをする形となる。ミーシャたちも泳ぐのが目的ではなく、遊ぶのが目的なので用途的には何の問題も無い。
遊ぶ道具として、水鉄砲を準備してあげるとミーシャたちは、ポンプで空気を入れ飛ばす距離を延ばすタイプの水鉄砲、ウォーターガンを持っていき、下の子たちにはトリガーを引くと水が出る水鉄砲を渡した。
子どもたちは、水が出るのが面白いのかお互いに掛け合ったり、俺や母親に向かって水を飛ばしている。
お昼まで遊んでから昼食を食べ、お昼寝の流れで1日が過ぎていく。
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