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016話 仲間ができた

アクセスありがとうございます。

 宿に戻ると、素材の吟味の前にカエデが、


「忠誠の儀式を受けてもらえるかな?」


「信頼関係が築けていると思うけど、わざわざする必要はあるのか? 大切な仲間なのに上下関係見たいのが生まれたりしないか?」


「区切りみたいなものだし、可能なら深く繋がりたいと思ってる。上下関係というよりは、無意識で話してしまうのを防ぐ意味合いもあるわ。いずれ私の魅力でシュウを振り向かせるから」


「最後の一言はいらないだろ! で、どうしたらいい?」


「私、半精霊カエデ・ファフニルは、シュウに対して忠誠を誓います。あなたが私を不要とするその時まで、あなたに仕えることをお許しください」


 かしこまって、カエデが宣言する。何か返した方がいいと思いその場のノリでやってしまった。


「私、風間修は、良き仲間としてカエデと一緒に歩ませていただきます」


 俺が言葉を返した後、カエデの体が光を放ち俺の方へ収束される。


 体の中に暖かな何かが入ってくるのが分かった。これが精霊との契約みたいなものなのだろうか?


「えへへ、まさかあんな返し方してくれるなんてね。でも、シュウから何かを受け取ったような感じがしたんだけど何か分かる?」


「え? 何か起ったのかな? 鑑定程じゃないけどマップでも簡単なステータスを見れるからちょっと見てみよっか」


「鑑定はわかるけどマップって何?」


「あ~知らないのも無理ないよね。ダンマスのスキルの一つだよ。おうふ、ダンマスのスキルが増えてるな。情報共有か色々設定できるみたいだな。


 マップ共有か、ダンマスの一部スキルをカエデも使えるようにできるみたいだな。この感じだと仲間っていうよりは部下とかそんな感じに見えるな」


「私はそれでもかまわないよ。シュウ専用の性奴隷でも問題ないし、というかむしろそうしてほしい!」


「だからそういうのをぶっこんで来るなって、本当にカエデはぶれないな」


 カエデにマップ使用を許可して使ってみてもらうことにした。


「ん~これってフレデリクの街かな? 街以外には細長い線があって、その先に何か広がってるね。なにこれ?」


「その広がってる部分は、カエデに会ったゴブリンのコロニーのあたりだよ。


 このマップを使ってゴブリンの位置とかLvを確認して各個撃破してたところに、カエデが運ばれてるのが見えたから知らんふりもできないし助けに行ったんだよ」


「索敵なんかよりよっぽど便利なスキルね。これが無かったら今頃ゴブリンの慰み者にされて、孕まなかったら死んでたかもしれないわね。助けてくれたのがシュウで本当によかった」


「助けられて本当によかったよ。一つ言っておくとマップは便利だけど、DPって言われるダンジョンを作ったりするのに使うポイントを使ってエリア掌握をしないとマップに表示されないんだよ。だから必要に応じて掌握してるのが現状なんだよ」


 カエデが少し考える仕草をして質問してくる。


「なんでフレデリクの街を掌握してるの? 魔物がいるわけじゃないのにDPとか言うのを大量に使ってもよかったの?」


「そうか、俺たちダンマスがどうやってDPを稼いでるかも知らないから当たり前の疑問だな。俺以外のダンマスは、基本的にダンジョンを作って冒険者を呼び込むことが目的なんだ。


 何で呼び込むかというと、自分のダンジョンの中に人や支配下にない魔物がいると一時間おきに少しずつDPがもらえて、ダンジョン内で倒すと一気にDPが稼げるんだよ」


「ふ~ん、でもフレデリクの街はダンジョンじゃないよね? なんで掌握してるの?」


「今までのダンマスも誤解していたようだけど、ダンジョンの中にいさせるとDPがもらえるんじゃなくて、正確には、掌握したエリア内にいさせるとDPがもらえるんだ。


 冒険者なら聞いたことあるだろうけど、ダンジョンに一般人が連れ込まれることがあるのは知ってるでしょ? あれは、効率よくDPを稼ごうとしてダンジョンの中に住ませようとしてたんだよ。


