1475話 他の街は?
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バレルとメギドへ足を運んで感じたことがあった。
今までは時間があまりかからないし、呼ばれればいつでも行くことができるから……と言う建前で、地方への視察へ行っていなかった。早いと言っても、単純に視察のためだけに往復何時間もかけるのが嫌だったのだ。
だけど、ゲートができた事によって視察へ行くのは、よーいドンッ! はい到着! というレベルにまで時間が短縮される事になった。これであれば、家族……娘たちとも毎日会えるので、精力的に視察へ行ってもいいかな? という気分になっている。
元々周辺にある、ゴーストタウン・ミューズ・グレッグ・ヴローツマインには、時々顔を出していたが、それ以外のところは、呼ばれない限り行くことは無かった。
メギドの後に、周辺にあるラディッツとダギアにも足を運んでいる。あの2つは、帝国が暴走を抑えられなくて、仕方がなく吸収した2つの街だ。意図して奪った街ではないので、適当な改革しかしていなかったという印象だ。
ここの管理もアンソニがやっているようだ。というか、メギド・バレル・ダギア・ラディッツの4都市、隣接した街を実質管理している。アンソニは、メギドに常駐して管理しているため、バレル・ダギア・ラディッツには、別の代行がいる。何やら、エリアマネージャーみたいだな。
で、その4つの街を大きく壁で囲っているので、壁の中は事実上俺の土地ということになっており、かなり自由に開拓されているようだ。
魔の森が壁の中にはなく、一番近いのでバレルと直結しているあの森だけなのだ。なので、一度魔物を壁の中から駆逐してしまったから、魔物がほとんど存在していない。まぁ、ほとんどというのは、飛行系の魔物は移動も簡単にできてしまうので、ほとんどという形である。
で、特に干渉せずに放置していたダギアとラディッツだが、試験農園が上手くいったようで、近くに水源が多くあるため、いつの間にか農耕都市と言われるくらいに生産量が増えているらしい。
自給率が余裕で100パーセントを超えており、前年度は200パーセントを超えていたらしい。今年度は150パーセント位に下がったようだが、その理由が家畜を増やし始めて、貯蓄していた古い穀物類を餌に回し、新しいものに入れ替えたり、輸出したりしているのだとか。
先日メギドでアンソニに説明を受けた時には、気付かなかったが食料の売り買いがメギドで盛んになっているのは、この2つの街の生産のおかげのようだ。
メギド・バレル・ダギア・ラディッツの4つの都市を1つとしてみると、食糧自給率は150パーセント超えているようなので、事実上後2都市ほどの食糧をまかなえる事だ。
この4つの都市の恐ろしいところは、畜産関係や酒造等、加工や違う用途に使われた物を計算に入れていない所だ。それに使われている物も含めれば優に300パーセントを超えるだろう。
まあ、簡単に足を運ぶことができるようになったので、少し前に問題があったリーファスとフレデリクにも足を運ぶ気になった。
ちょっと前に中間の人材が不正を働いたとか何かで、粛清したんだったっけか? もうね、興味が無いって言ったら失礼だけど、屑に興味を持つことが面倒だったので、フレデリクでそいつらの最終処分の報告を聞いて思い出した位だ。
そして、何でここで報告を聞く事になったのか分からないが、新しく作った組織、監査部の報告を受けた。つい最近のことなのに忘れてたよ。
そしてその監査部なのだが、暗部と同調して仕事をしているようで、ゲートを使って仕事をしているらしい。グリエルたちが考えた、抜き打ち調査権を有しているため、急にふらっとあらわれて不備がないか調べていくらしい。
でも何で暗部と一緒に? と思ったのだが、移動に時間がかからなくなった暗部が、元々仕事が少なかったため何か仕事がないかと相談しに来たところで、監査部のトップと遭遇して意気投合、手が空いているのであれば、監査部を手伝うことの許可が出たんだとか。
そうだったんだ……って言ったら、報告書が上がってるはずですよ! とフレデリクの領主代行に突っ込まれてしまった。その後に、何でこの報告をここでしているのかの説明があった。
あの監査部の初の抜き打ち調査権が、フレデリクで先日使用されたのだとか。その報告書も近日中に上がってくると思いますが、抜き打ち調査を受けた側からも、改善点があれば俺に報告しておいてほしいと、お願いされたそうだ。
まだしっかりと、監査の方法が定まっていないので、端から調べる形で時間がかかりすぎている印象を受けたってさ。普通さ、突然来て色々調べたからって、分かるわけなくね? ある程度目星を付けてから来たのかな?
ちょっと気になったので、グリエルに連絡をしたら、あれは抜き打ち調査でもあるけど、不正があったばかりの場所で、すぐに次の不正がある可能性は少ないと思い、全てを調べるという一番大変な作業の練習台の意味もあったらしい。
それを聞いて、俺も領主代行も納得した。
抜き打ち調査のあれこれの報告を受け、頑張っているんだな。なんて、他人事のような感想を心の中で言っていた。
その後にフレデリクの街を少し見て回り、産業について色々説明を受けた。やはりというべきか、ダギアやラディッツの様だった。こちらの方が先だから、向こうがフレデリクっぽくなったというべきだな。
決定的な違いは、こっちにはいくつか魔の森が存在するので、魔物を倒しきることは出来なかった。森を壁で囲うなりすれば不可能ではないが、そこまでする意味もないのでやっていない。
で、家畜は魔物に食べられてしまうので、こっちは食料生産に特化しており、余剰分を近くの街へ売ったり、加工してお酒などにしているようだ。
しかも、フレデリクは水田を作っているので、米が大量に採れる。パン食が中心のフレデリクでは余るのだが、お酒……日本酒に加工できるように、ブラウニーたちが技術指導と召喚した麹をわけているため、日本酒の名産地となっている。
リーファスにも行ったが、向こうは果樹園を作っておりブドウが異様に多かった……ワインが大量に生産されていた。
どうでもいい話だが、フレデリクに初めて到着して泊まった宿、満腹亭に顔を出したら、おばちゃんが俺のことを覚えていて嬉しかったな。カエデの件もあって印象的だったのだとか。
で、実は領主をやっていることを話したら、驚いてこけてしまい怪我をさせてしまった。きちんと回復魔法で治したけどね。
そして勝手に、領主のお気に入りの宿としてギルド各所に話をして、なんかそれっぽいものをクリエイトゴーレムで作って、贈呈しておいた。
おばちゃん! これからも頑張ってくれ!
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