1477話 地雷処理に失敗か!?
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ん~サクサク視察が終わるのって便利だな。
「シュウ様、視察に行かれてどうでしたか?」
俺は全部の街の視察が終わった次の日、執務室でグリエルたちと向かい合って話している。ちなみに、獣人たちの住む街には行っていない。あそこは俺が作ったが、俺たちが管理する街ではなく獣人たちの自治区になっているからだ。
基本的には、あの街で起こるトラブルには首を突っ込まない。だけどあの街が、戦争をしかけられたり仕掛けようとすれば、俺たちも動く事になる。
仕掛けられたときは守る側に回るが、仕掛ける側になった場合は街を攻める方に回る事になっている。これは建設時には無かった取り決めだが、グリエルたちが自治区の長たちと話して決めた事である。
自治区には、人間に恨みの強い獣人が多い。だからといってむやみやたらに戦争をされては困る。俺が手間をかけて救い出したのに勝手に死に急ぐな! ということだ。それに戦争がしたいのであれば、他の街へ行くように要請している。自分たちで作った街でなら勝手にしてもいいよ! ということだ。
大分前にだが、助長した獣人たちがいて、それをディストピアの兵士や冒険者たちが止めた経験から生まれた決まりみたいなものだ。
それはさておき、視察の感想だな。
「これだけ簡単に行けるなら、月に1回でも簡単にいけるね!」
「それは現場への迷惑になるので、本当に止めてください」
ヤバい雰囲気を醸し出しながら、ガリアが俺に止めてくれと懇願してきた。
「さすがにそんなことしないよ。でも、半年に1回くらい行きたいかな? 欲をかけば、季節の変わり目に1回ずつ、3ヶ月に1度位は街を見ておきたいかな? って思うくらいだな」
「半年に1度……3ヶ月に1度、確かに季節の変わり目で、行ってみたいのは理解できますね。自分たちも時間が取れれば行きたい所ですが、どうですかね?」
グリエルは、同席していた秘書に確認をとっている。ちなみに秘書の数だが俺には1人、グリエルとガリアには4人ずつついている。4人の内訳は、女性1人男性3人である。
何でこんな内訳なのかと言えば、女性の1人はタイムキーパー……スケジュール管理と時間の調整などをしている。本来のタイムキーパーとは違うが、何故かそう呼ばれることが多い。理由は分かっていない。
残りの3人は、グリエルたちの仕事を代理する者たち。領主代行やその地位に近い位置で働く人たちの最終実地訓練みたいな感じである。ここでの仕事が問題なければ、はれて見習いから卒業ということになる。まぁ、この人たちは上級管理職になるので、一般とはかなり扱いが違う。
ただ、この中で一番能力が高いのは誰かと聞かれれば、タイムキーパーの女性だろう。領主代行も口をそろえて、自分たちより有能だというほどに恐れているらしい。
自分以外の3人の能力を完全に把握しており、割り振っても問題ない仕事を的確に割り振り、能力以上の物を割り振ることもあるが、それは自分でしっかり処理できるかの確認でもある。
もし自分で処理できないと判断した物があった場合、どのように対応するのかを見るのだとか。同僚に相談、それでも解決できなければ上司であるグリエルたちに……と言う形で、最終実地訓練の実質的な試験管である。
そのタイムキーパーの秘書たちが、タブレットを取り出し何やら確認を行っている。
「そうですね、半年のであれば同行は可能ですね。監査部の件がありましたが、必要数以上の人材は確保できていますので、シュウ様が新しい街を3~4程一気に手に入れなければ、余裕を持って対応できるのではないかと判断します」
「へ~部下たちも育ってきてるんだな。じゃぁ、グリエルたちも長い休暇をとれそうか?」
「2人とも同時にとなるとさすがに厳しいですが、お1人ずつで問題なければ、今すぐにでも可能だと思います。シュウ様の仕事が増える事になりますが」
どんな仕事が増えるのかと思ったら、報告書関係の書類チェックだってさ。さすがに秘書たちもできるのだが、最終的に判断しなきゃいけない部分が増えるのだとか。グリエルたちでできても、秘書たちには出来ない物も多いのだとか。
「そっか、グリエルとガリア、俺が命令して休ませるのも何か変だから、3ヶ月以内に最低でも2週間はまとまった休暇をとってくれ。そこら辺はお互いで話し合って決めてほしい。君たちは休みをとれるかい?」
「2人がいる時であれば、問題ないと思いますが、どうでしょうか?」
「そうですね。タイムキーパーに仕事を割り振られなくても、自分たちで判断できるようになるのは、大切かもしれませんね。その方向で考えてみますか?」
グリエルとガリア、タイムキーパーの2人はにこやかに話しているが、残りの6人の顔色がダイブ悪くなっている気がする、頑張れ!
「シュウ様。もし長期休みをとる場合ですが、あの別荘を借りたりすることはできるのですか?」
「あの別荘? あぁ、湖になる孤島の別荘のこと? もちろんいいよ。家族で行ってくるといいよ。別に週末でも休みの日だったら貸し出すよ。ほとんど使ってないしね。クルーザーだって貸し出してもいいよ」
「あの! それは、私たちにも貸し出していただけるということですか?」
「もちろん。君たちにも苦労かけているからね。事前に申請すれば利用できるように話しておくよ」
「あぁ、彼氏とあそこでゆっくり過ごせるかもしれないのか……」
たしかこの娘たちって、20歳ちょっと過ぎたくらいだっけ? 有能だけど、平民の出だからって酷い扱いを受けているのを拾って来たとか言ってたよな。それが3年くらい前だっけ? その時18とか、そのくらいだったような?
見習い君たちより大分下なのだが、恐れられている彼女たちである。
この子たち彼氏がいたんだな……仕事ばかりしているから、縁遠いかと思ってたけどそうでも無いみたいだな。
「何言ってるのよ、彼氏なんていないでしょ! 私たちに寄ってくる男なんて、他所の街の屑貴族の次男や三男とかよ。私は、出会いが欲しいわ」
おっと、いけない所に踏み込んでしまった気分だ。どうすればいい? 綾乃でもってあいつじゃ、何の役にも立たねえな。
どういったタイプの男性が好きなのだろうか? 聞いてもいいものか悩むな。確か妻たちと仲良くしている姿を見た事あるから、今度妻たちに話を聞いてみよう。
一先ず、危険な話を隅において、建設的な話をする事にした。
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