1561話 リザルト確認
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ダンジョンバトルに勝ってから1週間。予定通り3日は娘たちと一緒に遊んですごした。娘たちだけでなく、下の子たちとも一緒に過ごしている。下の子たちははしゃいでいたと思うが、意思疎通はあまりはかれないので詳しいことはわからない。
それにしても、その3日でスライムたちが嫌と言うほど優秀なことがわかった。ミーシャたちのときもそうだったのだが、子どもたちだけで遊びまわって、疲れてそのまま寝てしまうことがある。
そのときにミーシャたちはほとんど起きなかったのだが、プラムとシオンは寝ているときにシンラから離れるとぐずることが多いのだ。そのため3人を一緒に運んでいたのだが、大きくなってくると力が足りてても、バランスのせいで上手くいかないことが多いのだ。
そのときに活躍するのが、スライムたちである。器用にプラムたちの下へもぐりこみ、ベッドになってくれるのだ。そのままベッドに運んでくれたりもする。そこらへんは、母親の指示で動いてくれているようだ。
何せ、俺の従魔たちは俺の指示より、子どもたちにかかわる指示を優先する傾向にあるのだ。本当に困った奴らだ。特に今困っているのは、ハクだな。
ミーシャたちのときはそうでもなかったのだが、最近はプラムたちにベッタリなのである。3人にというよりは、シンラにベッタリしている印象だが、体の大きさも近いことからシンラの抱き枕みたいになっていることが多い。
これによってシンラが、プラムたちから逃げることが少なくなったようなので、いいことかもしれないな。女のパワーが強い我が家では、逆らってはいけないのだぞ。
まぁ、3日間は楽しく過ごしたわけだ。
残りの4日は、俺が娘たちと遊んでいる3日間にバザールたちが確認した、ダゴンの特性と不思議な槍を持っていたダンマスから得た今までに持っていなかったモノの報告と、バザールたちと物理的に繋がっていない世界への移動について考えていた。
ダゴンなのだが、概ね予想した通りリバイアサンの下位互換であった。リバイアサンが常軌を逸しているだけであって、ダゴンが決して弱いわけではない。むしろ、リバイアサンは水に特化しているが、ダゴンは陸上でも普通に戦えることがわかっている。
リバイアサンも陸上で戦えるけど、水を使わなければ噛み付くか締め付ける、重量による押しつぶしくらいしかできないのだが、ダゴンは人型なので普通に武器をもって戦えるといった程度であるが、それでもSランクの魔物を召喚であるため、Aランクと比べればポテンシャルは高い。
それもDPで強化したら埋まってしまう程度の差なのだが……やはりこいつは、水を操ってこそ生きるタイプの特化型魔物なのだろう。
フェンリルだと、Aランクの魔物と同じLvで勝負させれば、100パーセントフェンリルが勝つ。それだけポテンシャルが違うのだ。あいつの場合は、陸上特化になるのだろうか?
