1506話 帰り支度
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一泊二日のキャンプ予定が二泊三日になり、そんなキャンプも終わりをむかえ片付けをしている最中である。
娘たちはキャンプを終えて、思い出を話しながら一緒に片付けをしている。
たった三日間のキャンプだったが、いつもと違う体験をして新しい刺激が嬉しかったのだろう。帰る前からまた来たいね! と、俺の方をチラチラ見ながら、聞こえるように言っているあたり、それだけ楽しかったと言うことだろう。
何回か来たら飽きるとは言わないが、たまに遊び感覚で来るくらいに落ち着くだろう。
この子たちは、いつもと違うことが出来るから楽しいのであって、キャンプ本来の楽しみかたとは、ちょっと違う気がする。
非日常を楽しむということは間違ってはいないが、大人と子供では楽しむ部分が違うか? それにマイワールドでしか、こういった楽しみかたは出来ないぞ。街の外には危険がいっぱいだしな。
娘たちに必要になるかは分からないが、大きくなってからキャンプではなく夜営について教えていくことにしよう。
テントを崩すだけならたいして時間はかからないのだが、これをキレイにしてからテントを畳まないといけないので、設営より時間がかかってしまう。
掃除の手間を極力少なくするために、テントの下にシートを敷いておかなければ、もっと時間がかかっただろう。シートだけなら1人でも簡単にキレイに出来るからな。テントだとそうもいかない。
この世界では考える必要も無いかもしれないが、季節にもよるだろうけど、タープとマントがあれば夜営は可能だと思う。
日帰りが多い冒険者たちは、そもそも嵩張るものはもちあるかない。念のためマントと非常食を持ち歩くくらいだと、ミリーが言ってたっけ?
よく考えたら、泊まりがけしてまで何処に行くんだろう?
気になったので後で聞いてみたが、泊まりがけで冒険者たちが魔物を狩りに行くことは少ないらしい。あるとすれば、街から遠い場所で人気の高い採取品がある魔物の領域の近くには、簡易的に丸太でかこった休息エリアがあるらしい。
なら、何で冒険者たちのためにテントとか夜営道具の開発をしているのだろう?
この答えも分かりやすかった。商人たちの護衛の護衛の場合、事前に取り決めはあるのだが、だいたいが夜営道具は自分たちもちなのだとか。
初めは商人たちが用意してたらしいのだが、自分の物じゃないからか、雑に扱う冒険者が多く維持費を考えたら、護衛代を多少高くして冒険者持ちにした方が安上がりなんだとか。
壊したり汚したりしたら、護衛代から引けばいいのでは? と思ったが、カメラなどの状態を画像として残しておけないので、元からと言われたらどうにもなら無いだろう。無駄なトラブル要因が増えてしまうだけだ。
自分たちで背負うにしても、商人に運んでもらうにしても、軽くてコンパクトである方が使いやすいのだ。運んでもらうとなれば、商人たちに金を払わないといけないからな。商品を積む場所に置かせてもらうわけで、それなりのお金がとられるんだとか。
雨が降らなければ、テントがなくてもなんとかなるみたいだが、雨が降ったときにテントがなければ、いくらタフな冒険者でも、ほとんど使い物にならなくなるんだってさ。
ミリーは色々考えて、冒険者たちのためになることを実験していたんだな。
ディストピアでは、テントを使う状況なんて無いだろうけどな。ゴーストタウンで活動している冒険者たちのためかな?
なんて、思っていたのだが、ディストピアの冒険者たちも護衛の仕事を受けることがあり、その冒険者たちのために開発をしているのだとか。ゴーストタウンの冒険者たちは、ついでに恩恵を受けられるんだとか。
そうだ、キャンプ中に感じたことを、ミリーに伝えておく。たいした情報ではないが、何かの役に立てば嬉しいな。
時間は戻り、テントを片付けているところだ。
ドーム型って、ロッジ型に比べると片付けやすいんだな。俺が使ったことがあるのって、ロッジ型のゴッツイやつだけだからな。テントによってここまで違うもんなんだな。
娘たちは……おい!
娘たちの姿を探したら、シェルターテントの中に敷いてあったシートの上にエアーベッドを移動させて、ケットシーたちとゴロゴロして遊んでいた。その中に違和感なく紛れていたのは、ミヤだった。
気持ちは分からんでもないが、片付けないとシルキーたちに怒られるぞ! と言うと、慌てて片付け始めた。
シルキーたちは、怒ると怖いわけではないのだが、食事がね。栄養価は高いけど美味しくない保存食みたいなのが出てくるんだよね。なんと言うか、味がしなくてパサパサしたカロ○ーメイトみたいなやつがね。
好き嫌いはない娘たちだが、あれはキツいだろうな。俺もあれはイヤだ。
楽しかったキャンプの片付けも終わり、妻たちと合流する。
いつになく賑やかだと思ったら、プラムたちが元気に騒いでいるようだ。泣いているとかではなく、子どもたちだけでしか通じない言葉でしゃべっている感じだ。
そんな様子を見たウルたちは、プラムたちの場所までかけよった。
下の子たちも、ウルたちのことを認識しており、あーだー声をあげている。姉弟仲が良くて良いことだ。
微笑ましい様子を眺めていると、視線が突き刺さるような感じがした。その方向を見ると、姉妹たちにもみくちゃにされているシンラを発見する。
さすがに可哀想だと思い、ライラに許可をもらって救出する。これがライラたち母親だと、プラムたちが怒るのだが、俺が救出すると怒らないんだよな。これがいつまで続くか分からんけどな……
反対にと言っていいのか、プラムとシオンも抱っこしろとせがんでくるのだが、それをするとシンラがまたオモチャにされるので、今回は母親に抱っこしてもらいなさい。
だいたいこういうときは、俺に抱っこして欲しいわけではなく、誰かに抱っこして欲しくてせがんでくることは、経験上理解しているので大丈夫だろう。
帰ろうとしたところで、プラムとシオンが温泉を見て指を指しているようだった。入りたいのだろうか? ピーチたちが連れていくと、声が大きくなったので間違いなさそうだ。
この歳にして、主張するようになったのか?
時間的にも問題ないので、今日も浸かっていくことにしよう。
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