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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1510/2519

1510話 正体不明

アクセスありがとうございます。

 今日は、久し振りに庁舎に呼び出された。


 午前中に仕事を終えて家に帰って、下の子たちと遊んでいた午後にグリエルから呼び出しがかかったのだ。


「久し振りに呼び出された気がするけど、何かあったのか?」


「申し訳ありませんが、緊急事態に発展しそうな案件だったので庁舎に来ていただきました」


「ん? ってことは、まだ緊急事態にはなっていないってことか? そんな状態で俺を呼ぶって、そこまで問題になりそうなことなのか?」


 どういう状況か全く分からないので、説明を求めた。


 グリエルに代わってガリアが説明を始めた。だが要領を得ず、さらに混乱する羽目になった。


 要約すると、エリア掌握している一部からの情報が入ってこなくなった、とスプリガンたちから連絡があったそうだ。


 調査をしようにも、人里離れた場所でいく方法が無い、情報が入ってこないエリアは動いているが範囲は変わらず。


 何が起こっているのか分からないことが分かった。何も分からねえなら、俺が呼ばれたのは分かるな。対策を考える必要があるってことだな。


「それにしても、ダンマスの能力を無効化する道具だか能力ってことか? 特殊な外套でダンマスの検索能力から逃れる道具があったのだから、無効化する道具か能力があってもおかしくないか?」


 思ったことをどんどん口に出していく。言葉にすることで新しく発見もあるし、頭の中だけで考えるより良い答えにたどり着けることが多い、俺の経験上だけどな。


「ん~この現象が何時から起きてるか報告はある? 昨日の夜からか様子を見ていたけど、動き出したから俺が呼ばれたのね。また、神界からの干渉だったりするのか?」


 おいっ! チビ神! 返事しろ!


 いつもならすぐに反応があることが多いのだが、今日は全く反応がない。今までに反応がなかったことは、一度もなかったはずだ。しかも、普段と違うことが起きてるのに、チビ神が注目していないはずがないと思う。


「グリエル、ガリア、神たちからの干渉を第一原因として、状況が分かるまで人員を直接動かすのは無しだ。近くにゲートを開いてゴーレムドローンを飛す。情報収集体制だ」


「シュウ様、さすがに神の干渉と決めつけるのは、良くないのでは?」


「考えうるなかで、一番最悪だと思うことを想定する。調べてそれより事態が軽いのであれば、対応は過剰だが足りないことはない。良くないのは、想定を越えてこちらが後手に回ることだ。俺が今思い付くなかで一番最悪なのが、神の干渉なんだよ。あいつらは、この世界の理を簡単に無視するからな」


 同じ土俵であれば、勝ち負けはともかく、すぐにやられることは無いだろう。注意するのは、人外の力ということだ。


 グリエルも納得してくれた。


「とりあえず、ドローンを飛ばしてくる」


 マイワールド経由で、情報の得られないエリアから10キロメートルほど離れた位置にゲートを繋げ、50機のゴーレムドローンを送り出した。


 さて、何がいるのやら?


「能力については全く分からない。思い付く限りの最悪なものを想定」


 前にあった範囲内を根こそぎ消滅させる爆弾、それを打ち出すバージョン、音や匂いなどを媒介とした精神干渉、戦略級の魔法、今すぐに上げられるのはこの程度だった。


 視界内のものを消滅させる、という意見も出たが、神が直接来ない限りはその能力は無理じゃないかな? 一応警戒することにはなったが、そんな能力があるなら何度かあった襲撃のときに使われていると思う。


 生身でナニカの範囲内にいくことはないので、おそらくなんとかなるだろう。


「シュウ様! 画面はゴーストタウンから連れてきた、重犯罪奴隷に見させて説明させますので、直接見ないでください」


 俺がドローンを飛ばしている間に、ナニカを見てしまった場合に死んだり精神が病んだりすることを考え、ゴーストタウンにいる重犯罪奴隷を使うことにしたようだ。


 ドローンから送られてきた映像を見た奴隷たちは、監視者に対してナニカについて報告を始めた。


 とりあえず、死んだり精神が病んだり気が狂うことはなかったようだ。


 見た目はヒトガタのようなのだが、人間ではないようだ。そう判断した理由は、背中から羽が生えているそうだ。鳥獣人にも羽が生えている者もいるそうだが、3対6枚の羽が生えている獣人はいないとのことだ。


「3対6枚! まさか! セラフ?」


 グリエルの制止を振り切り、画面を確認する。


 見てみたものの、良く考えたらアニメの中で出てきたやつしか知らなかったが、見てすぐにセラフの様なナニカと分かってしまった。


 偽ディオニシウス・アレオパギタが定めた天使の九階級のうち最上位、3対6枚の翼を持ち、2枚で頭を、2枚で体を隠し、残り2つの翼ではばたいて移動していた。


 天使? 堕天使とは戦ったことはあるけど、見た目は大分違うんだな。体のサイズも普通の人と同じくらいだしな。


「天使? 神の使い? 地球の知識が適用されるなら、神がこの件に関わっている可能性が高いことになるな。でも、魔物としても存在しているとか昔に聞いた覚えが、魔物の天使と別だと仮定しておくべきか? 神が直接送り込んできたとしたら、勇者より強いかもしれない?」


 最悪を想定するとは言ったが、良くない方へ思考が進んでいる気がする。


 両頬を叩き頭をクリアにして、再度考えを始める。


「なんにしても、仲間を危ない前線に出すわけにはいかない。綾乃に連絡を取って、人造ゴーレムを借りてきてくれ。あいつらを当て馬にして能力の確認をする」


 仮定名セラフの現在地は、ディストピアから見て聖国を挟んで反対側。ほぼ直線でここに向かっているような進みかただ。


 途中にある聖国の都市がどうなろうと知ったことではないが、出来る限り早めに対応しておきたいと考えている。


 それにしても、チビ神の反応が返ってこねえな。神界で何かが起きてるのか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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