1507話 ミヤの1日
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キャンプに行ってから、下の子たちが「お風呂」や「温泉」という言葉に反応するようになった。1歳にもなっていない赤子が、しっかりと言葉を認識して反応できるものなのだろうか?
それと、ミヤとかなり仲良しになっている。どうやら、同じような湯船に入っていたミヤを、仲間と認識しているような気がする。
昼間は、だいたい下の子たちの側で寝ているか、一緒に遊んでいる姿が確認されている。体が大人に近付き、精神も子どもから大人になったのか、行動が変わってきている気がする。
夜は相変わらず、俺の部屋にあるお気に入りの寝床に戻ってくるのだが、妻たちといたしているときにネコドアを開けて入ってきて、妻と顔を見合わせてしまうこともあるのだ。それでもマイペースに自分の場所で寝るあたり、太いネコだな。
っと、今日は休みで、たまたま何をしようかと思っていたときに、ミヤを見つけたので追跡をしてみることにしたのだ。
この時間は何処に行くのだろう?
今の時間は、朝食が終わって少し経っており、8時を少し過ぎた頃だ。
いつものパターンなら、何処かで寝るのだと思うが、この方向は子ども部屋ではなく、外に向かっている気がするのだが……
ミヤはそのまま、外に出てしまった。
何やらキョロキョロしているが、悪さでもするつもりなのだろうか?
何かを発見したミヤは、そちらに向かって走り出す。魔物でもない普通のネコが、俺の追跡から逃れるスピードで走れるわけもなく、簡単に追跡が可能だった。わざわざ気配も消しているので、ミヤもさすがに気付いていないようだ。
ミヤが到着した場所は、スライムたちが集まって日向ぼっこをしている場所だった。
なるほど! 始めにキョロキョロしていたのは、スライムたちを探していたのだろう。場所が分かっていれば、キョロキョロする必要はなかったはずだな。あいつらって、決まった場所にいないから、探す必要があるんだよね。
こんなところに来て何をするつもりなのだろうか?
ミヤは躊躇せずに、スライムたちの上に乗り寝そべり、毛繕いを始めた。身嗜みに気を使っているのかな? 毎日誰かに(俺が大半なのだが)ブラッシングをしてもらっているのに、自分でもしているんだな。
おっおっお?
ミヤだけでなく、うちのネコたちがほとんど集結してきた。全員がスライムたちの上で寛ぎ毛繕いをし始めた。
しばらくすると、ネコたちが集まりお互いに舐め合い始めた。
ミヤもその輪の中にいるってことは、みんなに受け入れられているようだな。
30分ほど経つと、ネコたちが家に戻り始めた。あれ? あそこで寝るんじゃないのか?
ミヤの後を着いていく。他のネコは、自分の特等席にでも向かったのかな?
ミヤは子ども部屋に向かうようだ。ネコやケットシーたちのためのネコドアを通って中に入っていった。
俺もコッソリと子ども部屋に入っていく。
ウルたちも中にいて、下の子と一緒に遊んでいた。面倒を見ているのだろう。その輪の中にミヤがトコトコと歩いて入っていく。
ミヤに気付いたシンラが声をあげる。それにつられて、プラムとシオンも声をあげた。
ミヤもいつになく大きな鳴き声をあげて応えた。鳴き声をあげた後は、下の子たちに近付いて体の何処かに肉球を押し付けてから、真ん中あたりにゴロリと寝転がった。
そんな様子を見たウルたちから、いらっしゃい、と声をかけられているので、かなりの頻度で来ているのだろう。
ミヤの行動も気になるけど、子どもたちが何をして遊んでいるのかも気になるな。
半年を過ぎた下の子たちは、いつの間にかハイハイをするようになり、お姉ちゃんたちを追いかけたり、シンラはプラムとシオンに追いかけられたりしている。まぁハイハイというよりは、ほふく前進に近いのでずりばいかな。
疲れたのか、シンラがパタリと倒れ寝始めた。そこにプラムとシオンもやって来て、両サイドをガッチリ固定して眠りについた。
ウルは近くで待機していたスライムたちに声をかけ、ベッドになるように命令していた。
スライムたちが紙ほどに薄くなり、下の子たちの下へ体を入れてから、ゆっくりともとに戻った。これで、安心して寝てもらって大丈夫だ。
ミヤに視線を戻すと……いなかった。何処に行ったか探すと、部屋の所々に置かれている小鍋に入っていた。すっぽりとはまるのが気持ちがいいのかな?
俺の部屋に置いてある専用の寝床も、すっぽりとはまるタイプが多いもんな。
ウルたちは、下の子たちが寝てしまったので、何をしようかと話し合っている。その中で、ミヤがまたあの鍋の中に入っている、と話していたので、ミヤの寝床なのだろう。
お? ミヤの入っている鍋に、新しく2匹が入ろうとしている。2匹入ればキツいのに、3匹で入ろうとするなんて、狭いところ好きにも程があるだろ。
ミヤたちは昼食まで寝ると食堂へ向かい、昼食を食べ終わると、また子ども部屋で下の子たちと遊んでは寝て、寝ては遊んで、夕食になるとまた食堂へ向かう。
その後は、下の子たちに便乗して、ミヤもお風呂に入るようだ。
湯船の隅にある、ケットシー用に作った浅い湯船に浸かり、専用のシャワーのボタンに手を置いて、体をマッサージしていた。
イメージは、上下左右から強めのシャワーが出ている感じかな?
ケットシーに用意して欲しいと言われて、用意した魔道具である。ケットシーもマッサージは気持ちいいようで、それを利用しているミヤもしたたかだな。
キレイ好きなのは良いのだが、あまりお風呂に入りすぎても体に良くないのでは? と、思うところはある。日々の体調チェックをしているが、今のところ問題はないので、問題が出たら止めよう。
おい! うつ伏せから仰向けに寝転がって、お腹をシャワーでマッサージを、始めたぞあいつ!
満足したのか、体をブルブルふって水を飛ばしている。
ネコ・ケットシー専用の全身ドライヤーの中に入り、全身を乾かしてから家の中の散歩を始めた。
目的地もなくウロウロと30分ほど歩いたら、俺の部屋に入っていった。そらそろ寝るのか?
特に変わったことは何もなかったけど、何となく馴染めているようで良かった。
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