1456話 まんなか
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休日もちょうど中日の4日目。今日は、地球でいうところの日曜日である。
昨日は、朝からずっと子どもたちと遊んでいた。格闘技の練習ごっこだったり、ゲームだったり、砂遊びだったり、プールだったりと色々遊びつくした。そして、夜は疲れるように眠ってしまった娘たちと一緒のベッドで寝ている。
朝起きたら、ウルを含めた4人とも、俺に乗っかって寝ていた。一番大人しかったのは、腕枕で寝ていたウルだろう。その反対に一番激しかったのは、ブルムだった。ブルムは俺の胸の上を占拠して、俺の顔に足を向けていたつわものである。目が覚めた時に目の前に足があったので、噛み付いてしまったほどだ。
甘噛み程度だったけど、ブルムにめっちゃ怒られて、とーたん、嫌いって言われて、小1時間立ち直れなかった。妻たちに話したら、自業自得と呆れられてしまったよ。
ただ、妻たちは疑問に思っていたようで、普段一緒に寝ているのは母親たちなのだが、誰と寝ても今日みたいに人の体に乗ったりすることは無いようで、俺のときばかりそういうことが起こるので、不思議だと言っていた。
ん~、これも好かれているということなのだろうか? ブルムには嫌われてしまったが、朝食の後に謝ると、今日も一緒に遊んでくれたら許してくれるとの事だったので、一緒に遊んでいる。
俺的には、一緒に遊ばないって言われたら、もう立ち直れなかったので、個人的には一緒に遊べてホクホクである。
そんな俺が今何をしているかと言えば、前に計画していた大人のアスレチック(地球で見ると)で、子供たちと一緒に遊んでいる。
どんな場所かと言えば、高さ10メートルくらいある場所に、ロープで作られた橋に木の板をグラグラ動くようにつけているあれとか、木と木の間をロープの網で繋いでありそれをわたったり、丸太の橋を渡ったり、正直地球の大人でも大変なアスレチックで遊んでいる。
そして凄いことに、命綱などを一切つけていない。娘たちもレベルは高いので10メートル位なら普通に着地できるし、過保護なスライムたちが娘たちの下でわらわらと待機しているので、万が一にも怪我はない。
途中でスライムのクッションが楽しかったのか、近くの木をスルスルと登って行き、40メートルくらい上からスライムたちに飛び降りていたしな。俺、帰ったらミリーたちに怒られないだろうか?
午前中は、娘たちとだけだったが、午後になると他の妻たちも全員集まって来て、みんなで競争をして遊んだりした。さすがに娘たちが、俺たちに混ざっても勝てないので、自分たちで選んだスライムに代わりに競争してもらったりしている。
ただ、ニコだけは他のスライムたちに比べて、ステータスが高すぎるため出場停止になっていた。落ち込んでいたニコを、娘たちが撫でている姿を、パシャリと写真に収める。
そういえば、娘たちの写真をとる機会が減っていたから、色々とっておかないとな! 妻たちもいろんなところで写真をとっているし、従魔たちも写真をとっているので、娘たちの写真フォルダが大変なことになっている。
それでも、昔みたいに現像して保存する必要がないので、劣化もないしかさばらないから便利だと思う。親の持っていたアルバムとか、重いうえにデカいのに100枚も保存できてなかったような? 両親は元気にしてんのかな? じっちゃんやばっちゃんもさ。
ちょっと地球のことを考えてセンチメンタルな気分になっていたら、ミリーが後ろから抱き着いてきた。
「シュウ君、何考えてるの? 当ててあげようか、故郷のこと考えてたんでしょ? シュウ君は分かりやすいからな。寂しかったりするの?」
「どうだろな。今の生活も、ミリーたちも娘たちもいて、みんなに囲まれて生活できているのは嬉しいんだけど、ふとした時に考えちゃうんだよね」
「この前、チビ神にあったから? あの神様から連絡があった後って、よく寂しそうな顔をすることがあったからね。シュウ君の生みの親である人たちには悪いけど、私はシュウ君がこの世界に来てくれて嬉しいよ。ミーシャも生まれたし、一緒に住めないと思っていた家族とも暮らせるようになったからね」
この世界に来なければ手に入らなかった物は、限りなく多い。それでも、やっぱり、思い出しちゃうんだよね。記憶とかも全て消されているって話だから、帰れたとしても誰も覚えていないんだけどね。
ん? そういえば、俺の首を毒矢で貫いたあいつは、何で俺のこと覚えてたんだろ? 記憶を消したってのが嘘? それとも、この世界に来ると記憶が復活したりすんのかな?
まあ、死んだやつのことはどうでもいいか。
「ミリーがシュウにくっついてるわね。何かあったの?」
「私がシュウ君と、イチャイチャしちゃいけないのかしら?」
「そんなことないけど、ミリーが家族の前でもイチャイチャしているのは珍しいからね。カエデは良く抱き着いたりしてるけどさ。隣が空いているみたいだから、私は隣に座らせてもらうわ」
リンドが俺たちの様子を見て、珍しいなと声をかけてきて、そのまま俺の横に座った。
そうすると今度は、カエデが寄って来てリンドと逆の方に座った。
こうなると今度は、ミーシャたちが発見して、ずるい! と叫び突撃をしてくる。ウルが俺のあぐらの中、スミレとブルムはそれぞれ母親と俺の膝の上に跨るように座った。ミーシャは、ミリーと俺の間に挟まるように体をこじ入れてきた。
「この子たちは、本当にシュウ君の事が好きね。ちょっと、嫉妬しちゃうわね。プラムちゃんたちも、この子たちみたいにシュウ君の事が好きになったら、お父さんとしては、大変ね」
「嫌われるよりは、マシだな」
「今朝の様子を見てればね。フフフ」
「カエデ、笑うなよ。あれって、マジできつかったんだからな」
「目の前にあっても、いたずらで女の子の足を噛んじゃ駄目だよ」
今朝のことを思いだしたブルムが、俺の膝をポカポカと叩き始めた。次は舐める位にするから、許してくれ。
「舐めてもダメだからね」
なんと! リンドに俺の心の声を読まれてしまった。
それにしてもスライムって、個々によって思った以上に運動能力に差があるんだな。いつも、プルプルしたり集団で動いているから分からなかったけど、同じ色のスライムでも運動が得意な奴苦手な奴っているんだな。
スライムたちについて、新たな発見があった休日だった。
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