1504話 のんびりした時間
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「温泉も掘り終わったし、お湯が溜まったら一番風呂に入るか?」
俺がそう聞くと、娘たちは全員横に振った。おろろ?
理由が気になったので、聞いてみると分かりやすい理由だった。お母さんたちと一緒に入りたいそうだ。全部を自分たちで作ったわけじゃないが、自分たちが頑張ったことには変わりがないので、一緒に入りたいのだとか。
とはいえ、魔法を使うにもそれなりに集中しているし、体も動かしているので汗をかいている状態のまま、何もしなかったら妻たちだけでなく、シルキーたちにも何を言われるか分かったものではない。
温泉は一緒に入りたいということで、温泉でなければいいのでは? と思い、
「分かった。温泉は、お母さんたちと一緒に入ろう。でも、汗をかいたからそれは流しておいた方がいい。だから、俺が作ったサウナならどうかな? また、汗をかくけど、その後に水風呂でさっぱりできるぞ!」
娘たちは基本的に、お風呂が好きである。温泉は母親とと思っていたから、頑なに入ろうとはしないだろうが、サウナであれば問題なさそうだ。少し汗をかき、服が湿っているのを不快に思ったかまでは分からないが、俺の提案に乗って来た。
着替えの服を取りに行かないといけないので、俺が取ってこようと声をかけると、自分たちも行くと言って一緒に行く事になった。俺の服のセンスが疑われている? とか思ったが、今回は娘たちが準備した服しか持ってきてないから、それは無いだろう。
今回、服などの日用品? というべきものは、収納の腕輪の中に入れずに鞄で持ってきている。深い理由は無いのだが、そっちの方がぽかったのでそうしたというだけだ。
途中から目的とはかけ離れていたが、楽しければいいと開き直っているので、こういった無駄なこともしている。元々、娘たちにはお気に入りのバックがあったのだが、成長するため小さくなってしまったので、新しい鞄も選んでお気に入りの1つになっている。
準備も終わりサウナへ向かう。
「しまった……脱衣所がない」
サウナと温泉、水風呂、柵代わりなどは作ったのに、肝心の脱衣所を忘れていた。そのセリフに、娘たちはジト目で俺のことを見てくる。そんな目で見ないでくれ。
「それでも大丈夫! サウナみたいにダンマスの力で作れば、問題は解決するのだ!」
温泉がCの形をしていて、内側にサウナと水風呂がある。そして、通路みたいな形でひらけている部分はそれなりに広い。そこにドカンッ! と脱衣所を建てる。
準備を済ませサウナへ向かう。
「このサウナは、みんなにも入りやすいように、下に足水風呂を用意しているから、熱かったら入れてみるといいぞ。でも、無理して長い時間入ろうとしない方がいいからな!」
このサウナは、3段になっており一番下の部分、床にも娘たち専用のスペースを準備している。一番上は大体110度、2段目は95度、3段目が80度、娘たちの位置は60度と差が大きくなっている。普通のサウナであれば、ここまで温度差は無いのだが、そこは魔導具で調整している。
嫁たちの中にも、すごく熱いのがいい妻もいれば、そこそこがいい妻もいる。なので、温度をわける魔導具(クリエイトゴーレム製)は早い段階で作っている。
俺は熱いのが好きなので、一番上に登ると興味を持った娘たちもついてくるが、一段登る毎に顔が険しくなり一番上につくころには、熱い! と騒ぎ始めた。無理は良くないので、娘たち専用の場所に連れて行く。
60度は熱いけど、足水風呂があるおかげか気持ち良いと言って入っている。暑い日に水風呂が気持ちいのと同じ原理だと思う。この世界では、結構普通のことだったりする。お湯のお風呂につかるのは、薪代が大変なので。火魔法使いや金持ちの道楽に近い面がある。
俺の管理下にある街は衛生面を考えて、ディストピア以外は公衆浴場を税金で賄っているので、意識が変わりつつあるが、他の街でお風呂というか体を綺麗にする=水浴び、というのが普通である。
俺と娘達のいる位置は遠くないので、のんびりと話しながら3回ほどサウナに入った。娘たちには、喉が渇く前にスポーツドリンクを薄めたて少し温めた物を飲ませている。
サウナって、どうしてこんなしんどく感じるのに、入りたくなるんだろうね? 何かしらの中毒性でもあるのだろうか? と考えてしまう。苦手な人はとことん苦手だから、何か素養が必要だったりするのかな?
娘たちは、ミストサウナにはよく入っているが、乾式サウナに長時間はいるのは初めてだ。サウナの比較的好きなカエデとリンドの娘、スミレとブルムは、気に入っている様子だ。獣人の2人、ウルとミーシャは、嫌いではないが水足風呂がないと長く入りたいとは思わないらしい。
種族的なものかは分からないが、みんなで入れるようになったのは素直に喜んでいる様子だったな。
あがる際には、少し熱めのシャワーをかけてあげて、さっぱりとした様子である。服を着ると、娘たちはドライヤーの魔導具を持ってきて、俺に乾かしてほしいとお願いしてくる。
そういえば、髪の毛を乾かすのって久しぶりのような気がするな。
「お姫様、熱くありませんか?」
などと、聞いてみると、苦しゅうない! と返って来た。それはちょっと違うんじゃないかな? 中途半端にアニメや漫画の知識を取り入れてしまった感じだな。でも、面白いからいいや。満足そうな表情をしているので、これはこれでいいだろう。
今日の夕食は、シルキーたちが作ってくれるらしいので、後はご飯の時間を待つだけだ。
1時間程時間があるので娘たちは、アニメを見始めた。気に入ったのか、椅子に埋まるように座って、大画面のテレビで新作のアニメを見始めた。少女アニメだったので、俺は興味を失い、娘たちの後ろで小説を読む事にした。
いつの間にか食事の時間になっており、ブラウニーに呼ばれ娘たちに引っ張られて、食事の場所へたどり着く。
今日も美味しそうな食事である。シルキーとブラウニーに感謝して、いただきます!
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