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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1590話 常識が覆る

アクセスありがとうございます。

 実験の結果、ただ生活するだけならワニガメの魔物は問題なく過ごせるようだ。攻撃する際に噛み付いたりしていると、その内死んでしまった。そしてここからが問題、3式装備のバックアームの1つを簡単にへし折りやがったのだ。


 口の中でてこの原理が働いたか分からないが、アダマンタイトをへし折ったのだ。俺やシュリもやろうと思えばできないことは無いが、棒と棒の端を持ち中間点を蹴ってやっとできることを、口の中だけで行ったのだ。すべての攻撃力が噛みつきに割り振られているかの如く。


「バザール、これって1回魔物のステータスを見直さないといけないかもな。このワニガメだってステータスだけ見れば、俺より力は低いのにこれだぜ」


 俺たちは、常識を捨てて色々考えなければならないと思った。


 今まで召喚して使ってきたメインの魔物が、何だっけ? よくよく考えたら、メインに召喚したというかよく使っているのって、アンデッドのS級スケルトン君たちだったな。


 あいつらはSランク相当の強さがあるから、あまり気にしてステータスを見ていなかったのだ。見たところで、人の骨格とほぼ同じなので、ステータスもそれに準じているので比べるのが難しい。


 他に召喚したと言えば、男性性犯罪者用にホモークやホモゴブリン、女性性犯罪者と冤罪かぶせの女性用のオークとゴブリンくらいしか思いつかんな。


 ちょこちょこ実験で召喚しているけど、それって実験であってメインに使っているわけなじゃいしな。それ以外で言えば、ウルフ系やケットシーとかになるだろう。


 やはりよく考えても、最近召喚した魔物でまともに使っている奴がいないことが分かっただけだった。


「実験は後で考えればいいでござる。この亀も対抗できる魔物と考えて問題ないでござるから、こいつの対応でござるな。この甲羅は、3式装備で壊せるでござるか?」


 ちょっと可哀そうな気もするが、召喚した亀を3式装備をしたS級スケルトンに攻撃してもらうことにした。


「命令しておいてあれでござるが、亀をいじめているようにしか見えないでござる。助けたら、竜宮城に案内してもらえるでござるかね?」


「竜宮城ね、魔改造アクリル板を使って湖の底に、ちょっとした海中都市でも作ってみるか?」


「あんたたち、また脱線してるわよ。それにしても、この亀の甲羅って硬いわね。アダマンタイトの刃が付いているバックアームで攻撃しているのに、普通に耐えてるわよ」


「完全に無事とは言えないけど、この亀のスキルの所為か甲羅の表面が削れても、しばらくすると直るのだが……それにしても、突き攻撃でも刃先が少し食い込むだけで、ダメージ入ってないよな?」


「そうでござるな。バックアームではなくツルハシでも持たせて攻撃させてみるでござるか?」


 バックアームでは埒が明かなかったので、バザールの意見を採用してアダマンタイト製のツルハシを持たせて攻撃させてみた。


「すげえな、これも耐えるのか。治り具合から見て、同じ個所に10回くらい攻撃できれば甲羅は割れそうだけど、さすがに動く中で相手も攻撃してくるのに一方的に攻撃はできねえよな。しかも、地上でこれってことは、水中の抵抗で攻撃は多少弱くなるし、浮かんでいるわけだから衝撃も拡散するよな」


「思っている以上に、この亀ってやっかいね。タコより倒しにくいわよ」


「甲羅を攻撃しようとするからじゃないっすか? バックアームであれば、頭や手足を攻撃できないっすか? 閉じこもっていても、隙間からこう……ブスッとできないっすかね?」


 健司の言うように、甲羅を攻略する必要はないな。なので、頭や手足を攻撃してもらった。


「おうふ、手足はともかく、こいつの頭って甲羅より硬くねえか?」


 バックアームで攻撃してもらったのだが、頭を攻撃したところ生物を叩いた音ではなく、金属同士がぶつかったような甲高い音が聞こえたのだ。


 手足は、爪や外側の皮膚は甲羅とまではいかないが、なかなか硬かった。しかも甲羅と違って柔軟性があり衝撃を吸収するため斬撃で切るにはかなり無理がある。


 といって、突きで攻撃しても地上では刺さるが、水中でやっても全く刺さらなかった。地面に置いた状態と水中で浮かんでいる状態では、ダメージの通りが全然違う。ここまで硬くなければ関係ないだろうが、一定以上の硬さがあると、水中では攻撃が効かなくなる。


 それに対して亀の攻撃は噛みつきだけなので、地上にいようと水中にいようと攻撃力に差はない。むしろ自由に動ける水中の方が、脅威度は圧倒的に高いだろう。


「実験すればするほど、亀の厄介さだけが目立つわね。タコも大概ヤバかったけど、この亀、水中だととんでもないわね」


「確かにステータスを見れば、力は確かに強いけど俺よりは低いのは変わりないし、ステータスには出てこない耐久力もおそらく高いんだろうな」


「耐久力って、体力の事じゃないの?」


「違うでござる。この世界では、体力はスタミナでござるな。ゲームではスタミナでも珍しくは無いでござるよ。国民的RPGで体力は、HPに直結していたでござるから、耐久力と間違える人が多いでござるね」


 厳密に言えば体力はスタミナだけに直結しているわけではないが、目に見えない部分のステータスというものが存在していることは、以前から考えていた。


 ちなみにアンデッドの体力値は同じレベル帯の人型魔物より低い。だが、疲れを知らないのでスタミナは無尽蔵だと考えられている。シュウたちは知らないが、アンデッドは魔法生物なのでスタミナは魔力に依存しており、これが一定値以下にならない限り動き続けることができる。


 魔法生物の場合は、魔力消費量より回復量の方が上回っているため、魔法を中心に使うアンデッド以外は常に動き続けているのが実際のところである。ダンジョンでは魔力を使い切る前に、敵が死ぬか自分が死ぬため止まっているところを見れるものはほとんどいない。


 ほとんどというのは、極稀に連戦して魔力が枯渇しているアンデッドがいるのだが、その状態だと動きが悪くなるので、簡単に倒されてしまうのだ。だけど、弱っていたと判断して魔力が枯渇しているとは誰も思うことは無い、というのが隠された真実である。


 実際に数値化できないので半分忘れかけていたが、ここにきて数値化できなくとも明らかに、ステータス以外の数値が関係しているであろう事例が目の前にあるのだ。肯定する要素があっても、否定する要素がない。


「そんなことより、亀の対処法を考えよう」

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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