 この世界の人はそんなこと知らないから危険なダンジョンとして、強い冒険者が討伐しに行くみたいだね」


「人間牧場だっけ? あれは危険視されてるわね。危険だから排除するみたいな流れだった気がするわ。


 フレデリクの街を掌握してるってことは、もしかしてDPがいっぱい稼げてるってこと? シュウの話だと人の住むところを掌握すれば、、勝手にDPが増えていくってことでしょ?」


「そそ、だからそのうち他の街もどんどんエリア内に入れておきたいんだよな。他にも主要な道は掌握したいところだね。そうすれば、エリア内ならどこにどんな人間がいるとか分かるからね」


「なるほどね、今聞いたことは大体わかったわ。ダンジョンマスターって他にも何かできるの?」


「そうだな、簡単に言えば掌握したエリアにダンジョンを作る。モンスターを召喚する。アイテムや素材を召喚する。ってところかな。ダンジョンを作るの応用で地形を変えたり建物を建てたりすることもできるみたいだよ」


 カエデは、キラキラした目で俺の事を見つめていた。こんな表情ができるもんだなと感心してると、何かを思ったのか質問してきた。


「あれ? もしかして、家がほしかったのって秘密基地でも作りたかったの?」


「秘密基地っていい響きだな。それに近いものが作りたかったのは間違いないよ。空き地にいきなり家ができたら、流石に不思議がられるだろうからどうしようかなってな。


 不自然にならない程度に、ちょこちょこ改造していくのがベターだと思ってる。正式に仲間になったからカエデの部屋も用意するし、希望があれば鍛冶場も作ろうかと思ってるよ」


「え!? 私専用のってこと?」


 今までにないくらい良い笑顔になり、こちらを見ている。尻尾があったら高速で振り回されているに違いない。


「まぁ、専用ってことになるね。DPの許す範囲でいいものを作ろうと考えてるよ」


「シュウ大好き! それと私の部屋は準備しなくていいよ。シュウの部屋で寝るから」


「俺がよくねえって言ってるだろ。俺の部屋に許可なく忍び込んだら、簀巻きにして床に転がすぞ」


「シュウに縛られる!? それはそれでありなんじゃないかしら? 身動きの取れない私、それを見ているシュウが、『ゴツンッ』痛い! なんで頭をたたくの?」


 頭を押さえながら俺の事を非難してくる。


「カエデに変な性癖が目覚めそうで怖かったから、強制的に止めてみただけだ気にするな」


 俺が作ろうとしている家に、新しくカエデ専用の工房を作る予定であることを話すと、カエデは自分の工房を作ってもらえるのだから、買う家のお金を払わせてほしいと、土下座をして頭を下げてきた。


 土下座ってあるんだな。


 カエデのお金を使いたくなかったのだが、2人でお金を合わせて予定している家より広い敷地のある場所が購入できれば、もっといろんな用途に使えるはずだ! とカエデに説得されてしまった。


 相談の結果、最低限どのくらいの広さが必要なのか決まった。


 予算をオーバーしてしまったときは、高額依頼でも受けて稼ぐことにする。


 お金が足りなかったらDPで出してもいいんだけど、そのことはカエデには秘密にしておこう。


 余計な心配や気遣いをさせたくないのだ。儀式を行う前から俺のためにいつも全力であれこれしてくれるし、色んなことを教えてもらっているから、あまり負担をかけたくない気持ちが強かったのだ。


 明日にでも、俺たちの拠点になる家を探しに行くことを伝えると、少しだらしない笑顔になり、カエデの後ろには花畑が見えるような幻覚に襲われた。


 女将から夕食の声がかかったので、あっちの世界に旅立っているカエデを放置して夕食を食べに向かった。


 相変わらずいい匂いだ、自分の家を持ったら食事をどうするか考えないとな。DPで毎食呼び出しても、DP的には問題はないがそれでは味気ないよな。


 小説だと異世界物で定番といえば、料理の得意な奴隷を買いに行って、そこで掘り出し物の奴隷に出会うみたいなのはあるあるだよな。


 さすがにそこまでベタな展開は無いか。

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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