1454話 追加作成……
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スポーツジム異変から半月が過ぎた。ディストピアは表面上安寧を保っている。だが裏では……
というには語弊があるが、大型施設がすべてマイワールドに収容された。ゲートで行き来できるようになり、初めエントランスにつかわれていたゲートの収束地は、今や大きな公園と化していた。
移動時間を短くするためのエリアだったのだが、大きな公園となったことで少し目的とかけ離れている気がしなくもないが、憩いの場として使われるようになっている。特に子どもたちに人気のスポットだ。
今までは遠くのエリアに住んでいた子どもたちとは、学校で顔を合わせて帰りに少し遊ぶくらいだったが、今は学校帰りに大きな公園に行って時間ギリギリまで遊んで帰るようになっていた。
ディストピアは大雑把に分けると、南に工房で働く人たち、北側に木こり、西側に農夫、東側に海産物加工の人たちが住んでいる。中央には、商売を営んでいる人たちが多い。そしてお互いのエリアの隙間に冒険者が住んでいるような感じだ。
厳密に分かれているわけではないが、仕事場に近い所に住んでいる人が多い。そのため子どもたちが集まるとなると、どうしても同じエリアの子どもたちで集まりがちである。そんなのを解消してくれたのが、この公園だ。
親たちもここなら安心して遊ばせられると人気である。なにせ、俺の従魔がいるため危ないことをしようとしても、止めてくれるのだ。それに遊び相手にもなってくれると、赤ちゃんを連れて散歩に来る夫婦もいる。自分たちで遊んでやれよ! と思わなくもないが、息抜きも必要だろう。
特に人気なのが、スライムといつの間にか魔獣になっていたうちの猫たちだ。そしてその猫たちなのだが、気付いたら……200匹くらいに増えていたな。
食堂に食べに来るのは、俺が初めて召喚した猫たちと綾乃が欲しいといったけど面倒をみきれなくなった猫たちだけなので、ここまでいるとは思っていなかった。
じゃぁ、その猫たちがどこで生まれたかと言えば、ダンジョン農園で自然発生したらしい。猫たちがダンジョン農園に遊びに行くと、近くに子猫があらわれることがあったらしい。それをダンジョン農園のドリアードやブラウニーたちが、餌付けして育てていたのだとか。
ダンジョンで子猫があらわれたのは、猫たちの中に子どもが欲しいと思った猫がいたのだろう……と四大精霊たちは予想していた。でも、そんなことがなぜ起きたのかは、誰にも分らなかった。
チビ神に聞いてみたが、あんたのダンジョンなんだから、あんたの庇護下にあるよわっちい猫くらいなら、複製するんじゃない? とか、言っていた。ぶっちゃけ、ダンジョンのことを全て知っているわけじゃないから、本当に知りたいなら創造神にきけば? って言われた。
神って言っても全知全能には、程遠い存在なんだな。チビ神なんて特にな。
そう思ったら、耳元で叫んでいるような声が聞こえて、鬱陶しかった。
俺が庭にいる時とかによく見かけるなって思ってたのは、数が増えていたからだということが判明した。言われてみれば、元々いた猫たちと微妙に模様が違うだけだったから気付けなかったのだ。
そんなこんなで、公園は憩いの場としても人気だし、子どもの遊び場としても人気である。たくさんの人が集まれば、出会いの場にもなるわけで、仲良くなった人たちがデート感覚でスポーツジムに行く。この世界ではスポーツジムが、デートスポットになるようだ。
で、今俺が公園に来ている理由は、スポーツジムを利用した後も話したいっていう理由から、水着とかで入れるお風呂なんかも作ってもらえないかって、ディストピアの若い世代の独身男女が訴えてきたので、その施設を何処に作るのかの検討のためである。
順当に考えれば、スポーツジムとスーパー銭湯は隣接しているので、その反対側に作るべきなのだろうが、庁舎の職員たちから待ったがかかったのだ。
スーパー銭湯があるのに同じような施設を作るのはナンセンスなので、スーパー銭湯を広げて着衣、水着や湯着などを着用して入る混浴エリアと、男女別のエリアに別けようという話になった。
公園から見る必要は無いのだが、何となく公園から見ているため、俺の中で話がややこしくなっている。
そんなことは置いておいて、どういう風に作るかだな。子どものいる家族も、家族で入りたいっていう要望があるから、結構広めに作った方がいいかな?
やっぱり、スポーツジムとスーパー銭湯にくっ付くように、混浴エリアを作るべきだよな。で、スーパー銭湯みたいに男女に別けるのは、着替える所だけでいいので、いろんなお風呂が楽しめるようにしよう。お風呂の面積が単純に2倍になるんだから、今までにないお風呂も作れるな。
1時間後には、設計も終わりDPによって建設も済んでいた。
俺の周りには、妻たちが集まっている。不備がないか、調整した方がいい場所がないか、確認するために俺たちが体験利用する事になっていたので、みんなが集まっているのだ。
家のお風呂も自由度が高いけど、限りあるスペースで作っているので、ここみたいに色々なお風呂は準備されていない。ダンジョン農園にある離れの湯とでも呼べる場所も、ここまでは大きくないしな。
さっきまで大人数だったのに、男女に分かれるとはっきりするこの差。男が俺しかいない……まあ、息子も1人いるのだが、母親と一緒だからな。
一応ここのルールなので、湯着をみんな着用している。男用の湯着は、トランクスタイプの水着みたいだな。それに対して女性用は、キャミソールとホットパンツみたいな感じだな。
薄手の生地ではなく少し厚めの生地で出来ており、カラフルな色合いである。これには理由があった。
薄手だと透けて見えてしまうのだ。この世界の人たちはあまり気にしていないようだが、男の中にはよからぬことを考えるやつがいるからな。そういう意味で厚手にしている。
でも、厚手にしたことにより少し問題が発生した。体を洗いにくかったのだ。そのせいで妻たちはキャミソールを持ち上げて胸を出して洗っていたのだ。これでは意味がないので、体を洗う場所は別ける事にした。
そして、赤ちゃんも入れやすいように、常にきれいなお湯で温度調整可能なベビーバスが至る所に配置されている。赤ちゃんは大人のように長い時間入っていられないので、赤ちゃんが休めるように専用のベビーカーも貸し出している。赤ちゃんと一緒に入る際には、複数枚のバスタオル貸し出しを行う予定だ。
プラムたちもご機嫌だな。お風呂に入れてもらって、温まったらタオルにくるんでもらい、ベビーカーでキャッキャ声を上げている。
通路にベビーカーを置くと邪魔になるので、足を延ばせるようになっており、寝ている部分がお湯につからないようにお風呂が作られている。すべてがすべてではないが、半分以上のお風呂にベビーカーごと入れるようになっていた。
日本では絶対に考えられないが、お風呂の概念が固まっていないディストピアであれば、何の問題もない。一応、家族用のエリアっぽいところと、友達で来るエリアっぽいところに分かれてはいるが、何処に入るかは自由である。
スーパー銭湯の混浴エリアは、いつの日か赤ちゃんの入浴方法を教えてもらったり、手伝ってもらえる奥様方の強い味方になったとかならないとか?
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