1616話 チビ神の我儘
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息抜きで書いた小説を2つアップしています。
バザールに呼ばれることも無く、娘たちとゆっくり寝れた俺の気力はマックスだ!
気分だけだけどな!
普通にいつも通りの元気である。
でも、朝は娘たちの方が早く起きたため、過激な方法で起こされたことが少し疲れをよんでいた。
地球にいたころからなのだが、俺はいろんな所で良く寝る奴だった。だけど、寝る場所によって睡眠の質というか深さが違ったのだ。家や身内しかいない所ではなかなか起きないのだが、学校とかで寝ているとすぐに目が覚めた。
場所によって睡眠の質が違うのは当然なのだが、今回は身内っていうか家族で妻と娘たちしかいなかったわけで、グッスリと寝てたわけだ。軽く叩いても俺が起きなかったから、どうやって起こそうか4人で考えたんだってさ。
前にボディープレスは止めてほしいって言ってたので、違う方法で起こそうと考えた結果、最近覚えた氷魔法を使って氷を作り出して、その氷を服をめくって直に体に乗せたのだ。
そうすれば、さすがに眠りの深い俺でも目が覚めるわ!
怒ろうとしたけど、ニコニコした可愛い笑顔で「おはよう」と言われれば、怒気も吹っ飛んじゃうよね。気分の上下で、朝から少し疲れているが、娘たちと一緒に寝れたので元気はいっぱいである。
ちなみに下の子たちとは、一緒に寝ていない。これは正しくないな。一緒に寝ようとベッドで横になるまでは良かったのだが、プラムとシオンが『何でシンラ以外の人がいるんだ?』みたいな感じで、近くにいた俺を蹴飛ばしてきたので、泣く泣く一緒に寝ることを諦めたことがあるのだ。
あの時は、さすがに泣いてしまったね。俺よりシンラの方がいいのは分からなくもないが、蹴飛ばすのは止めてほしかったな。もうね、3日程何もできないくらいにショックを受けたさ。
そんなことを思い出しながら、部屋に向かった。
「待っていたでござるよ。早速、状況説明を始めるでござる」
そういって、大画面に現状を表示してくれた。まぁこれを見れば大体のことが分かるのだが、きちんと言葉でも説明してくれたのだ。
敵は、娘たちの作ったエリアを突破し、31階に到着していた。こちらは、57階にまで到達していた。
敵が31階に到達したのは、3時間前。進めたのは大体2割ほど。今までの速度を考えれば、かなり遅くなっている。その2割も、こっちの魔物に遭遇しない通路を進んだ分が含まれているための物だ。正規ルートで言えば、まだ1割も踏破できていない。
3時間経っても、初めの魔物を配置した部屋を突破できていないのだ。やはり、寄生虫型の魔物はゴーレムには役に立たず自力勝負になった途端、力負けをしてしまったのだろう。
相手の魔物も決して弱いわけじゃないのだが、それ以上の物をこちらが用意したために弱く見えてしまっているのだ。
『みなさん、おはようございます。どうやら、駄女神の所のダンジョンマスターがかかわると、ランカー同士のバトルでもハイペースな試合展開になるようですね。賭けに参加したお前ら、賭けた内容は大丈夫か? まさか、1ヶ月以上にかけた奴はいないよな?』
解説者の発言に、会場にいる他の神たちが怨嗟の声が聞こえて来た。
「おっと、朝から解説者が元気だな。それに周りにいる神たちも、朝早くからあんな声を出して」
「それなのでござるが、この解説者や他の神たちも、徹夜でござるよ」
「マジか?」
「そもそも、神は寝ることができるだけで、寝る必要ないでござるよ。主殿のスライムたちと一緒でござる。寝なくても問題ないでござるから、1日中騒いでいたでござるよ。学生の飲み会のようなノリでござった」
「そうなのか? チビ神は良く寝ている気がするけどな。小説や漫画を読みながら寝落ちして、タブレットが涎だらけになってそうだ」
『ギクリッ……汚れても、しっかり洗ってるから大丈夫よ! 多分』
「まさかのドンピシャだったみたいだな。いや~、お風呂やサウナでも見れるように、完全防水にしてたやつを渡しておいてよかったわ」
『そうだ! あんた、今度でいいんだけど、あんたがマイワールド内に作った複合施設送ってくんない? 私もお風呂に入りながら読みたいんだけど!』
「風呂くらい、自分で用意できんだろ?」
あ、口に出しているのは、この部屋にいる奴にもチビ神の声が届いているからだ。
『一応、システムバスみたいなお風呂はあるけど、そうじゃないのよ! 私は、大きなお風呂で優雅に読みたいのよ!』
「なんか、面倒なことになってきたな。そもそも、建物とか送ることできんのか?」
『出来るわよ! あんたがイメージすれば、建物ごとこっちに送られてくるわよ』
「そうなのか? 前に使ってた、スーパー銭湯なら余ってるから、お前の所に送ってやるよ。それで我慢しろ。というか、1人で使うには十分すぎる広さだろ?」
『ええ~マイワールドのあれが欲しい! 送ってくれないと』
「お前、いい加減それで脅すのやめろよな。どうせ複合施設のスポーツジムを送っても使わんだろうし、風呂だけで十分だろ?」
『使わないかもしれないけど、欲しいのよ!』
「こっちに得がない。余った物をやる分にはまだ許せるけど、それ以上となると、そっちからも何か差し出すべきだろうな」
『クッ「ころ」……変なツッコミすんじゃないわよ! わかったわ、何か対価になるものがあればいいのね? それなら、やってやろうじゃない! 今回賭けで勝つから、それを使って何か仕入れてやるわよ! 見てなさい』
そう言って、どこかへ走り去っていった。
「相変わらず自由でござるな。状況説明の続きでござる」
敵の魔物は、ゴーレムたちに完封されているので、しばらくは問題ないだろう。それと、アンデッドも追加で設置したようだ。アンデッドも寄生虫型の魔物の影響を受けないようだ。現場で指揮を執っているらしい。動きが良く見えたのはそういう訳か。
ゴーレムとアンデッドを駆使して、敵の物量作戦に対抗しているということだ。
攻めの方に関しては、メグちゃんが爆発しそうで冷や冷やしているとのことだった。
自分で攻撃できないことが、思っている以上にストレスになっているみたいなのだ。娘たちに応援してもらって、爆発しないように抑える必要がありそうだな。
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