ダゴンだが、予想以上に水を操るのが上手かった。俺が召喚したからという訳ではないと思うが、ダンジョンバトルで見ていた時より、水の扱いが上手い気がする。
そして、水特化なだけであって、他の属性が使えないわけではない。どういうことかと言えば、土魔法を覚えさせて水流に石を混ぜて敵をミンチにする、細かい砂を混ぜたウォーターカッターのようなものなど、いろいろ実験していたようだ。
リバイアサンなら水の勢いだけで同じことができるが、比べる対象ではないということである。
俺たちの結論としては、ダゴンは水棲生物の支援タイプだということになった。こいつがいれば、圧倒的に有利なフィールドを作って戦えるんだからな。水棲魔物の調査も始めていかないとな。
そして、不思議槍のダンマスからゲットしたもので、特質するべきはあの槍だな。どれだけ調べてもあの槍は見当たらなかったが、今まで召喚できなかった槍を7本召喚して調べてみると、そのうちの3本が合体してあの槍になった。
それを実験にバザールに持たせたらしい。綾乃の鬼畜の所業である。
ただ、バザールが持っても全く変化が起きなかった。詳しく調べようにも鑑定にもダンマスの能力でも調べられないので、いろいろ実験してみることにしたらしい。
初めに相手が使っていたマーフォークを召喚して持たせたら、ダンジョンバトルで見たように体が大きくなり、元々はCランク程度だったのがSランクの魔物に近い能力値になっていたとのこと。
他にもゴブリンにも持たせてみたそうだが、変化はなかった。だけど、実験をしていくうえで1つ判明したことがあった。
槍スキルを持っている魔物に不思議槍を持たせると強くなるそうだ。スキルレベルで強化値が変わってくるようだが、スキルレベルで強化できる限界値が決まっているみたいだ。
作れる宝珠のスキルを全部習得しているバザールが強化されなかったのは、ここがポイントのようだ。
強化できる限界値をバザールの能力値が越していたということだ。
「それなら武器を手放すと弱くなる不思議槍より、魔物をDPで強化した方が圧倒的に便利なのよね」
綾乃のこの一言に尽きる。
「確かにSランクに対抗できるまで強化するDPを考えれば安上がりなんだけど、DPが有り余っている俺にはあまり恩恵は無いよな。DPで強化した方なら、槍だけじゃなく他の武器だって使いこなせるからな」
「とりあえず、ハズレでござる。まぁ、使用者固定があるみたいでござるから、各街の部隊長クラス以上に持たせればいいのではないでござるか?」
「それな、騎士団長クラスになると、その槍で強化されないくらい強くなっているみたいなんだよね。教官としてレイリーが優秀なのかね?」
「騎士団長や副団長あたりには、専用に調整した武器でも渡しておけばいいんじゃない? 象徴とまではいわないけど、街を守ってくれるトップなんだから、揃った鎧なんかより専用の武器の方がうれしいんじゃないかしら?」
「そこらへんは、グリエルにもレイリーにも言われた気がするな。騎士ってそういう方がいいのかね? 一応、希望聞いて専用の武器を作ってやるか? 魔核を使えば使用者登録できるしな」
話がそれたと綾乃が突っ込んできた。
槍のダンジョンマスターだが、理由はよくわからないが武器に特化している印象だったな。俺が召喚できない武器をたくさん召喚できるようになっていた。
おそらく、自分で開発したのだろう。中二病的な名前の付いた武器が多かった。
数多くあった武具の中に1つだけ、DPの桁が違うものが存在した。
【メギンギョルド】
北欧神話の雷神トールが腹に身につけていた力帯、説明がそのまんまだった。神話では、アースガルドの巨人の力を倍にしたとかなんとかいう帯だ。
ただ、効果が不明であったため人体実験をしたそうだ(魔物も使ってるけど)。
その結果わかったことは、力が倍ではなく、全能力値の幸運以外が5割増しくらいになる装備のようだ。だけど、不思議槍との併用は不可能だった。強化限界が決まってるんだから、当たり前だよな。
神器っぽいけど、DP的にはグレイプニルの半分以下なので、違う気もする。
他に特質するべきものはなかった。
俺がいない間に、不思議槍から引き継いだダンジョンに、攻略の魔の手が迫ってきていたらしい。
ダンマスの能力は取り上げられたわけじゃないのなら、コアを壊してDPを引き抜くこともできると思って、仲間を連れて潜ってきたようだ。だって、ダンジョン内ならダンマスだって調べられちゃうからね! 普通ならできないのだけど、何故か表示されたからね。名前も一緒だったし。
だから、事後報告でダンジョンを改装して、ラスボスにダゴンと水棲魔物のフルコースを実験としておいておいたようだ。
それにコアは、ダンジョンのある街を掌握して、先行偵察で送り出したヴァンパイアに家を確保させその地下に移動させたのだとか。
はぁ? ヴァンパイアって魔物じゃなくて人扱いだっただろ? って思ったら、ヴァンパイアゾンビだった。
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